航空業界からアパレル、そしてITへ。一見バラバラに見える角田さんのキャリアを紐解いていくと、そこには一貫して「好きか嫌いか」というシンプルな判断軸があった。BOATRIP入社から8ヶ月、少しずつ言語化されてきたという自身のキャリア観について聞いた。
全寮制の高校から、羽田空港のグランドスタッフへ
山梨県にある全寮制の日本航空高校に進学した角田さん。「新しい友達ができるかもって、なんとなくノリで選んだ」というが、剣道の授業で遅刻すると腕立て伏せをするような厳しい3年間を過ごした。専門学校でマーシャリング(誘導灯を使った航空機の地上誘導)を学んだ後、JALグランドサポート羽田へ入社。フォークリフトで貨物を運ぶ日々を送っていたが、入社した年はちょうど経営再建期にあたっていた。
「手取りが12万円くらいで、一時金を払うから早期退職してくれないかっていう話が出てきて。ちょっと怖くなって辞めることにしました」
「愛着を持てるか」で選んできた、その後のキャリア
空港を離れた後、父の元部下に誘われて家電量販店での携帯電話販売の仕事に就く。3年ほど勤めた後、「なんか違うな、もっと自分が面白いと思える仕事をしよう」とアパレル業界へ転身した。ビジュアルマーチャンダイザーや販売、PRとして約6〜7年活動する中で、角田さんはあるこだわりに気づき始める。
「自分がその材(商材)に携われる、自分がそれをなすっていうのが、多分本質的に好きなんですよね」
アパレル業界の給与水準の低下を機に、販売促進業のガイアコミュニケーションズへ転職。しかし入社3ヶ月でコロナ禍に見舞われ、広告予算が縮小する中で会社はIT事業への多角化を決断する。
「たまたま僕がその時浮いてたからっていうのもあって、お前SESやってみないかって言われて。そこからIT業界に軸足が移っていった感じです」
「行き当たりばったり」の正体は、"手触り感"だった
インタビューの中で、角田さんは自身のキャリアを一冊の本に例えて振り返った。
「一貫性はないんですよね、パッと見た時に。行き当たりばったりって言われたらそうかもしれないけど、ポジティブに動いた結果、行き当たりばったりになってるだけで。全部、挑戦っていうか、やってみようっていう気持ちからなんです」
対話を重ねる中で浮かび上がってきたのが「手触り感」というキーワードだった。SESの仕事に感じていた違和感を、角田さんはこう表現する。
「SESって右から左に流して手数料をもらう仕事で。自分がこれ何のために、誰のためにやってるんだろうって感覚があって。あまり好きになれなかったんだと思います」
趣味のガジェット収集にもその感覚は通じるという。「このデザインがかっこいいなとか、このキーボードの打鍵感がいいなとか。自分で見て、触れて分かる。紹介できるガジェットと、できないガジェットがあるんですよね」
BOATRIPで見つけた「受託開発」という手触り感
BOATRIPへの入社を決めたのは、代表の笹井さんへの信頼と、SESではなく受託開発に携われるという点だった。
「過去いた業界では利益のために嘘が利用されることも何度も経験した。そういうのが好きじゃなかった中で、笹井さんは嘘をつかなそうだなって思えて。会社のビジョンも入社前からずっと共有してもらっていたので、受託開発の営業を経験できるならBOATRIP以外ないなと思って入りました」
入社後は想像以上の苦労もあった。
「案件ごとに条件が千差万別で、そこの知識のキャッチアップが、技術的なところも含めてネガティブな意味じゃなくめちゃくちゃ難しいなって。入社してからずっと感じているところです。」
「やらない」を選べるようになった8ヶ月間
入社から8ヶ月で、角田さんには大きな変化があった。以前ずっと続けていたSES営業やコミュニティ運営を、思い切って手放したのだ。
「SESやコミュニティは一旦ストップすればって言ってもらえたところから、ガラッと変わりました。今までは、外からの期待を過剰に感じてしまい、自分の気持ちが分からないまま『やらなきゃ』で動いていた。それが今は、元々やりたかったこと10割、外からの期待も10割で、心地いいなって感じています」
その裏には、代表笹井やCOO山本による伴走支援があった。
「受託開発一本に絞らせてくださいって言ったら、毎日定例会を作ってくれて、専用の相談部屋みたいなミーティングまで用意してくれて。根性論じゃなくて、ちゃんと理解させた上で仕事に向かわせてくれる。それがすごくありがたいんです」
BOATRIPという組織を、角田さんは「ワンピースの麦わら海賊団みたいだって、みんな言ってて。それが染みついちゃってる」と笑う。それぞれ違う目標を持ちながら、同じ船に乗って助け合う ── そんなチームのあり方に、少しずつ自分の居場所を見出してきた。
コンフォートゾーンを壊してくれる場所で
これからBOATRIPを目指す人へのメッセージを聞くと、意外な答えが返ってきた。
「ポジティブで挑戦を恐れない人はもちろんなんですけど、僕はどっちかというと逆で、ネガティブな人も挑戦していいんだって思えるような会社だと思うんです。自分のコンフォートゾーンから抜け出すところを、みんな、なんかそれをぶっ壊そうとしてくれる」
5年後、10年後の姿を尋ねると、「行き当たりばったりの人生なので」と笑いながらも、こう続けた。
「息子に対して恥じない父親でありたいっていうのは大前提であって。この先どうなるかは分からないですけど、BOATRIPがそうであるように、挑戦し続けていたいですね」