人生の節目でいつも、本の言葉が“前へ進む力”をくれました。
振り返ると、僕の人生には、
本の言葉が前へ進む力をくれた時期が、大きく3つありました。
● 大学生の頃。
起業を明確に描いていたわけではなかったものの、
何かを始めたい、何かを成し遂げたいというエネルギーだけは溢れていた時期でした。
——ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』——(Amazonのリンク)
● 起業したての頃。
右も左も分からず勢いだけで走り続けていました。
性格も荒々しく、人との温度感の違いに悩んでいた時期でした。
——デール・カーネギー『人を動かす』——(Amazonのリンク)
● 創業して数年が経った頃。
会社をどこへ向けるべきか、経営者としての“志”を探し続けていた時期でした。
——稲盛和夫『考え方』——(Amazonのリンク)
この3つの時期に出会った本が、
僕の行動を変え、考え方を変え、人生の方向を決めてきたと感じています。
これから、その3冊が僕に何を残し、
どうBeGood Japanという会社につながっているのかをお話ししていきます。
「未来を書いたら、人生が動き始めました。」
――ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』――
大学時代にナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』を読んだとき、
「思わなければ実現しない。思ったことは現実に近づく」
という言葉が強く心に響きました。
当時の僕は、起業を具体的に考えていたわけではありませんでした。
ただ、何かを始めたい、未来を自分の力で切り開きたいという思いだけは溢れていて、
その情熱の向けどころが分からず、もがいていた時期だったと思います。
そんなときに、17歳の頃に書いた自分史ノートを見返しました。
高校の授業で、これまでの自分と、これからの人生を文章にする課題があったのです。
そこには、当時の僕が描いた未来が、素直な言葉で並んでいました。
22歳 大学卒業
22歳 一流企業に就職
28歳 べっぴんさんと結婚
29歳 第一子誕生
30歳 第二子誕生
34歳 第三子誕生
38歳 独立
46歳 亀戸3丁目に自分の家を建てる
48歳 海外に別宅を建てる
50歳 余裕が出る
51歳〜 好きなことをして生きる
今見返すと青くて素直で、恥ずかしくて笑ってしまうような未来予想図でした。
それでも、そのノートには当時の自分が詰まっていたと感じます。
そして現実の人生は、その未来予想図よりも
はるかに速いスピードで動いていきました。
「38歳で独立」と書いていたのに、
実際には 20歳で独立していました。
この経験から僕は、強く実感しました。
未来は、書いた瞬間から動き始める。
これは精神論ではなく、僕自身の人生で起きた“事実”でした。
だからBeGood Japanを立ち上げるときも、
まず言葉にし、書き出し、動き続けました。
『外国人の若者にとって“最初の日本”を最高の体験にすること』
未来を描き、書き、行動する。
ヒルの本は、僕にその生き方を教えてくれた一冊だったと思います。
「人は正論では動かない。動くのは“気持ち”です。」
――デール・カーネギー『人を動かす』――
起業したての頃の僕は、情熱だけはありましたが、
正直に言うと、人との向き合い方がうまくありませんでした。
思ったことをそのまま口にしてしまう。
うまくいかないと相手にぶつけてしまう。
自分が正しいと信じているほど、その“正しさ”で相手を押し込んでしまう。
その結果、
自分が望んでいる方向とは逆の結果を生んでしまうことが多かったように思います。
そんな時期に出会ったのが、デール・カーネギーの『人を動かす』でした。
この本で僕が学んだのは、声のトーンや表面的な優しさではなく、
“人との向き合い方そのもの” を変える必要があるということでした。
そこから僕は、自分がどう話したいかではなく、
相手がどう受け取るか、どう感じるかを一番に考えるようになりました。
自分の意見を通したいなら、こちらの都合を押しつけるのではなく、
相手が気持ちよく「それ、いいですね」と承諾して動いてくれる状態をつくること。
同じ内容を伝えても、言い方ひとつで、
相手の反応も、その後の結果も大きく変わる。
それを痛いほど学んだ時期でした。
この考え方は、そのままBeGood Japanの文化にもつながっています。
外国人の若者にとって“最初に出会う日本人”として向き合う仕事では、
相手の立場に立って、気持ちを想像し、EQを大切にすることが欠かせません。
カーネギーの本は、
僕に「伝え方ひとつで、人も仕事も変えられる」ということを教えてくれた一冊でした。
「人生も経営も、“考え方”ひとつで変わると学びました。」
――稲盛和夫『考え方』――
創業して数年が経った頃、
BeGood Japanはなんとか走り出していましたが、
僕自身は「この会社をどう育てるべきか」「経営者としてどうあるべきか」
という問いを常に抱えていました。
その時期に読んだのが、稲盛和夫さんの『考え方』という一冊でした。
本の中に書かれていた
“経営は技術ではなく、考え方で決まる”
というメッセージは、胸の奥に強く刺さりました。
特に衝撃的だったのが、あの有名な成功方程式です。
成功 = 能力 × 熱意 × 考え方
能力も熱意も0〜100点。
しかし“考え方”だけは、
マイナス100点からプラス100点まである。
この話を読んだとき、
「人生も経営も、最後は“考え方”で決まるのだ」と強く感じました。
その後、ご縁があって盛和塾に通い、
稲盛さんの哲学に継続的に触れる機会をいただきました。
本で感じたことが、現場での学びや対話を通じて、
少しずつ自分の“覚悟”へと変わっていった感覚があります。
それ以来、BeGood Japanでは、能力の高さだけではなく、
“考え方が前向きか”“仲間やお客様を大切にできるか”
という視点をとても大事にしてきました。
また、短期の損得ではなく、
“長期で見て正しい選択かどうか” を基準に判断するよう意識してきました。
外国人の若者にとって“最初に出会う日本”をつくる仕事は、
テクニックだけでできる仕事ではありません。
誠実さや、人としての在り方がそのまま結果に表れる仕事だと感じています。
稲盛さんの本は、
僕に「人としてどう生きるか」がそのまま経営の土台になる、
ということを教えてくれた一冊でした。
※本はデスクからいつでも見える場所に
学びを自分の考えと混ぜて、実践に落としてきました。
3冊の本から得たことは、
ただ知識として頭に置いておくだけでは意味がない、と感じています。
大事なのは、
本の学びと自分の考えを混ぜ合わせて、
実際の行動や判断に落としていくこと。
未来を書けば、人生は動き始める。
人は正論ではなく心で動く。
人生も経営も、考え方で決まる。
この3つは、今の私の土台になっていると思います。
そしてこれからも、
本から得た学びと、自分の考えや経験を融合させながら、
外国人の若者にとって“最初の日本”を最高の体験にできる会社を、
仲間たちと一緒に育てていきたいと思っています。