10億円以上を調達しているVertical SaaS企業の成長戦略とは【イベントレポート①】 | 株式会社アペルザ
こんにちは!アペルザのコミュニティマネージャーをしています、松本(社内での呼び名は「まつも」)です。 ※アペルザがはじめまして!な方へ。 ...
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こんにちは!アペルザのコミュニティマネージャーをしています、松本(社内での呼び名は「まつも」)です。
※アペルザがはじめまして!な方へ。
株式会社アペルザは、製造業に専門特化したインターネットサービスを提供している会社です。
製造業は、GDPの約2割、輸出の約9割を占めるなど日本を経済大国へと導き、今なお海外で高く評価されている産業です。そんな製造業ですが、中小企業を中心に「技術力があるにも関わらず知られていない企業や製品」がたくさんあります。私たちは、売り手と買い手をつなぐプラットフォームを提供することでこうした企業や製品が国内外に広く知られ、使われるようになるお手伝いをしています。
(アペルザコーポレートサイトより抜粋)
アペルザでは先日、株式会社オクト様との共同イベント、「10億以上を調達しているVertical SaaS企業の成長戦略を徹底議論」を開催しました!
Vertical SaaSって?
ここ数年のスタートアップにおいて、AI/IoT/VR/シェアリングエコノミー/SaaSと様々なビジネスモデルが注目を浴びてきています。 そんな中で、「テクノロジー×SaaS×特定の産業」と言う観点で、特に注目を浴びているのがVertical SaaS(業界特化型のクラウドサービス)です。テクノロジーの力で既存産業の商習慣を再定義しデジタルトランスフォーメーションを実現していく、そんなSaaSが登場し始めています。
(イベント告知サイトより引用)
大好評だったイベントレポートを2本立てでお届けしています。
前半を読みたい方はこちら
▼これからの組織に必要な人材
▼海外展開について
▼経営者だから感じられる喜び
▼最後に
EIGHT ROADS VENTURES JAPAN 村田 純一氏
株式会社オクト 代表取締役 稲田 武夫氏
株式会社アペルザ 代表取締役 石原 誠
村田氏(以下敬称略):お二人それぞれが考える「これからの組織に必要な人材」についてお聞かせください。
石原:製造業ってレガシー産業なので、わりと大手出身の経験豊富な方もきてくださるのですが、前職のやり方を結構ひっぱっちゃうんですね。それは最大のライバルだと思っています。柔軟性がないとスタートアップは向かないんじゃないかなと。
うちは組織変更とか方針変更も頻繁にやっていますし、朝令暮改みたいなことが本当にたくさん起こっています。製造業界を変えようとしているスタートアップでもあるので「変わる」ことに拒否反応を持ってしまう方はマッチしないかもしれません。
村田:Vertical SaaSなので業界知識は必須なのかと思いきや、むしろ関係ないんですね。
石原:そうですね。また職種的なバックグラウンドも私的には結構無視しています。今日の司会の松本も広報の経験はないですが任せていますし、マーケティングなんかも同じです。
村田:ちなみに平均年齢はどれくらいなんですか?
石原:結構高くてですね、35歳くらいです。
村田:なかなか高いですね。今後もキープしたいですか?
石原:初期は経験のある腕のいい人と仕事をした方が早いのですが、これからはスケールに注力していくので、若手の方にもどんどん入っていただき活躍してほしいと思っています。
村田:稲田さんが求める要件は?
稲田氏(以下敬称略):石原さんの話を聞いていて、かなり共感しました。うちでは「アンラーニング」というキーワードがあります。どんなに優秀な方でも、来ていただく際には培ってきたものを一回全部捨てていただく。3ヶ月は新人のつもりでやって欲しいとお願いしています。経験をお持ちの方は必然的にバリューが出てくるので、アンラーニングできる人かどうかを見ていますね。
そしてもう1つが「ミッション共感」です。建築は知らないけどオクトがやっていることに興味があるって熱い気持ちを持ってきてくれる方も多くいてうれしいです。
村田:ミッション共感は話をすればなんとなく分かると思うのですが、アンラーニングってどういった点を見て判断するのでしょうか?
稲田:CXクラスとか、影響力の大きなポジションの方については面接でディスカッションを入れています。NDAを結んだうえで事業の状況をお伝えして、会話してみると結構わかるんです。細かいところまでオペレーションに入らないタイプだなとか、抽象度が高いところから低いところまで頭を行き来させられる人だなとか。
村田:石原さんはミッション共感はいかがですか?
石原:私もミッション共感はかなり大事にしています。製造業に興味を持ってもらえるケースも多いのですが、「日本をなんとかしたい」という文脈の方も一定数いるのかなと。日本にとって大事な産業だからっていう視点で製造業を見ていただいて。
村田:私もスタートアップに関わらせていただいていて、一番楽しいのはその「日本を変えたい」とか、「業界を変えたい」っていうのを真顔でいえる環境だと思っています。めちゃくちゃ貴重ですよね。
石原:はい。「業界をなんとかしたい」っていうのはお客様と共感しあえるポイントでもあります。
村田:会場内から「業界課題の解像度はどれくらい必要?」という質問がきています。つまりしっかり分析しておくことが求められるのか、それともキャッチアップが許されるのか? ということだと思うのですが、いかがでしょうか。
石原:入社時点ではほぼ気にしていません。一過性のものは見るつもりはないですね。入社後3ヶ月くらいはその後の成長のために使ってもらいたいと思っています。
稲田:うちも一緒です。知的好奇心が強い人は、1つの情報を受け取った際にインプットする情報量が全然違うんですね。これがすごく大事で。そういうタイプの人であれば自分で解像度を上げていけるのでまったく気にしていないです。
村田:会場内から海外展開についての質問も挙がっていますね。
石原:ばりばり考えています。日本の売り手を海外に出していきたいと考えているので、そんなに遠くない将来やっていく想定ですし、すでにお客様から「海外で使いたい」という声ももらっています。実際に海外展開しやすいようにサービスをつくっています。
村田:稲田さんはやはり国内?
稲田:そうですね。製造業ほどサプライチェーンがグローバルではないので。ただ、日本のデベロッパーが海外で開発するケースって結構多いんですね。例えばベトナムやハワイなど複数の国に『ANDPAD』が持ち込まれています。そうすると自然と現地の人も使う構造になっていく。我々が戦略的に海外へ持っていくというよりは、お客様が持って行ってくれるっていうのが実際です。
村田:Vertical SaaSのおもしろさって、面で埋められる可能性が高いという点ですよね。その業界のインフラになっていく確率がやっぱり高いなと思います。
稲田:そうですね、非常におもしろいと思います。
石原:我々ももちろんSaaSとしてインフラになっていきたいという思いがあります。その一方で「Market Networks」という考え方をお手本にしているんです。これはNFXという米国のVCが提唱したものです。3つの要素で成り立っていまして、1つが「Workflow SaaS」。あと2つが「Marketplace」「Network」です。Networkはいわゆるコミュニケーションツールですね。
(参考)The Next 10 Years Will Be About "Market Networks"
BtoBでSaaSというと、業務システムっぽい発想になりがちなのですが、それだけじゃない方がよりインフラ化するし、業界をロックしていくと思います。『ANDPAD』も多分SaaSだけでなく、コミュニケーションツール的な役割を担っていますよね。
村田:まさに今日のテーマっぽい話ですね。両社業界は違いますが、「コミュニケーションをして、インタラクトして、ネットワークをつくる」という工程は一緒です。アペルザはクラウドルートから、オクトはコミュニケーションルートからと山に登るルートは違いますが、目指すものは同じ。本質が似ているので、互いに刺激を受ける点は多いのではないかと感じました。
村田:スタートアップの経営者って大変じゃないですか。孤独な面も多いですし。どういうときにやっていてよかったな〜って思いますか。
石原:難しい質問だなって思います。なぜかと言うと、私毎日楽しいんですよ。ちょっとしたトラブルとか起きると「あ〜生きてるな〜」と思うみたいな。このフェーズでトラブルが起きないわけがないし、このフェーズでしか経験できないことがいっぱいです。そういうのを解決したときが本当に楽しいですね。
村田:確かに醍醐味ですね。
石原:あとは社員が褒められているのを見たときはうれしいですね。社員の結婚式とかも泣いちゃいます。
村田:稲田さんはどうですか?
稲田:ちょっと石原さんに似ているんですけど、自分が入っていないミーティングとかで『ANDPAD』についてメンバーが議論しているのを見たときはすごくうれしいですね。
先週はAWSのせいで全然うれしくなかったのですが、サービスが止まりまして……。
(会場に共感の反応)
石原:うちも止まりました。
稲田:おつかれさまでした。ああいうのがあるとやっぱり大変で。問い合わせが数百社からきて。ただその翌日にCSチームが全社にコールしようって言ってて。僕が何か言ったわけではなく、主体的にやっていたんですよ。うちのCSチームってすごく自己学習能力が高くて、毎月どんどん残業も減っているんです。そうやって自分よりも物事に対して真剣に取り組んでくれる人がいるのはうれしいですね。
石原:製造業大好きですし、信じてますし、やっぱり心のどこかで日本をなんとかしたいという思いでやっています。採用に関係なく同じような気持ちを持っている方と出会っていけるとうれしいです。
稲田:私もずっとサラリーマンをやっていました。仕事をしていると閉塞感があったり、先が見えなくなったりとかありますよね。ベンチャーって、いい意味で先が見えないんです。自分の能力とかも含めてチャレンジしがいのある環境です。
ほかにもいいベンチャーたくさんありますので、いろんな会社を見てまわっていただいて、でも最終的にはこの2社に落ち着いていただけるとうれしいですね(笑)
3名のトークセッションの様子を2回にわたってお届けました!!
ちなみにイベント後半には登壇者や参加者の交流時間も設定し、こちらも大いに盛り上がりましたよ♪
トーク内で聞けなかった質問を直に登壇者へぶつけてみたり、ここには書けないようなぶっちゃけ話ができるのも、リアルなイベントならではですね(笑)
会場の閉館時間まで多くの方が交流を楽しんでいらっしゃいました。
(3次会? にまで行った方もいたとか……)
回答いただいたアンケートには、
「得意な業界ありきではなく、業界を選ぶという考え方やアンラーニングという考えは思いつかなかったので印象的でした」
「Vertical SaaSを成功させるためのドライバーや採用のコツがある程度理解できたのがよい点でしたが、もう少し深堀りの時間が欲しかったです」
「 ネット等では聞けないリアルな話が聞けたのでとても良かった」
など、沢山のコメントをいただきました。今回のイベントでVertical SaaSに興味関心をお持ちの方々との濃厚なつながりができましたので、今後もさまざまなイベントを企画していきたいと思います。
ご参加いただきました皆さん、本当にありがとうございました!
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