「協力しないと、全員損する」――ゲーム理論の話
こんにちは。アズスタッフです!
ゲーム理論と聞くと、「ゲームをする理論?」と思う方もいるかもしれません。
発案者のひとりであるジョン・ナッシュの人生は、映画『ビューティフル・マインド』にもなっているので、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
ただ、ここでいう“ゲーム”はテレビゲームやボードゲームのことではありません。
簡単にいうと、
「複数の人が、それぞれ自分にとって一番良い選択をしようとしたとき、全体としてどんな結果になるのか」
を考える理論です。
たとえば、サッカーのPKで右に蹴るか左に蹴るか。
じゃんけんでどの手を出すか。
麻雀のようなゲームでも、理論上は勝ち方を分析できるそうです。
そんなゲーム理論の中でも有名なもののひとつに、**「囚人のジレンマ」**があります。
囚人のジレンマとは?
ある二人組の犯人が捕まり、別々の部屋で取り調べを受けています。
二人はお互いに相談できません。
そこで、それぞれに司法取引が持ちかけられます。
- 二人とも黙秘した場合:二人とも懲役1年
- 自分だけ自白した場合:自分は釈放、相手は懲役10年
- 相手だけ自白した場合:自分は懲役10年、相手は釈放
- 二人とも自白した場合:二人とも懲役5年
さて、あなたならどうしますか?
「相手が黙秘するなら、自分が自白すれば釈放される」
「相手が自白するなら、自分も自白しないと10年になってしまう」
そう考えると、どちらの場合でも、自白しておいた方が安全に見えます。
そして、相手も同じように考えます。
結果として、二人とも自白し、懲役5年ずつ。
本当は二人とも黙秘していれば1年で済んだのに、
お互いを信じきれなかったことで、二人にとって不利な結果になってしまう。
これが、囚人のジレンマです。
派遣営業に置き換えてみると?
この話は、派遣営業の仕事にも少し似ている部分があります。
たとえば、クライアント企業が「できるだけコストを抑えたい」と考え、単価を大きく下げようとする。
すると、こちらはスタッフさんに十分な給与を提示しづらくなります。
給与条件が合わなければ、良い人材が集まりにくくなる。
結果として、マッチングの質が下がり、クライアントの満足度も上がりにくくなる。
そうなると、次の単価交渉もさらに難しくなってしまう。
本来であれば、クライアントが適正な単価を出し、スタッフさんに良い条件を提示でき、結果として良い人材が集まる。
そうなれば、クライアントにとっても、スタッフさんにとっても、私たちにとっても良い結果につながります。
でも、お互いが「自分だけ損をしたくない」と考えすぎると、全員にとって良くない結果になってしまうことがあります。
たとえば、条件を正直に伝えなかったことで、配属後すぐにミスマッチが発覚する。
クレーム対応や交代対応が発生する。
その工数や信頼損失を考えると、最初から正直に話し合って成立させた案件よりも、結果的に大きなコストがかかることもあります。
長く付き合うなら、協力した方が得
ゲーム理論の面白いところは、
「同じ相手と繰り返し付き合う」
という条件が加わると、答えが変わるところです。
一回きりの取引なら、自分だけ得をしようとする駆け引きが有利に見えるかもしれません。
でも、長期的な関係を続けていくなら、話は変わります。
毎回相手を出し抜こうとするよりも、
正直に情報を共有し、協力し合う方が、結果的にお互いの利益につながります。
囚人のジレンマでいえば、毎回懲役5年になる関係を続けるより、
お互いに協力して毎回1年で済む関係を選んだ方が、明らかに合理的です。
営業の仕事でも同じです。
正直なコミュニケーションを続けることで、信頼が積み上がる。
信頼があるから、次の案件でも相談してもらえる。
その積み重ねが、長期的な成果につながっていく。
つまり、信頼関係をつくることは、きれいごとではなく、数字の面でも合理的な戦略なのだと思います。
最後に
目先の利益だけを見てしまうと、つい「自分だけ損をしない選択」をしたくなることがあります。
でも、長く関係が続いていく相手なら、
お互いに正直でいること、協力し合うことの方が、結果的には大きな利益につながります。
派遣営業の仕事は、人と企業の間に立つ仕事です。
だからこそ、短期的な損得だけではなく、長く信頼される関係づくりを大切にしていきたいと思っています。
ゲーム理論で考えてみても、
「協力すること」は、実はとても合理的な選択なのかもしれません。