サービスやプロダクトの設計に戦略フェーズから関わり、より良いユーザー体験を追求するUXデザイナー(以下、UXD)。担当する案件や役割によって仕事内容はさまざまです。フォーデジットのUXDは日々どんな仕事をしているのか?
今回インタビューしたのは、2023年、人事からUXDにジョブチェンジした山根さん。現在の仕事について話を聞きました。
山根 康世(Michiyo Yamane)
人材紹介会社で営業職/バックオフィスとして約6年働いた後、アメリカに渡り2年間過ごす。2018年、フォーデジットに入社後はアシスタント業務を経て、人事マネージャーとして採用・労務を担当。2023年にはUXDに。
──UXDにジョブチェンジしたきっかけを教えてください。
フォーデジットはものづくりだけでなく、クライアントと一緒に何を作るか、どう実現するかを検討する、いわゆる上流フェーズも得意としています。そのフェーズに携わる人材を、社内で職種問わず幅広く集めてみようという話が経営陣で行われ、役員から「やってみない?」とお声がけいただきました。人事担当として採用や人事評価、人事制度、労務などに携わるなかで、現場の解像度をもっとあげたいなと思っていましたし、私個人としてはこれまで人材業界や人事系でキャリアを積んできたので、そこからまったく新しい職種にチャレンジできる良い機会だと思い快諾しました。
──UXDになってから担当した案件について教えてください。
これまで担当した案件は、インドネシアで事業展開している日系企業の新規事業の検討や集客施策の検討、新しいクレジットカードの特典検討、防災に関する新しいサービスの受容性調査と海外展開のためのリサーチ、企業のブランディングなどです。
──各プロセスにおいて、具体的にどのようなことを行ないましたか?
例えば防災に関するサービスのプロジェクトでは、受容性調査から参加しました。受容性調査とは、検討したサービスのアイデアに対して、ユーザーが実際に使いたいと思うかどうか、ユーザーが抱える課題を解決するものとなるかどうかをインタビューを通して確認することです。今回災害リスクの高い長崎県佐世保市での調査を準備していましたが、災害の発生から元の生活に戻るまでのフェーズにおいて最も課題が多い「ひとり暮らしの高齢者」のインタビューが、ITリテラシーの問題からオンラインでの実施が難しく、また佐世保市での生活がどのようなものか実際に見てみたいという気持ちから、現地調査も兼ねて佐世保に行きました。
調査後は、末成さん(取締役COO)とディスカッションしながら結果を資料にまとめ、アイデアをブラッシュアップしていきます。
また、海外へのロールアウトを視野に入れていたため、災害が多い東南アジア5ヶ国(台湾、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア)の調査も行いました。調査内容は、各国で発生する災害の種類や政府や自治体の支援体制、災害発生時の困りごとやその国で生活する人の防災に対する意識などです。まずはインターネットで当該国の政府が出しているアナウンスや他国が出している情報、JICAなどの機関がまとめたデータ、その国に住む人のSNSまでとにかく調べます。調べる過程で出てきた疑問も深堀っていきます。
その後、デスクトップリサーチで調べきれなかったことをアンケートとインタビューの設問に盛り込み実施、結果を分析します。タイとベトナムにはフォーデジットのブランチがあり、日本オフィスにもフィリピン出身のメンバーがいたので、協力してもらって調査を進めていきました。ベトナムに関しては、クライアントと一緒に現地視察も行っています。
──たくさんの調査を積み重ねていますね。
海外ということで調査の大変さはありましたが、多いという印象はなかったです。今回はロールアウトの可能性を探ることが目的でしたので一旦区切りましたが、その国で生まれて生活していない以上、その国に住む人達に共感し、彼らにとってよいものは何かを考えるには、継続的な調査が必要だと思います。
──UXDとして業務をする中で不安を感じたことはありますか?
リサーチの結果をまとめるにあたって、私はリサーチのプロではないから...と自分が調べたことに対して自信を持てずにいました。そんな時、末成さんから「世の中でリサーチャーと呼ばれている人が、いつものやり方・フレームワークを使ってリサーチしたものよりも、本当に知りたいと思う人があらゆる手段を使って調べたものの方がクオリティが高いと僕は思ってるよ」と言われたんです。その瞬間は腑に落ちませんでしたが、様々なプロジェクトに関わるなかで、そういう姿勢を持ち続けている人をクライアントは求めているし、そんな人達のことをプロと呼ぶんだなと感じました。
──昨年は何回も海外に足を運んでいましたよね。
そうですね。やはり実際に行ってみて分かること、感じることはありますし、クライアントとの会話もオフラインでやることが大事だと思います。特に新規事業など全く新しいことを検討するタイミングでは、アイデア含め色々なことがふわっとしていることが多いと思いますが、そんなときこそ気軽に話したり壁打ちしたいとクライアントは思っていて、そういうことができる関係性を作る上でも、現地に行くことは重要だと思っています。
本気がもたらすものとその循環
──山根さんからみて、フォーデジットのメンバーはどんな人たちですか?
キャラクターはそれぞれ違いますが、みんな根が真面目で、適当なことはしたくない人が多いと思います。執行役員のメンバーは楽しむことも上手にやってるなと思います。本気でやることは決して楽ではないと思いますが、チームでやるから乗り越えられるし、それによってクライアントやその先のエンドユーザーが喜んでくれたり、新しい仕事に繋がっていく。その循環が良いなと思います。
──UXDをやってみてどんなことがよかったと感じますか?
私はUXDになりたい!というわけではなかったので、人事からジョブチェンジをしてどうというのはないですが、「フォーデジットのUXD」になったことで、職種や立場、企業の枠を越えて、一緒に良いものを作ろう、もっと良い世の中にしていこうと自らアクションできる環境に居させてもらえるところはとてもいいなと思います。他社さんでここまで深くクライアントと二人三脚でやられているところをあまり聞かないですし、深く入りたいからフォーデジットに転職されるケースが多くあります。だから、チャレンジさせてもらえて嬉しいです。
──今後の目標やビジョンはありますか?
UXDとしての経験はまだ足りてない部分がありますが、まずは自分がメイン担当としてプロジェクトを進めていけるようになりたいです。この1年は、末成さんや他のUXDが提案したりプロジェクトを進めるのをサポートして、上流工程でどのようなことが行われているのかを理解し、実践し、インプットとしてきました。今後はレビューをしてもらいながら自分で提案内容を考えクライアントに提案し、プロジェクトを推進できるようになりたいです。
──ありがとうございました。