Tokyo Pride 2025
毎年4月に開催のLGBTQ+関連イベント「東京レインボープライド」は 「TokyoPride」に名称変更し、6月のプライドマンスに開催します。
https://pride.tokyo/
【この記事は10分程度で読めます】
こんにちは、技術部のすーみんです。
突然ですが、毎年6月は「プライド月間」と呼ばれる月です。
みなさんは「プライド月間」というものをご存知ですか?
プライド月間とは、性的マイノリティ(LGBTQ+)の人々の自尊心を祝福し、その文化や貢献を記念するために毎年6月に行われているキャンペーン月間です。
もともとは当事者団体が啓発活動として行っていたものですが、今ではそれ以外の企業や団体による独自の発信も増えてきています。
アメリカ合衆国を起点とする世界的なもので、昨今では日本国内でもそれに関連した団体や企業の取組、イベントが徐々に浸透してきているところです。
↑このようなイベントも大々的に行われています
性的マイノリティ(LGBTQ+)とは、性的志向や心の性が一般的な方と異なる方々を総称する言葉です。
L:レズビアン(Lesbian)
女性が女性を性的に好きになること
G:ゲイ(Gay)
男性が男性を性的に好きになること
B:バイセクシャル(Bisexual)
男女関係なくどちらの性も性的に好きになること
T:トランスジェンダー(Trans Gender)
心と体の性が不一致であること
Q+:クイア(Queer)
それ以外の一般的ではない性(無性、両性など)
このなかでも、トランスジェンダーと呼ばれる方々は、医師によって構成される日本GID学会という専門機関の定めた診断ガイドラインに則って診察・カウンセリングを受けた結果、「性別不合(Gender Incongruence)(※1)」と診断されることもあります。
このLGBTQ+の方々と、皆さんは身近で関わったことがあるでしょうか。
おそらく関わっていても気づかない、という事が多いかもしれません。
株式会社LGBT総合研究所の調査によると、2018年現在、全人口のおよそ10%がLGBTQ+に当たるとされています。
つまり全人口の10%なので約1200万人。
これだけの方がLGBTQ+であるとされており、これは左利きの人とほぼ同数なのです。
そして私もまた、LGBTQ+の当事者です。
性的志向は、本人が望むなら社会で働くうえで隠し通すこともできます。
しかし私の場合はそうはいきません。
なぜなら、私はいわゆるトランスジェンダー(トランス女性)であり、性別不合の診断を受けているからです。
↑何年も前から自覚があったのですが、今年の春に正式な診断が下りました。
これは、戸籍上は男性でも、社会的に生活するうえでは女性であるが故の問題です。見た目や服装、化粧室などの問題は、当事者にとっては『そんなこと』どころではない問題です。
しかし私は、私の心に嘘をつかず、自分らしく働きたいという気持ちがずっと強かったのです。
だから、アルトワイズに転職する前は、面接先の企業に対しても、このことをはっきり打ち明ける形で転職活動を行っていた過去があります。
私は約4年前にアルトワイズに入社しました。
驚いたのはその当時、最初の案件面談において、
「最大限、すーみんさんのマイノリティに配慮したいです。どこまで先方に伝えていいか、あるいは伝えてはいけないか、可能な範囲でいいので教えてもらえますか?」
と当時の営業担当に告げられたことです。
実は前の企業ではこのようなことを打ち明けられず、一方的にアサインされた現場に向かうばかりでした。
だから、このような形で配慮いただけることにびっくりしたというか、こういう計らいをしてもらっていいのだろうか?とまで感じました。
このことは今日に至るまで、新しい案件にアサインされる前の面談調整においては、先方に連絡が行っており、私からお願いしたい配慮事項について確認いただいています。
この配慮は、今も私がアルトワイズで安心して働ける一因になっています。
また、特に印象に強く残ったのが、私が性別不合の確定診断を受け、そのことを踏まえて社長に今後の治療方針を打ち明けたときのことです。
ゆくゆくは本名を変え、性別適合手術(※3)を受けようと考えています。だからアルトワイズでは
・ 「通称名(※4)」を使用する
・ 今後ホルモン治療(※5)が更に本格化するため、平日日中の中抜けが発生する可能性もある
・ 性別適合手術を受ける予定の時期に長期の休暇を取る可能性が高いことを留意いただきたい
という点をお願いしました。
ただでさえ先述のような配慮をしてもらっている上、会社的にも負担になるような取り計らいをお願いすることは、私としてもたいへん心苦しかったです。
でもそれ以上に、
「このことを打ち明けたときにどんな反応をされるのか、下手したら拒否されるのではないか」
という恐怖がずっとつきまとっていました。
ところが社長から返ってきたのは
「私としてはすーみんさんを応援したいので、会社としてできる限りサポートしたいと考えてます」(原文ママ)
という同意と応援の言葉でした。
現在は、社内では本名ではなく通称名を利用させていただいている他、社内で混乱を招かないように、事前に私と社長で相談の上で全社にカミングアウトし、通称名を用いることを伝達しています。
このことについても否定的な声はなく、むしろ「すーみんさんらしい名前ですね」とか「今まで苦しんだ分きっといいことがあると思うので最後までがんばってください」などという励ましや応援をいただいています。
ああ、こんなにもアルトワイズは『私が私でいていい場所』なんだ、と改めて感じました。
↑ Slackでも公表し、受け入れてもらえる安心感は本当に絶大です
↑ 社内では改名予定の「通称名」で通っています。それでも私は私なのです
カミングアウトは簡単なことではありませんし、ずっと隠して生きてきた人や、心の性を偽って生きてきた人もいらっしゃることと思います。
ただ、それをたとえカミングアウトしても、男か女かではなく「その人」として接してくれる人たちが、アルトワイズにはいます。
それを受け入れ「その人らしく働ける場所」があります。
そしてなにより、私のようなLGBTQ+の当事者が居て、自分らしく働いています。
アルトワイズは、SOGI(※5)の考え方であなたを受け入れます。
自分の性的マイノリティに嘘をつきたくない、自分らしく働きたい、という方は、ぜひ一度お話してみませんか?
アルトワイズは、”あなたらしさ” を応援します。
文:すーみん
タイトル絵:木口
※1:旧名「性同一性障害(Gender Identity Disorder)」。現在はWHO(国際保健機構)においても性別不合や性別違和などと呼称されます。
※2:心の性と身体の性を一致させるための外科手術。SRSとも言います。生殖器の切除や建造、乳房の切除または建造、顔面の女性化(男性化)手術など、その人の望む形や進度で治療が行われます。
※3:本名ではなく、その人が社会的に利用している別名。性別不合の方は、この通称名を公に1年程度継続して利用していることを証明できると、公的機関において改名が可能です。
※4:身体の性と異なるホルモンを投与する治療。トランス女性の場合は女性ホルモンを取り入れつつ男性ホルモンを抑制する形で治療を行います。元の性ホルモンを抑制するためにホルモンバランスが崩れ、体調不良や精神不安定などになったり、薬そのものの副作用が現れることもあります。
※5:性のあり方はグラデーションであり、性的志向や表現、心の性や身体的特徴は人それぞれだよね、という考え方。単にLGBTQ+当事者とそうではない人、という分け方さえも取り払った考え方です。