◯The Twelve-Factorの前提
皆さんこんにちは。オルターブースの小島です。
今回はSaaS開発ガイダンスとしてのThe Twelve-Factorをテーマにお話します。
The Twelve-Factorの話に入る前に2つほど、知って頂きたい前提があります。
クラウドアダプションフレームワーク
ウェルアーキテクテッドフレームワーク
です。
この2つがなぜ必要なのかも含めて、概要を話していこうかなと思います。
まずはクラウドアダプションフレームワーク。略してCAF(キャフ)と言ったりします。
僕は最近結構これに力を入れています。
最近は単にクラウドを使うだけではなく、クラウドをビジネスとして導入していきたいお客様が非常に増えています。
昨今にかけてリモートワークが多くなっているのも理由かと思います。
そういう背景の中で、クラウドというキーワードが非常に強くなってきているので、僕はこのCAFを通じて、色々なお客様に対してクラウド導入をサポートしているわけです。
CAFはお客様の組織がクラウドで成功を収めるために必要なビジネス、およびテクノロジの戦略の作成と実装を支援することを目的とした実証済みのガイダンスです。
これ自体は何か大まかな実装に基づくアーキテクチャーではないんですね。
クラウドを導入するというのは、クラウドでのビジネスを成功するということで、それを助けるために必要なビジネス上の戦略、IT上の戦略、そしてその戦略を実行するための計画といったものをフレームワークとして提供しています。
フレームワークなので、様々なツールがあります。
例えばベストプラクティスもあれば、ドキュメントもあります。ガバナンスの部分でツールを使って計測して、ベンチマークできるとか、こういったツール群がCAFで提供されています。
CAFは大きく6個のセクションに分かれているんですが、全部のセクションが単独で動いているわけではなく、それぞれ密接な関係性を持っています。
まずはビジネス上の戦略があります。そのビジネス上の戦略に合わせて実際に計画をします。
準備完了というのは、実際にその計画に沿ってクラウド上のリソースを作っていく段階です。
移行は、そのクラウド上のリソースにビジネスを移行するという意味です。
単純にシステムを移行するのではなく、ワークロード、つまり仕事そのものを移行するということです。
そしてガバナンスと管理があります。統制とセキュリティと管理は全て一体化して、計画の段階から動いていくという流れです。
これ全体がビジネス上のクラウド戦略として作られる形になっています。
◯CAFはどのようなユーザーに効果があるか?
クラウドに対してまだまだ現実的にはリテラシーも含めて、理解は進んでないと思っています。
ユーザーは、膨大なクラウドサービスをどのように展開し、ビジネス効果として実感できるか分かりません。
CAFは、意思決定者だけではなく、技術者も同じようにクラウドへの理解度を深めて情報共有ができ、意思決定の指針として役立ちます。
一貫性のある実証済みのクラウドテクノロジ導入手法を提供するわけです。
これがCAFの効果です。
そしてもう一つ、ウェルアーキテクテッドフレームワーク。
ウェルアーキテクテッドフレームワークは略してW-AやWellアーキーって言いますが、W-AはCAFの中の一部分として、主にAzureのアーキテクチャーのリファレンスが入っているところですね。
W-Aはワークロードの品質向上に使用できる一連の基本原則です。
フレームワークは5つの柱で構成されています。
コストの最適化
オペレーショナルエクセレンス
パフォーマンス効率
信頼性
セキュリティ
要はこういった観点からAzureのアーキテクチャーのベストプラクティスが書かれているというものです。
なので、Azureのベストプラクティスと特定ビジネスの優先順位を照らして、ワークロードを最適化できるように支援することを目的としています。
これらは違いというのはあまりないんですが、ポイント上の違いというと、クラウドを導入するポイント、提案するポイントが若干変わってくるのではないかなと思います。
CAFの場合は一番最初の出だしの部分で、W-Aはそこから発生して計画・準備をするという、新しい環境の提供に関わってくる。
こんな話がMicrosoftや別のベンダーさんで結構出てまして、CAFやW-Aがいま大々的に宣伝され、それを使ってクラウドを導入しようってユーザーがめちゃくちゃ増えているわけです。(つづく)
☆本記事はオルターブースYouTubeチャンネルの配信動画をもとに再構成しています。
☆配信動画の本編をご覧になりたい方はこちらから!(小島発表パート)