こんにちは!株式会社アスペアの採用担当です。
「安定した会社」と「挑戦し続ける会社」。この2つは、一見すると相反するもののように思われがちです。実際、「ベンチャー」と聞けば、20代の若手が中心となって勢いよく突き進むイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
町田に本社を置き、1991年の創業から35年以上にわたって歩みを続けてきた株式会社アスペア。代表を務める加藤雄一は、この会社を「大人のベンチャー」と表現します。安定した経営基盤を持ちながら、なぜ今も挑戦し続けられるのか。そこにはどんな哲学があるのか。加藤本人に話を聞きました。
「安定」と「挑戦」は、本当に両立しないのか
――「安定」と「挑戦」は両立しないと思われがちですが、そのイメージについてどう思われますか?
私は逆だと思っています。挑戦し続けることで、会社は成長し発展していくものです。ただし、挑戦するには経済的にも人的にも投資が必要になる。そのための原資となる利益を安定して出せていなければ、挑戦は続けられません。
足元がぐらぐらしている状態で挑戦するのは、もはや挑戦ではなく無謀やギャンブルです。安定した基盤があるからこそ、真の挑戦ができる。ここでいう「安定」は経営基盤だけの話ではなく、技術力の高いエンジニアが数多く在籍していることも含んでいます。先輩や同僚の経験・知識を借りられるからこそ、社員一人ひとりが安心して新しいことに踏み出せるんです。
――加藤社長にとって「大人のベンチャー」とは、一言で言うとどういう状態を指しますか?
確かな実績とベンチャースピリットを併せ持ち、自立したプロが仲間を尊重しあいながら熱く挑む会社。これが私の中での定義です。
20代の若手が中心となって、ノリと勢いで突き進むベンチャーとは違います。それが悪いという意味ではありませんが、状況を客観的かつ冷静に判断しながら進んでいく姿勢がある。とはいえ、それだけではパッションが生まれない。だからこそ、失敗を恐れずに挑戦するベンチャースピリットも同じくらい大切にしています。
この言葉が生まれたきっかけは、8〜10年前にさかのぼります。ある採用候補者と話していたとき、「渋谷にあるような、うわついた感じのベンチャー企業には行きたくない」と言われたことがありました。でもその方は、協力し合うプロ集団でありながら新しいことに果敢に挑戦したい、という思いを持っていた。そのとき、ベンチャーの定義は一つではないと気づいたんです。自分自身がずっと目指してきた会社経営の形も、まさにこの「大人のベンチャー」だったのだと。
35年変えてこなかった、経営の軸
――創業から35年、変えてこなかった経営の軸は何ですか?
大きく2つあります。①変化を恐れず、新技術や制度改革に挑戦し続けること。②社員の働きやすさと働きがいを充実させること。
①について言えば、私がエンジニアになりたての頃、先輩から「開発言語はCOBOLさえ覚えておけば一生食いっぱぐれない」と言われたことがあります。でも私は、そんなことはないと感じていました。技術はどんどん進化していくはずだと。実際にその通りになりましたし、Javaが浸透し始め他社に先駆けて全社員がJavaでの開発ができるようになった時も、「いつまでもJavaオンリーではない」と社内で言っていました。技術そのものは変わり続けますが、挑戦する意欲だけは一切変わっていません。
②については、1991年の創業直後にフレックスタイム制を導入したことが象徴的です。起業前、エンジニアとして深夜や休日も働き続けて身体に異変をきたした経験があります。やりがいはあったけれど、このままの働き方では40代50代まで続けられないと痛感しました。自分が味わった苦労を社員には味わわせたくない。当時「ワークライフバランス」という言葉すらなかった時代に、ヨーロッパ発の制度をいち早く取り入れました。残業することが評価されがちだった時代に、限られた時間で高いパフォーマンスを出すことこそ大切だと示せたのは、社員からの評判も良かったですね。
――35年という長い歴史がありながら、組織が保守的にならず、風通しの良さやスピード感を保ち続けられている秘訣は何でしょうか?
異論も率直に言い合える「心理的安全性」を強く意識して、社風として根づかせてきました。誰に対して何を言っても大丈夫だ、という感覚が社内に浸透しています。
私自身は、社員が思ったことを言ってきたときに頭ごなしに否定しないようにしています。まずは最後まで話を聞き、「提案してくれてありがとう」と感謝を伝えたうえで議論する。新しいことをやろうとすれば当然いろんな意見が出てきます。リスク管理は必要でも、失敗の可能性を追求しすぎない。スモールスタートでいいから、まずは始めてみる。それが35年経っても組織が硬直しない理由だと思います。
世代を超えて、技術が受け継がれる組織
――逆に、35年の中で大きく変えた・アップデートしたことはありますか?
お客様に常に「最適」を提供するために、最新の技術には積極的にキャッチアップし続けています。1995〜96年頃からインターネットが世の中に浸透し、Webサービスが始まった。そこから今日まで、私たちはずっとアップデートを重ねてきました。
今で言えば、AIがまさにそうです。全体会議では、AIを勉強した社員がみんなの前で発表しますし、AI関連の開発をしている社員がシステム開発の報告をすることもあります。社内のSlackにはAIに関する議論専用のチャンネルがあり、AIツールの購入は会社が補助しています。
こうした学び合いの文化は、AIに限った話ではありません。定例会では10〜15分の技術紹介の時間を設けていますし、プロジェクトの開始・終了時には技術面を中心に報告し合います。書籍買い放題制度もあり、1年間で何冊買っても構いません。申請すればAmazonから自宅に届く仕組みで、許可制ではなく申請制です。若手からベテランまで、それぞれが得た知見を惜しみなく共有し合う。それが、35年蓄積してきた技術力と経験が、きちんと現場に受け継がれている理由だと思います。
安定しているからこそ、挑戦できる
――安定しているからこそ、逆に挑戦できることは何ですか?
アスペアはもともと、バックエンドのシステム開発から始まった会社です。そこからフロントエンド、インフラ(AWSなど)へと領域を広げてきました。会社が安定しているからこそ、時代を先取りしながら「腰を据えて」挑戦できる。ちょっとやってすぐやめるのではなく、マーケット全体のトレンドを見ながら、短期で結果を求めずに継続的に取り組めることが強みです。
――世の中の“勢い重視”のベンチャーと、アスペアの“ベンチャー”はどう違いますか?
勢い重視のベンチャーは、売上などの爆発的な拡大を狙いがちです。社員よりも売上や商品が重視される傾向にある。一方でアスペアは、社員のスキルアップや働き方を重視しています。
働き方で言えば、フルフレックスの社員が全体の8割を占めます。2016年からは副業も解禁していて、これは許可制でもなければ事前の申請も不要です。現在は2〜3割の社員が副業をしており、自分でアプリを開発したり、週末だけ喫茶店を運営したり、舞台の裏方をしていたりと様々です。
――直近1〜2年で、会社として最も「ベンチャーらしい」と感じた、挑戦的なプロジェクトや意思決定の事例はありますか?
入社1〜2年目の人事担当者が、経営課題を解決する施策を自ら提案してきて、私がすぐに導入を決めたことがあります。社員の退職理由に疎外感がある可能性を感じ、「もっと自由にコミュニケーションできる社風をつくりたい」という課題を人事担当に伝えたところ、ピアボーナス制度という形で提案が返ってきました。お金もかかる話でしたが、まずはやってみようと迷わず導入を決めました。
健康経営に関する取り組みでも同様のことがありました。全体会議で健康経営について説明したとき、「ジムに通っているので補助してもらえないか」という提案があり、1〜2ヶ月で補助金制度として実現しています。細かなことでもスピード感を持って進める。それがアスペアらしさだと思っています。
――挑戦には失敗がつきものですが、社員の「失敗」をどう捉え、許容するカルチャーがありますか?
私は、サントリーの「やってみなはれ」精神に強く共感しています。失敗したことより、次にどう改善するかを重視する。むしろ、失敗を恐れて何もしないこと、つまり現状維持のほうがリスクだと考えています。
新しいことをやるときに失敗はつきものです。提案してくれたことは、まず「やってみなはれ」で後押しする。大きな金額が発生する場合は、まずはスモールスタートでやってみる。失敗しないに越したことはありませんが、失敗を追及することはなく、次はどうすれば成功するかを一緒に考えるようにしています。
「大人のベンチャー」を支える、2つの仕組み
――成果や役割を報酬だけでなくポジションにも還元する、その実例はありますか?
AIが浸透し始めた頃、自主的に学習を続けていた社員を、社内のAI研究推進リーダーに抜擢したことがあります。「Slackチャンネルをつくって議論したい」という声を受けてチャンネルを立ち上げ、研究開発的に試してもらっています。
若手の例もあります。前職で3,000人規模の大手企業で下流工程を主に担当していた社員が、上流工程を担いたいと当時の上司に希望を伝えました。しかし、「上流工程に関われるのは、3〜5年後になる」と言われたそうで、若手でも挑戦できる環境を求めてアスペアに入社してくれました。「要件定義を担いたい」という本人の想いを実現するため、上流工程の補助的なポジションからアサインしたところ、補助的な役割にとどまらず、関係各所と自らコミュニケーションを取りながら主体的に上流工程の業務を進め、お客様から高い評価を得るまでになりました。
――社員の自立・自律を促すうえで、あえて管理しないようにしていることはありますか?
社員を性悪説でとらえたり、ルールで縛ったりすることはしていません。現場の担当者に考えさせて、行動させてみることを意識的に大切にしています。
余計なルールは作らず、問題が起きたときに検討する。何も起きていないうちから先読みしてルールをかけることはしません。また、「これってどう思いますか」と聞かれたときも、「あなたはどう思うの」と本人に考えさせる。答えをこちらからなるべく言わないようにしています。より高い視座で物事を考えるほど、答えは見えてくるものです。一般社員なら課長目線、課長なら部長目線、部長なら経営者目線で考える。この癖がついてくると、自然とその視座で考えられるようになっていきます。社員ひとりひとりの主体性を尊重しているので、マイクロマネジメントをすることはないですね。
――「あえて管理しない」ことで、社員同士の連携やチームワークにどんな良い影響が生まれていますか?
書籍買い放題制度や副業制度は、細かいルールや規制をかけていません。それによって、社員の会社に対する信頼感が醸成されていると感じます。実際に社員から「信頼されていることが伝わる」と言われています。書籍買い放題も、どの書籍がOKでどの書籍がNGかを明確に決めていません。それでも業務に必要のない本を買う人はいないです。申請リストは全社員に見える形になっているので、オープンな環境だからこそ成り立っている部分もあると思います。
技術力と経験のある人ほど、活きる理由
――技術力や経験がある人ほど、アスペアで活きる理由は何だと思いますか?
3つあります。1つ目は、エンド企業との直取引が多く、「提案型」で開発できる環境であること。30人弱の小規模なSESにしては、エンド企業との取引が多い会社だと思います。元請けを通じてエンドユーザーと直接コミュニケーションを取ることも珍しくありません。
2つ目は、「キャリア選択制度」によるミスマッチや技術停滞の解消です。会社が一方的にアサインを決める企業や、逆にエンジニアの完全自由選択制をとる企業が多い中、アスペアはそのどちらでもありません。私たちのベースにあるのは、エンジニアの「目指すキャリアパス」です。その目標に対して、営業が案件を厳選して提案します。ただ希望を鵜呑みにするのではなく、ヒアリングだけでは引き出せない「中長期的な視点」や「本人が気づいていないキャリアの可能性」を客観的な目線でサポートします。「この案件でどんなスキルが身につき、次にどんなステップを描けるか」まで見据えて提案するのです。
時には、エンジニアが特定の言語やツールといった『手段』にこだわりすぎてしまうことも。そんな時は本来のキャリアパスに立ち返り、営業や上長が軌道修正のアドバイスを行います。こうして徹底的に対話を重ね、最終的には必ず本人の納得と合意のもとでプロジェクトを決定。伴走者がいるからこそ、迷わずに成長し続けられる環境があります。
3つ目は、クライアントからの「指名」と、それに応える高い信頼性です。あるネット通販のエンドユーザー案件では、規模が大きくなるにつれてアスペア以外の上場企業も開発に加わりました。本番マシンへの移行という責任の大きな仕事を誰に任せるかという話になった際、上場企業の担当者ではなく、アスペアの社員がバイネームで指名されたことがあります。80人体制のプロジェクトの中での指名でしたが、無事に成功へと導きました。地道に、そして細かい成果を出し続けてきたからこそだと思います。
なかには、20年以上の経験を持ちながらマネジメントではなくスペシャリストであり続けたいという社員もいます。「10年経ったら管理職になる」という風潮が一般的だった時代もありましたが、アスペアではそれぞれの志向性に合わせて、マネジメントとスペシャリストのどちらの道を選んでも構いません。
――「大人のベンチャー」に合う人・合わない人はどんな人ですか?
合う人は、自走できる人、学び続ける人、他者へのリスペクトがある人、自己管理のもとで柔軟な環境を楽しめる人です。自ら思考し自律的に動ける人、そして会社の安定した基盤を「自分の挑戦のためのツール」として使い倒せるくらい、目的意識の高い人が向いていると思います。
反対に、指示待ちで依存的な人、自己完結してこだわりが強すぎる人、変化や学習を嫌う人、自己管理が苦手な人には合わないかもしれません。目的より手段にこだわってしまう人や、1から10まで指示されないと動けない人、勢いだけを求める人も同様です。
これからの「大人のベンチャー」
――「大人のベンチャー」という言葉を、今後どんな状態で体現していきたいですか?
若さの勢いだけに頼らず、フラットで自由な風土の中で、技術への挑戦と共有をし続けている状態。そのうえで、地に足のついた信頼感をもって社会やお客様に貢献していきたいと考えています。
現在30名規模のアスペアですが、4年後の2030年度末までに59名まで組織を広げていく計画です。これは、これまで大切にしてきた「安定」と「挑戦」のバランスを保ったまま、より多くの仲間と一緒に、この会社らしいベンチャースピリットを体現していきたいという想いの表れでもあります。
技術も、キャリアも、一人で抱え込まなくていい。安定した基盤の上で、仲間と支え合いながら本気で挑戦したい方は、ぜひ一度、アスペアの話を聞きに来てください!
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