1
/
5

ANDPAD ZEROが担う使命は、最新テクノロジーを駆使したプロダクト・事業の卵を生み出し、業界の発展を支えること

アンドパッドの新規事業研究開発組織「ANDPAD ZERO」は、現業の延長では作れない、新規プロダクト・事業を開発し続け、建築・建設業界へ新たな体験を提供することをミッションとして誕生しました。2021年の立ち上げ以来、業界の発展に寄与するようなプロダクト・事業を数々生み出しています。今回の記事では、ANDPAD ZEROの責任者である今井に、取り組んでいるプロジェクトや仕事の醍醐味、求められる人材などについて語ってもらいました。

 

今井 亮介 執行役員

一級建築士。大学院卒業後、日本設計にて建築士として国内外の大規模開発に携わった後、デザイン・コンサルティング・ファームにて新規ブランド開発のプロジェクトマネージャーとして従事。その後、個人で新規事業開発コンサルティングを提供しつつ、複数のスタートアップ立ち上げを経験。2020年5月よりアンドパッドに入社。ANDPAD ZEROの責任者としてチームを取りまとめている。

プロダクト化、サービス化、事業化を見据えた研究開発

――まずANDPAD ZEROの概要やミッション、業務領域について教えてください。
2021年、新規事業研究開発組織として誕生したANDPAD ZEROは、建築・建設業界の生産性向上に中長期的に向き合うため、既存のANDPAD製品にとどまらない、先進技術のソーシングや検証もスコープにした新規開発を担っています。その際に手掛けるのは、0→1フェーズの開発だけにとどまらず、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)フェーズまで押し上げるところまでを推進しています。

我々が担うミッションは、BIMや3Dスキャンなど、現在「ANDPAD」ではカバーしていないコンストラクションテック領域での継続的な探求と探索により、顧客と業界のDXに新プロダクトと新事業で貢献していくこと。そして現在はビルディング領域を中心に、建築・建設業界へ新たな体験を提供していくことを標榜しています。

――新規サービス・プロダクトの構想はどのように行っていますか?
基本的には顧客のニーズや課題に合わせて、事業部と連携しながら生み出しています。他には、建築・建設業界の外部団体や建築情報学会など、最先端のプレイヤーが集まる場に参加し、そこで取り上げられているトピックをベースに構想を練ることもあります。重要なのは、PoC(Proof of Concept/新しいアイデアや技術の実現可能性を検証すること)で終わらせないということです。PoCの中には、生み出したものの結局使ってもらえない、というケースも多いので、顧客のニーズに基づいてしっかりプロダクトを作り上げる点をいつも心掛けています。

――最先端のトレンドや技術は抑えながらも、プロダクト化、サービス化、事業化まで必ず実現するということですね。具体的なプロジェクトについて教えてください。
まず私たちが着手したのは、「ANDPAD HOUSE」です。これは、アンドパッドが施主となり実験住宅の設計・施工を通して「数年先に実現する設計・施工のDX」を先行して実証するための産学連携プロジェクトでした。

2023年には、都市ガス導管の敷設や保守・管理を担う都市ガス会社様との共同プロジェクトを実施し、都市ガス供給管事業における施工業務の更なる効率化を図るべく「ANDPAD 3Dスキャン」のベータ版をリリースしました。

そして2024年には、従前より新築現場においてBIM活用を推進する大手ゼネコン企業様と、協力会社の現場作業員にもBIM情報の共有が容易な「ANDPAD BIM」を活用し、現場検証を行っています。現段階ではまだお伝えできないのが残念ですが、他にも数多くのプロジェクトが始動しています。
※リリース情報
「2024.08.19 大成建設と現場BIM推進のための現場検証を開始
「2025.04.09 大成建設とBIMとデータ連携した「配筋検査」機能の現場検証を開始

――産学連携や大手企業と共に推進していくプロジェクトが多い印象ですね。どのようなきっかけでプロジェクトが生まれるのでしょうか?
都市ガス会社様との共同プロジェクトでは、施工管理業務の効率化のため「ANDPAD」を検討いただく中で、施工記録のさらなる効率化を検討されていました。そこで必要な機能を一緒に作り上げていくという目標を掲げ、「ANDPAD 3Dスキャン(供給管データの3次元化技術)」のプロダクト開発がスタートしました。

大手ゼネコン様のケースでは、すでに他社SaaSサービスをいくつも導入されていましたが、現場でのBIMを活用した施工計画・作業間調整・作業指示などをスムーズに進めたいというアイデアをお持ちでした。そこで現場でのBIM活用を目的とした「ANDPAD BIM」のプロトタイプをお見せしたところ、興味を持っていただき、プロジェクトが始動。そして「監督が扱えるBIM Viewer」「監督が日常業務で活用できるBIM Viewer」「作業員も活用できるBIM Viewer」を目指し、検証プロジェクトを行っています。

――なるほど。そういった顧客の課題やニーズからプロジェクトが始動し、その中でプロダクトをブラッシュアップしていくのですね。
顧客企業の業務分析をしながらオーダーメイド的に新規のプロダクトを生み出していくわけですが、フルスクラッチで要望通りのプロダクトやサービスを作るのではなく、SaaSビジネスとして展開する前提で設計・構築していく点も、顧客と合意して進めています。そのため、開発している機能が他社でも利用されるプロダクトになっていけるかについても検証し、ソリューションの拡張性・再現性を高めていきます。

 建築・建設業界のDXを実現するプロダクト・サービスの創出に挑む

――事業部のミッションや役割については理解しました。次に実務を行うポジションの特徴を教えてください。
プロジェクトマネージャー」と「BIMマネージャー」を紹介します。まず「プロジェクトマネージャー」については、新規プロダクトや新規機能の開発プロジェクトの推進に携わっていただきます。開発パートナー等へのコンサルティングを通して、これを実現していくため、業務分析、ROI分析、要求整理、BPR提案など一連の顧客コミュニケーションを通して、「あるべきプロダクト/機能」を導き出し、開発チームに共有していきます。

――どのようなスキル・経験が求められるようなポジションでしょうか。
建築設計、現場監督経験、もしくは総合コンサルティング会社の出身者を求めています。例えば、意匠系設計者として施主の要件を踏まえて、他の構造設備、内装、ランドスケープ、照明、グラフィックなど、さまざまな領域の関係者をまとめるプロジェクトマネージャーとして活躍されていた人などが適任です。さらに施工フェーズによっては各部署やお客様と連携していくことになるので、プロジェクトマネジメントだけでなく、コンサルティングの素養がある方であればさらにありがたいですね。建築学部出身、建設系プロジェクトの従事者だけでなく、業界経験がない方も歓迎しています。例えば、近年顧客から基幹 - ANDPAD連携を前提としたプロジェクトも増えてきている背景もあり、SIerとして基幹システムの開発や連携などをしていた方も活躍が期待できます。

――業界経験がない、SIer経験者も歓迎しているのは意外です。
実は、そういう経験をお持ちの方も数多くご検討いただいています。みなさんが共通して魅力に感じていらっしゃるのは、「プロジェクトがどこに向かっているのか」「どのような世界を実現するのか」という全体像を見渡せるところですね。私がずっと意識してきたのは、「ワンストップでバリューを提供できる、プロフェッショナルなコンサルティングサービス」です。なかなかワンストップで全部経験できる機会はないので、レアな環境だと思います。ANDPAD ZEROで何年か経験すれば、上流からエグゼキューション、プロダクト展開、事業部化まで把握でき、全部一人で手触り感を持って推進できるスキルが身に付くので、人材としても圧倒的な市場価値を得ることができるのではないでしょうか。

――もう一つの「BIMマネージャー」について教えてください。
「BIMマネージャー」を紹介する前にまずは、現状の「BIM」について説明します。日本においてBIM元年と言われている2009年から16年が過ぎ、大手ゼネコンでは設計領域のBIM活用は徐々に一般的になってきました。しかし現場にはまだまだ浸透していない状況です。現場に完成形のBIMや2D図面はあっても、実際の施工ステップについては、現場監督が従来通りCAD等で実施している状況です。施工検討・計画するための手段としてBIMを使うと、狭隘地や斜面地、複雑な形状の建築物の施工作業を足場など仮設工事も含めて3Dで見える化することができます。このため、現場経験の少ない若手監督でも施工計画を直感的に理解でき、協力会社や作業員とも情報共有がスムーズになり、ミスや手戻りも減ります。

――現場で活躍される方が感覚的に使えるところまでBIMを作り上げれば、施工計画がスムーズに検討・修正できるようになると。
そうです。ゼネコン・サブコン領域のクライアントや社内担当と協力しながら、BIMの現場活用を推進していく役割を担うのがBIMマネージャーのミッションです。直近リリースした、「配筋検査機能」では、BIMデータからANDPAD図面へ配筋データを連携していくプラグイン機能の開発もZEROメンバーで推進しています。このような現場BIMの広がりに携われることも、このポジションの面白味だと思います。

――建設現場でのBIM活用経験は必須条件でしょうか。
そうですね。新しいBIMの使い方を創造していくポジションでもあるので、施工現場経験者はもちろん、設計業務経験者も募集しています。そんな中でも、「現場で使えるBIMに興味がある」「業界全体に貢献していきたい」「BIMの可能性を広げたい」という方だと、より活躍していただけると思います。設計者の中には意匠だけでなく、構造やMEP設計に携わっている中で、コンピュテーショナル・デザインや解析、プラグイン開発を個人的に推進されている方も少なからずいらっしゃいます。そういう方も、活躍の場を広げる良い機会だと捉えていただけるととても嬉しいです。

 対等なパートナーシップのもと市場に求められるプロダクトを生み出せる


――ANDPAD ZEROで得られる仕事のやりがいについて教えてください。
ANDPAD ZEROのポジションは、どれも建築・建設業界の発展に寄与する新しいプロダクト・サービスの創出を目指していますので、業界に寄り添い新しいチャレンジをしているという実感を持って仕事に取り組むことができると思います。

顧客とは発注者と受注者という上下関係ではなく、対等なパートナーシップを築きながらプロジェクトを進めることができるのも魅力の一つです。顧客と肩を並べて働く中で、仕事上のパートナーを超えた”ワンチーム”のような近しい関係性を築いていけるプロジェクトというのはなかなかありません。顧客の中には、ITに明るい方、業務改善力の長けている方、変革力のある方、めちゃくちゃ現場力のある方など、さまざまな方と接点を持つことができますし、みなさん建設業界の未来について真剣に考えていらっしゃる方ばかりですので、大きな刺激を受けられるでしょう。アンドパッドが目指すサービスに共感してくださる企業は日に日に増えており、昨今では本当に様々な領域の企業様からのご相談も増加傾向にあります。

また、現場の声を聞くことにも重きを置いているので、例えば安全靴とヘルメットを装着して1日中現場に同行して業務を分析する、というような“手触り感”のあるプロジェクト進行ができることも魅力だと思います。

――各業界から求められるプロダクトを生み出していく手応え、そして現場が変革していく手触り感こそが醍醐味なんですね。手応えが大きい分、仕事の難しさもありそうですが…。
「事実を積み重ねた先にゴールはない」という厳しさがあるかもしれません。私が考える新規のモノづくりは、まずゴールイメージを持つこと。建築を例に挙げると、顧客の要件を整理し建築計画を立てるだけでは、誰でも設計できる”建物”にしかなりません。一方、一定のレベル以上の建築家は、さらにその場のコンテクストや施主のアイデンティティを加えて、顧客の要望を圧倒的に超える形状、”建築”を生み出す。アウトプットに付加価値を生み出せるからこそ建築家と呼ばれると考えています。つまり、事実の積み上げのみを形にしていくのではなく、理想とする形に辿り着くために強い意志を持ってストーリーを構築していく、という姿勢が求められます。

――なるほど。最後に、ANDPAD ZEROが描く未来について教えてください。
Building Information x Data x AIで建築・建設業界の未来を変革するプロダクトや事業を生み出し続けることです。その実現のために、1つめに少し先の業界の未来を見据えて、新たな事業やプロダクトのシードを探索し続けること。2つめに、それらを社内の事業部が実現したい未来と上手くマッチさせ、事業部と伴走していくこと。3つめに、建築・建設業界がより良くなる世界を作るというゴールを見据えながら、同じ方向性を走っていく顧客/パートナーとの出会いを増やし続けます。これら3つが新規開発の肝になると考えています。ANDPAD ZEROはその目標に向かって進んできていますし、その道筋をしっかり作ることが私の役目だと考えています。


Invitation from 株式会社アンドパッド
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
株式会社アンドパッド's job postings
5 Likes
5 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like Takuo Fukamachi's Story
Let Takuo Fukamachi's company know you're interested in their content