ONE COMPATHで開発3部の部長を務める虻川さんは、「Shufoo!(シュフー)」「aruku&(あるくと)」「地図マピオン」といったアプリの開発を統括しています。
今回のインタビューでは、エンジニアとしてのキャリアの歩みや、2025年度より事業別組織から機能別組織に変化した中でのアプリ開発の現場について詳しく伺いました。
27歳でエンジニアデビュー。紆余曲折を経てたどり着いたIT業界
——まずは虻川さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
実は、エンジニアになったのは比較的遅いスタートでした。20歳前半は紆余曲折な人生を歩んでいまして、当時だんだんと日常の中に浸透してきたインターネットに関心を持ち、エンジニアとして専門的なスキルを身につけたいとIT業界を目指し、27歳からIT系企業に入社しました。
最初はインフラエンジニアからスタートしました。某大手企業の雑誌を作るシステムで、検証サーバーを構築したり、データベースを構築したり、運用を自動化するスクリプトを開発していました。
その後は約2年間、ECサイトの開発に携わりました。具体的には、開発者として商品在庫割り当てや、ユーザーが商品を選んでカートに入れる部分の処理など、ECサイトの核となる部分を作る仕事です。この経験を通じて、ビジネスロジックを実装する経験や、ユーザーに直接影響する機能を開発することの面白さを実感しました。
また、30歳前半には金融系のシステム構築や統合プロジェクトに携わるようになりました。大手金融の大規模なシステム統合では、技術面だけでなく、プロジェクト管理や他チームとの連携も大切なことだと学びましたね。
——ONE COMPATHに転職したきっかけは?
転職を考えた大きな理由は、それまで顧客企業のシステム開発が中心だったので、「今度は自社サービスの開発に携わってみたい」と思ったことです。顧客環境での経験を積んだのち、自社サービスの企画から運用まで一貫して関わり、よりユーザーに近い立場で価値を提供したいと考えるようになりました。
私が入社した当時の社名は「マピオン」でしたが、BtoB、BtoC両方のサービスを展開している点に強く魅力を感じ、2010年に入社しました。両方の経験が積める環境は他にはなかなかないと思います。
機能別組織への変革で生まれた新たな可能性
——今年4月に社内では大規模な組織変革がありましたね。どのような変化がありましたか?
これまでは「Mapion」、「aruku&」、「Shufoo!」とサービスごとにアプリエンジニアが分かれている事業別組織でしたが、4月から機能別組織となり、アプリ開発エンジニアがひとつの組織に集まりました。
機能別組織の1つのメリットは、「柔軟性」です。以前は、電子チラシ「Shufoo!」のエンジニアがウォーキングアプリ「aruku&」の開発経験を得ることは組織的な壁もあって難しかったです。
現状は「Shufoo!」をメインで担当していたエンジニアが、「aruku&」の機能開発に一部参加しており、本人にとっても新しいアプリ開発や仕様に触れる経験につながっています。
さらに、エンジニアみんなが集まる定例ミーティングも実施しているので、「Googleからこんな情報が出ていたよ」といった情報共有もしやすくなりました。
——アプリ開発では技術の応用が効きやすいのでしょうか?
サーバーサイドは言語が大きく異なるため壁がありますが、アプリ開発においてはiOS、Androidの違いはあるものの、比較的応用が効きやすいです。例えば「Shufoo!」ではiOSとAndroid両方のプラットフォームで動作するFlutterというフレームワークを使って開発しています。
AI活用で開発効率を大幅向上
——開発現場でのAI活用について教えてください。
開発現場ではすでにGitHub Copilotを導入しています。また、Claude Codeという開発特化の自立型AIの検証も進めています。コードを読み込ませて設計書を作成するなど、さまざまなことが検証でわかってきている段階です。
例えば、これまで5日かかっていた開発が1日半で終わるといった効率化の成果も出ており、大きな手ごたえを感じています。今後は、こうした取り組みを会社全体の技術活用へと広めていきたいなと思っています。
——技術選定はどのように行っているのでしょうか?
当社では「現場主導の技術選定」を基本方針としています。各サービスの特性や要件に最も適した技術を、実際に開発を担うエンジニアが主体となって選ぶことがほとんどです。
実は以前、全社的に採用技術を統一化しようという検討を行ったことがありました。しかし、「Mapion」、「aruku&」、「Shufoo!」など、異なる特性を持つ複数のサービスを運用しているため、最終的には全体最適よりも個別最適を重視する方針に落ち着きました。
ただ完全に自由というわけではありません。セキュリティリスクが高い技術や、サポート期間が短い技術などは積極的に採用せず、慎重に判断しています。
多様なキャリアパスと成長機会
——エンジニアのキャリアパスについて教えてください。
当社では、エンジニアの多様な志向や強みに合わせて、大きく3つの方向性に分かれています。
1つ目は、PM(プロジェクトマネージャー)への道です。技術的な知識を活かしながら、プロダクト開発の開発計画や進行管理を担います。
2つ目は、フルスタックエンジニア/ゼネラリストとしての道です。複数の言語や技術領域を習得し、幅広いスキルを武器に多様なプロジェクトで活躍することを目指します。
3つ目は、エキスパートとしての道です。特定の分野に特化してスキルを深め、その領域で開発リードとして専門性を発揮します。
これらの経験を積んだ先には、「マネジメント」軸と「スペシャリスト」軸、それぞれで自分の望むエンジニアとしてのキャリアを築いていくことが可能です。
——成長を実感できる瞬間はありますか?
私自身で言えば、自分のできることが増え、経験の幅が広がると成長を実感します。
当初エンジニアとしては、Linuxサーバー・データベース構築/運用の経験しかありませんでした。しかし入社後は監視システム設計構築、データセンター移設に伴うネットワークやストレージ設計構築、さらにはオンプレからAWS移設におけるプロジェクトリーダーなど、多様な経験を積むことができました。
ONE COMPATHには複数のサービスと幅広い技術スタックがあるため、自身の道に合ったキャリアパスを描きながら成長していける環境が整っています。
求める人材像:3つの価値観を共有できる方
——どのような方と一緒に働きたいですか?
3つの価値観を大切にしており、これらを共有できる方と一緒に働きたいと考えています。
1つ目は「期待を超える、驚きを。」
任された業務をこなすだけでなく、例えば「この機能があったらユーザーにとって便利になるのでは」「この施策を実行したら、さらに開発品質があがるかも」と常に改善や一歩先を考えて、会社の仲間と行動できる方です。チーム内メンバーや他部門の方、アプリ利用ユーザーなど周囲を理解することも重要となり、結果的にはチームワークの醸成にもつながります。
2つ目は「当事者意識」
プロダクト全体やチーム、さらには会社全体を自分事として考えられる方と働きたいです。具体的には、「サービスをより良くするために自分に何ができるか」を考えて行動したり、他チームで困っていることがあれば積極的にサポートするなどです。
3つ目は「柔軟性」
技術の世界は日進月歩で、AIをはじめ新しい技術が次々に登場します。そうした変化に柔軟に対応し、学び続ける姿勢を持った方と一緒に働きたいです。特にスペシャリストの場合は、新たな技術を積極的に調査・検証し、取り入れていく姿勢が重要ですね。
——最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。
現在、私の部門では『「Shufoo!」 iOSアプリ開発』と『「aruku&」 Androidアプリ開発』のエンジニアを募集しています。そのほかにも、複数のサービスで「サーバーサイド開発エンジニア」を募集しています。
機能別組織になったことで、より柔軟かつ効率的な開発体制が整いました。現場主導の技術選定、AI活用による生産性向上、そして多様なキャリアパス。自社サービスの開発に挑戦したいアプリエンジニアの方は、ぜひカジュアル面談からでもお話ししましょう。