Visional グループ 株式会社ビズリーチでは、2023 年 4 月に入社した新卒プロダクト職(エンジニア/デザイナー)を対象とした新卒研修を約 3 ヶ月間実施しました。 最初の約 1 ヶ月間はビジネス職と合同で顧客志向を中心に学び、その後はプロダクト職としてモノづくりのプロセスや品質の基礎を学びました。 この記事では、後半約 2 ヶ月間のプロダクト職社員を対象にした職種別研修を通して得た学びや変化について、ご紹介します。
※このストーリーは、2023年9月19日に、企業ブログ「Visional Engineering Blog」で公開した記事を転載したものです。
新卒研修の全体像
今年の職種別研修のテーマは、「品質・テスト」です。 テストのノウハウを学ぶ座学から始まり、テスト駆動開発の第一人者として著名な和田卓人(@t_wada)さんにお越しいただいてテスト駆動開発を学ぶ TDD 研修や、実際に簡単なプログラムを実装して自らテストする実践的な研修まで、品質の高いプロダクト開発を行うための知識と技術を徹底的に学びます。
Visional の新卒研修では、エンジニア・デザイナーともに同じ内容の研修を受講します。 これは、実務でも協力しあって働くことになるエンジニア・デザイナーが、互いの仕事をより深く理解しあい、職種の垣根を無くしてモノづくり全体を知るためです。 エンジニア・デザイナーそれぞれ持っている技術や知識が全く違うので、一人一人の得意を活かして助け合いながら 2 ヶ月の研修を一緒に乗り越えていきます。
私の研修体験記
ここからは、実際にこの研修を受けた私の視点から研修体験記をお話します。
診断ツールを活用して互いを理解し合う
研修初日、早速座学が始まるかと思いきや、まずは自己理解・他者理解のワークを 2 日かけて行いました。 2 つの診断ツールで自分の特徴や行動特性を明確にし、同期・上司と共有します。
例えば私は、「慎重で事前に考え抜いてから行動する」という特性があることがわかりました。 研修中には同期と比べて積極的に行動できないことに焦り、悩んだこともありました。 その際は、他者理解ワークを通して私の慎重な性格をよく把握している上司から「慎重さは個性であり長所でもあるので、行動が遅いということを短所だと捉えて無理に変えようとしなくていい」と助言を受けました。 このような、個々の特性を踏まえた助言には何度も助けられました。
Visional では全社員がこの診断を実施していて、診断結果を共有するだけでお互いがどんな人か簡単に把握できます。 一人一人が自分らしく働くとともに、互いの個性を理解し受け入れ合っているからこそ、チームとして、会社として、大きな成果を出し続けられているのだと感じています。
品質・テストについて座学で徹底的に学ぶ
自己理解・他者理解のワークを終えた後の約 2 週間は、座学を通してエンジニアとしての基礎を学び、スムーズに実務に移れる状態を作ります。 テストの基本的な技法からエンジニアとしての心構えまで、実際に現場で開発を行なっている社員から直接講義を受けることができるので毎講義とても大きな学びがありました。
座学の内容を一つ一つ確実に身につけるため、講義の後にはレポートを書いて学習内容をアウトプットします。 講義の要点や業務への活かし方を整理し、講師や上司からのコメントを通して理解を深めます。 また、日報を通して日々の自分の行動を振り返り、良かった点・改善点を洗い出します。
このように研修の内容と自分の行動の両面から徹底的な振り返りを行うことで、自ら学び続け、成長していく習慣を身につけます。 実務に入った今、日々多くの困難にぶつかっていますが、研修で身につけた振り返りの習慣を活用し、先輩のサポートも受けながら日々成長し続けています。
座学の内容を活かした実践的な研修
職種別研修終盤には、これまで座学で学んできた品質管理の方法やテストプロセスを実践する研修が続きます。 その中でも私にとって特に印象に残っているのが、TDD(テスト駆動開発)研修と実践研修の 2 つです。
TDD 研修では、実際に簡単なコードを書きながら TDD の技法を習得します。 これを通して、自動テストを活用して品質の高いコードを実装する方法を学びます。 TDD 研修については別の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は合わせてご覧ください。
実践研修では、研修初期に各自で実装したコードに対しての一連のテストプロセスを経験します。 TDD 研修では実装段階で品質を高める手法を学んだのに対し、実践研修では、実装済みのコードの不具合を見つけ、取り除いて品質を担保する過程を実践します。 これにより、座学で学んだことを実務で使えるように理解を深めます。 実際、チームに配属されてからは日々テストを行っていますが、この実践研修でテストプロセス全体を実践した経験がとても活きていると感じています。
成果発表
約 2 ヶ月間の研修の最後には、各プロダクトの CTO・配属先のマネージャーやチームメンバーなどに向けて研修での学びと今後に向けた決意表明をする成果発表があります。 この成果発表は大勢の方に向けて行うこともあって、1 週間ほどかけて入念に準備をします。 マインドマップを用いて発表内容のアイデアを発散させ、上司や同期のフィードバックをいただきながら発表資料を作っていきます。 この期間を通して、徹底的に聞き手のことを想像しながら自分の考えを伝えるプレゼンスキルを身につけることができました。
発表後には CTO やマネージャーからも丁寧なフィードバックをいただき、次週からの現場配属に向けて意識を高めます。
研修を通した学び
職種別研修を通して、開発プロセス・品質の基礎を習得することができました。 それに加えて、様々な壁にぶつかり乗り越える中で、社会人としてチームで成果を出していくために大切なことも学びました。 ここでは、その中でも特に大きかった以下の 2 つの学びについてお話します。
- 求められてもいない目標を目指しても意味がない。上司としっかりと期待値をすり合わせることが大切。
- 適切に人を頼ること。「自走する」とは、人に頼らずすべて自分で解決することではなく、必要な助けを自ら依頼して物事を前に進めることである。
座学で完璧を目指しすぎて追い込まれた
座学が多かった研修初期、私は自身の特徴がマイナスに働き、壁にぶつかりました。 私は慎重で正確さを重視するため、全てを完璧に理解しようとしましたが、時間が足りずに追い込まれていきました。 このとき上司に相談した結果、次のような問題点に気づきました。
- 自分に求められていること・期待されているレベルを正しく認識していなかったこと。
- 座学の全てを完璧に理解し覚えようと無理な努力をしていたこと。
研修担当者は、業務に入ってから困った時に研修内容を参照できるよう、大まかな内容を記憶に残すことを期待していました。 しかし、私はその期待値を確認せず、完璧な理解という高すぎるゴールを設定していました。
仕事の価値は相手の期待を満たせるかどうかで決まります。 だからこそ、相手の期待を正確に把握し、それに応える姿勢が重要であると学びました。 この姿勢は、Visional のプロダクト組織全体が大切にしているユーザー視点のモノづくりにも繋がるものであると現場に入ってからも常に心がけています。
人を頼れなくて考え込むことが多かった
研修期間に壁にぶつかる度、私は自分の問題は全て自分で解決せねばと、人を頼ることを避けていました。 しかし、研修を通してユーザー視点のモノづくりには人を頼ることが重要だと気づきました。 ユーザーの期待に早く正確に応えるには、一人の力では難しい場面がほとんどです。 だからこそ Visional は個性を尊重し、チームで協力して成果を最大化することを大切にしています。 自分一人で問題を抱え込む必要は無く、人を頼りながらチームで問題を解決していくことの大切さを学びました。
おわりに
職種別研修を終え、エンジニアとしての基礎に加え、Visional のモノづくりへの向き合い方を学ぶことができたと感じています。
私は今、現場チームに配属されて約 2 ヶ月が経ちました。 研修で壁にぶつかった経験を活かし、今ではタスクのゴールを明確にして取り組むこと・問題にぶつかった時に一人で抱え込みすぎずにチームを巻き込んで最速で解決することを意識して業務に臨むことができています。 Visional には「変わり続けるために、学び続ける」というValueがあります。 新卒研修はまさにその精神を身につけることができる時間でした。 毎日丁寧な振り返りを行って、昨日の自分より今日の自分が成長することを目指してきたことで、たくさんの学びを得ることができました。
私は、「誰よりも人のためを考えて仕事ができる人になる」という目標を掲げています。 今はまだわからないことだらけで自分のことで精一杯な状態ですが、今後もチームを頼りながら日々変わり続け、誰よりも相手視点・ユーザー視点のモノづくりを体現できるようなエンジニアを目指していきたいです。
Visional グループでは新卒採用を積極的に行っています。ご興味がある方は、新卒採用サイトから採用情報をご確認ください。
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