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Adventure Blog – 喧騒の中の思い出

セールス担当の塩谷です。

皆さんは「深夜特急」という小説をご存知でしょうか?

沢木耕太郎という旅行者が、インドのデリーから乗合バスだけでロンドンを目指すという紀行小説で、その楽しくも過酷な道中がリアルに記されていることから、バックパッカーのバイブルとしての存在を確率しています。全6冊に分けて出版されている中で、著者本人も最もお気に入りな国である1巻の「香港・マカオ編」は特に必読です。

かくいう私もこのバイブルに魅せられ、沢木耕太郎の姿を追うように香港・マカオを旅行しました。それぞれがイギリス・ポルトガルの統治下にあった経緯から、「ヨーロッパ式の建物の前に中華の屋台が並んでいる」ような、中華と欧米の文化が混ざり合った独特の雰囲気を味わえる場所もあります。今回紹介している風景にあるフェリーは香港を大きく2つに分ける「九龍半島」と「香港島」を結んでいて、夜には100万ドルの夜景とも称されるビル群を眺められます。香港はとにかく活気に溢れていてそこら中から煙や湯気が立ち上がり、喧騒的な雰囲気がとても印象に残っています。

マカオはというと、この小説ではとにかくカジノでの体験が色濃く書かれています。ラスベガスに並ぶ規模のカジノ都市であるマカオには多くのカジノが運営されています。しかし、名物とも言える「大小」というゲームはマカオのカジノにしかなく、これが著者をギャンブルの闇に引きずり込むことになってしまいます。大小というゲームではサイコロ3つが用いられ、合計数が10以下なら小、11以上なら大という選択肢から選ぶのが基本の賭け方です。このサイコロを振る「カララン」という音に病みつきになるようで、私も挑戦した時は1,000円ほど勝った時点でそそくさと退散したのを覚えています。

著者は最終的にロンドンの郵便局から日本の友人に到着を伝える電報を送るのですが、思いがけないオチが待っています。気になる方はぜひ読んでみてください。

この小説を読んでいて、目に映る景色以外にも街の匂いや音、他にも食べ物の味なども旅行の思い出の要素として強く残るものだと感じました。自分の記憶の中にだけ残る貴重な思い出ですよね。でもこの記憶が蘇るのはやはり当時の写真や動画を見返している時なので、その時間はとてもワクワクします。

この「深夜特急」という名前の由来は刑務所からの脱獄を示す隠語が由来だそうです。閉じ込められているという意味では、今は本当に旅行に行きにくい世の中ですよね。私も長いこと海外に出られていないので、旅行に行っていた時の散りばめられた記憶を思い返し、旅への深夜特急に乗れることが待ち遠しいです。

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