こんにちは、aciassの東です。
会社のHPに問い合わせフォームを設置しているのですが、そちらへ営業メッセージがそれなりの頻度で届きます。
これらのお問い合わせはすべてNotionのDBに蓄積しており、せっかくなのでCSVでエクスポートして、AIで分析してみることにしました。
ただ単に分析するだけでは少し面白みに欠けるので、ポケモンを絡めて「営業ポケモン図鑑」を作ってみることにしました。
今回分析した問い合わせデータの期間は2025年4月〜2026年3月。
総件数は452件です。
この記事では、この問い合わせデータをAIで分析しながら、問い合わせフォームに出現する営業メールを「営業ポケモン」として分類し、図鑑を作ってみます。
問い合わせデータの収集
まず前提として、問い合わせはすべてNotionのDBに保存しています。
DBの構造はシンプルで、次のようなカラムを持っています。
+---------------+--------------+
| 項目 | 内容 |
+---------------+--------------+
| company_name | 会社名 |
| email | メールアドレス |
| inquiry_date | 問い合わせ日 |
| inquiry_type | 種別 |
| message | 本文 |
+---------------+--------------+問い合わせフォームから送られてきた内容をAPI経由で保存しているだけのシンプルな構造です。
NotionのDBはそのままだと分析しづらいため、CSVでエクスポートしてAIに食わせます。
流れとしては次のようなイメージです。
Notion DB
↓
CSV export
↓
Python / AI
↓
分析データ数は452件。約1年間分の問い合わせです。
これくらいの量があると、営業メールの傾向がかなり見えてきます。
問い合わせの実態
まずは単純な統計を出してみました。
総件数: 452件
平均文字数: 約750文字
平均改行数: 約35行
URL平均: 約1.5個
特徴としてまず感じたのは、文章がかなり長いということです。
問い合わせフォーム営業は意外と長文で、平均750文字程度あります。
さらにURLも平均1.5個含まれていました。
つまり問い合わせ営業は実質的には問い合わせフォーム版のランディングページのような構造になっています。
構造としてはおおよそ次のような流れです。
挨拶
↓
自社紹介
↓
サービス紹介
↓
実績
↓
URL
↓
面談依頼会社の問い合わせフォームや代表メールに届く営業メールを思い返すと、だいたいこの構成になっていることが多いのではないでしょうか。
営業メールの文法
問い合わせを読んでいると、ほとんどのメールが似たような構造をしていることに気づきます。
営業メールにはどうやら「文法」があるようです。
例えばよく出てくるフレーズは次のようなものです。
+------------------------+-----------+
| フレーズ | 出現傾向 |
+------------------------+-----------+
| 突然のご連絡失礼いたします | 非常に多い |
| お世話になっております | 非常に多い |
| 御社のサイトを拝見し | 非常に多い |
+------------------------+-----------+かなりの割合で同じ書き出しが使われています。
つまり営業メールは自由に書かれているように見えて、実際にはテンプレートによって生成されている可能性が高いと言えます。
文章構造を分解すると、多くの営業メールが次の形に当てはまります。
Greeting
↓
SelfIntro
↓
Assumption
↓
Service
↓
Evidence
↓
Link
↓
CTAプログラミング言語のように書くと次のようになります。
SalesMail :=
Greeting +
SelfIntro +
Assumption +
Pitch +
Evidence? +
Link? +
CTA実際、ほぼすべての営業メールがこの構文に当てはまりました。
つまり営業メールはある意味プログラムのような構造を持っていると言えます。
営業メールをクラスタリングしてみる
次に、本文をAIでベクトル化してクラスタリングしてみました。
文章をEmbeddingに変換し、似ているメール同士をグループ化します。
すると問い合わせ営業は大きく次の種類に分かれました。
+-------------+-------+
| タイプ | 割合 |
+-------------+-------+
| 汎用営業 | 約60% |
| 日程提示営業 | 約30% |
| 採用営業 | 約5% |
| その他 | 約5% |
+-------------+-------+つまり問い合わせ営業の9割以上は2つのパターンしかありません。
汎用営業
最も多いタイプです。
特徴は次の通りです。
- 長文
- URLあり
- サービス説明が多い
典型例はこのような文章です。
突然のご連絡失礼いたします。
御社のサイトを拝見しご連絡いたしました。
弊社では〜のサービスを提供しており…
詳細はこちらをご覧ください。
<https://example.com>
もしご興味ございましたら一度お打ち合わせのお時間を…いわゆる「よく見る営業メール」です。
日程提示営業
次に多かったのがこのタイプです。
いきなり日程を提示してくる営業です。
もしよろしければ下記日程でお時間いただけないでしょうか。
3/17
3/18
3/19かなり強引なスタイルです。
ここで思ったこと
ここまで分析していて、あることに気づきました。
問い合わせ営業はポケモンっぽいのです。
というのも
- 種類がある
- 行動パターンがある
- 技がある
つまり分類できる生き物なのです。
そこで思いました。
営業メールを分類して営業ポケモン図鑑を作ったら面白いのではないかと。
営業ポケモン図鑑
それでは今回のデータから発見された営業ポケモンを紹介します。
No.001
名前:エイギョウギョ
タイプ:営業 / URL
生息地:問い合わせフォーム
特徴:
もっとも いっぱんてきな えいぎょうポケモン。
ちょうぶんの メッセージを おくりつける しゅうせい がある。技:
▶︎とつぜんのごれんらく
サービスしょうかい
URLこうげき
おうちあわせ備考:問い合わせ営業の約60%がこの種族でした。
No.002
名前:エスイーオー
タイプ:営業 / SEO
生息地:問い合わせフォーム
特徴:
たのまれても いないのに かってに SEOしんだんを おこなう しゅうせいがある。
しんだんないようは だいたい どのサイトにも あてはまりそうな ないようの ことがおおい。技:
▶︎サイトをはいけん
けんさくじゅんいこうじょう
SEOたいさく
-No.003
名前:サイヨウガ
タイプ:採用 / HR
特徴:
エンジニアぶそくの けはいを かんじると あらわれる。
ところかまわず URLを はりつける しゅうせいがある。技:
▶︎さいようしえん
エンジニアしょうかい
ぼしゅうだんけいせい
-営業ポケモンにならないためには
今回の分析からわかったことは、営業メールが「営業っぽくなる理由」は文法にあるということです。
営業メール文法は次のような構造でした。
挨拶
自社紹介
仮定
サービス
実績
URL
面談この構造を取ると、どうしても見たことのある営業メールになります。
逆に言えば、この文法を壊せば既視感はかなり減ります。
例えば次のような文章です。
貴社の技術ブログの記事を読んでいて
ログの構造がかなりシンプルなのが面白いなと思いました。
もし今後ログ分析をする予定があるなら
イベント名の付け方を少し変えるだけで
分析がかなり楽になるかもしれません。
以前同じようなケースで
分析工数が半分くらいになったことがあります。
もし参考になりそうなら図だけ送ります。挨拶もURLも面談依頼もありません。
それだけで営業っぽさはかなり減ります。
ただし、「見たことのない文章」というだけで、アポ獲得につながるかは別の話ですが。
まとめ
今回、問い合わせフォームに来た 452件の営業メールを分析してみました。
その結果わかったことは次の通りです。
- 営業メールは平均750文字の長文
- 構造はほぼテンプレート
- 種類は実質2〜3パターン
- 文法で生成されている
そして何よりわかったのは営業メールはポケモンのように分類できるということです。
もしあなたの会社にも営業メールが大量に届いているのであれば、一度データとして分析してみると面白いかもしれません。
もしかすると新しい営業ポケモンが発見できるかもしれません。