当社には、「都市と地方をかきまぜる」というミッションに共感した多種多様なメンバーたちが集っています。今回は、李が人事として日々向き合う「雨風太陽らしさ」について、話を聞いてみました。
▼PROFILE
李 慧旻(Hemin Lee)
東京都出身。2020年に雨風太陽へ入社、開発チームへ配属される。現在は人事労務チームにて採用、人事制度や社内制度の企画・運営などに関わる。
多様な社員同士を「かきまぜる」環境づくり
──雨風太陽の人事として、何を大切にしながらお仕事をしていますか?
雨風太陽は小規模な会社で、組織の状況も常に変化し続けています。私は、1人目の人事専任の社員として、人事目線からみた課題と、事業部から上がってきた要望に優先順位をつけながら、今の会社に必要な「人に関わること」全般について一つずつ施策を打っています。
当社はコロナ禍でほぼリモートワークに移行しつつも、主要事業である産直EC「ポケットマルシェ」の急成長に伴って、会社のミッションに共感し、「地元に恩返しをしたい」「食品ロスの解決など、食に関する仕事に携わりたい」など、様々な動機を持ったメンバーを迎えてきました。
このこと自体を考えても、「都市と地方をかきまぜる」という雨風太陽のミッションは、強い想いや豊富な経験を持った方々が集う可能性を秘めているのだと思います。反面、スケールが大きい分、ミッション達成にあたっては、多種多様なメンバーの足並みを揃えることが非常に重要です。
そのため、代表・高橋の「この指とまれ」に集ったメンバーが、お互いをよく知り、みんなで一つの目標に向かって歩んでいるという実感を得られるような環境整備が、人事の役割になると考えています。
──具体的にはどういった施策を行っていますか?
これまでは主に、社内の部門や部の境目を無くして、社員同士がかきまざる、そんな環境・空気づくりを意識した取り組みを行ってきました。
リモートワークが基本になっていた頃は、社員同士が褒め合うイベント「ウィンセッション」を提案し、週1で開催していました。
この施策は、私が人事担当になる前、開発チームの一員として働いていた時に、エンジニアメンバーとの雑談の中で生まれて実現したアイデアでした。日々お互いの成果が見えづらい環境下でも、一緒に働くメンバーたちとお互いの成果をシェアして気軽に褒めあえる、そんな場を作りたかったんです。
少し感染状況が落ち着いてからは、普段リモートで働いているメンバーに出社してもらい、代表の高橋と1対1の対談をする「参勤交代ラジオ」を収録して社内に配信しています。社内報のような位置づけですね。
ラジオ収録の際には、住んでいる地域から北参道オフィスという「江戸」にきてもらい、「そもそもどうして入社したのか」「何を考えて仕事をしているのか」といったことを話してもらっています。「参勤交代ラジオ」を通じて、一人の人としてその人らしさを知れるので、私自身、いつもラジオ音源を編集しながら刺激を受けています。
今後は、「参勤交代ラジオ」以外にも、社内でお互いのことを分かち合えるような場をつくれるよう、人事として取り組んでいきたいと思っています。
──「参勤交代ラジオ」は私も普段から欠かさず聴いています!他にも最近、社内のコミュニケーションを活性化するようなプロジェクトが色々と立ち上がっていますよね。
最近では、「よりよい組織つくり隊(YST)※1」という有志団体の主導のもと、コミュニケーション促進の施策を全社で考えるアイデアソンを実施しました。全17チームから寄せられた多種多様なアイデアの中で選ばれたのは、ポケマル登録生産者さんの食材をプロに調理してもらい社内でおいしくいただく「ポケマル給食」や、味噌をはじめとした様々な手仕事に社員が集まって取り組む「味噌める(「味噌」と「見初める」をかけた名前)」、そして趣味もコミュニケーションも楽しむ部活動「アオハル大作戦」です。
「ポケマル給食」では、浦山幹弥さんの初摘み限定高級のりをお取り寄せ。旅するおむすび屋 菅本香菜さんにお越しいただき、食材への想いやおいしいおにぎりの握り方などをレクチャーいただきました。
第一回「味噌める」の活動では、梅干しを作りました。「手仕事には興味があっても、自分で初めてやるにはハードルがちょっと高い。一緒にワイワイできるメンバーがいると、そのハードルを飛び越えられる!」との声もありました。
部活動の中に、私が部長を務めている「大喜利部」があります。大喜利部では、毎日一回、部内持ち回りでお題をSlackに投稿してボケ合うなど、大喜利筋向上に向けて切磋琢磨しながら交流を楽しんでいます。こういった、発想の瞬発力や新しいアイデアを生み出す企画力を試される場、そしてラフに共創する場が、それぞれの業務に少しでも活かされたらいいな、と思っています。
普段は主に面白画像を大喜利の題材にしているのですが、先日、試しに「経費精算・勤怠締め申請を期日までに終わらせたくなる、角がたたないボット名」をお題に大喜利をしてみました。
スレッド内では、独創的な大喜利力を部員たちが発揮してくれ、白熱の戦いを経て選ばれたネーミングが翌月から採用されました。
このように、当社では、「よりよい組織つくり隊(YST)」や、「ちょいこまカイゼン部※2」などを部署横断的な形で結成し、大小を問わず社内のあらゆる課題に対して取り組んでいます。
※1「よりよい組織つくり隊(YST)」: 「雨風太陽を『よりよい組織にする』」というミッションのもと、4人の有志により立ち上がったチーム。組織課題を整理し、全社を巻き込んだプロジェクトを主導している。
※2「ちょいこまカイゼン部」: オフィス環境のちょっとした困りごとを面白いアイデアで改善する有志グループ。
部署の垣根を越える可能性
──李さんが、雨風太陽に入社した理由はなんだったのでしょうか?
前職は、エンジニアとしてクライアントワークを行っていました。目の前のお客様の課題を「自分ごとにする」ことを意識しながら働いていましたが、やがて憧れを持つようになったのは、サプライヤーとクライアントの垣根を越えて、同じ目標を「私たちごととして捉える」組織や、働き方でした。
そこで、事業会社を転職先の候補にして探している中で目に止まったのが、雨風太陽(当時ポケットマルシェ)の採用ページでした。
単一の社会課題にフォーカスするのではなく、「都市」と「地方」両方の課題をまるごと考えるという雨風太陽の姿勢に対して「こんな企業には出会ったことがないな」と、衝撃を受けました。両者が自然に直接つながることで、垣根を越えてまじりあえる、そんな世界観に未知の可能性を感じたんです。さらに、社員インタビュー記事を読んでみると、働いているみなさんが、個人の軸にひもづけて会社の理念に深く共感をしていることが伝わってきました。
都市と地方が分断された社会に生きる一人として、また、都市に身を置く一人として、雨風太陽がやろうとしていることに強い納得感を持ったことを覚えています。また、雨風太陽の事業に関わってくださっているポケマル登録生産者の方々や消費者の方々と一緒に、「みんなごと」として一つの大きなゴールに向かっていけることが魅力的だと感じました。
ー 元々はエンジニアとして入社されていますが、後に人事にキャリアチェンジすることは想像されていましたか…?
全く想像してなかったです(笑)
私がこの会社で役に立てることってなんだろう?という考え方をしているので、職種にはこだわりはありませんでした。エンジニアとしての経験が求められるのであればエンジニアとして貢献しますし、人事としての活躍が求められていれば人事の立場から会社のためになれればと。
もしかすると、もともと「人見知りで人の感情に敏感」な性格の私にとって、人事の役割は相性がよかったのかもしれません。普段からよく「一緒にいる人がどう感じているか?」「なぜこのような行動に至ったのか?」「不便に思っていたり、困っていたりすることがあるか?」など、自分から直接は見えない背景までを考えることが多いです。このようなことを社内で感じ取り、会社が大事にする価値観やありたい姿とどのようにつなぎ合わせるかを考える人事の仕事には、とてもやりがいを感じます。
また、雨風太陽で働いていると、分断を越えて「かきまざること」の可能性を、あらゆる場面で感じるようになりました。私自身が部署を変えた先で、今自分の役割を見出せていることも、その一つの証拠かもしれません。
「社内の一人ひとりが個性を発揮し、多様なアイデアが行き交う。そして会社の目指す方向に向かってみんなで進んでいける環境づくり、空気づくりをする」今ではこれが、個人的にも、人事としても向きあっていきたい課題になりました。
かきまぜた先の未来は分からないから面白い
──そんな李さんが思う「雨風太陽らしさ」とは、何だと思いますか?
いつだったか、他の社員と「雨風太陽ならではのエモさ」について話したことがあります。
これは言葉で表しにくいのですが、「スタイリッシュで無駄のない整ったもの、ではなく、素朴で人肌や親しみを感じる情緒性を帯びたもの」というイメージを持っています。
きっとこの「エモさ」は、この会社に集まるみなさん一人一人にある気がしています。そして、「垣根を壊し、分断を越えてまざりあった人たちの感情的なつながりは、結果として両者が抱えていた課題を解決する」という可能性を、変わらず信じ続けているところに「雨風太陽らしさ」があると言えるかもしれません。
以前、代表の高橋が、「かきまぜた先の社会ってどうなるんですか?と問われるけれど、僕にもまだはっきりとはわかりません」と言っていました。私自身もかきまぜた先の未来は想像できないですが、だからこそ面白く感じています。
組織の中でも、人と人がまざりあうことで化学反応が起き、新たな可能性がうまれる。そこにまだ見ぬ未来が待っていることを期待しつつ、人事として様々な取り組みを進めていきたいです。