ワンパクでは、毎年1年のはじめにスタッフ全員が「その年の目標」と「目標達成のためのアクションプラン」を設定しています。
これは “評価のため”ではなく、“自分の成長をデザインする” ためのもの。
会社が決めるのではなく、自分自身で「どうなりたいか」を描き、その未来に向かって逆算して今を積み上げていく。
そんな “バックキャスティング” の考え方が、ワンパクの文化の中心にあります。
今回は、日々の仕事の中で “自分の目標” と向き合っている、ディレクター広瀬、デザイナー塩屋、アシスタントディレクター小柳に目標設定や評価への向き合い方について語り合ってもらいました。
左から デザイナー塩屋/ディレクター広瀬/アシスタントディレクター小柳
ワンパクが大切にする “バックキャスティング” の考え方 ― 「未来を起点に」考えるということ
ワンパクでは、目標を立てる際 “バックキャスティング” の考え方を大切にしています。“バックキャスティング”とは理想の未来像を起点に、そこから逆算して「今やるべきこと」を描くという考え方です。
一方で、現在の状況を明確にし、積み上げてゆく “フォアキャスティング” の視点も欠かせません。
未来と現在、両方向の視点で目標を考えることが、よりワンパクで働くスタッフ一人ひとりにとって有益だと考えています。
------
広瀬:目標を考えるときは、バックキャスティングだけでなくフォアキャスティングの視点も必要だと思っています。唐突だけど、塩屋くんは去年、“キャリア”をテーマにしたI.C.Eのセミナーに参加してたよね。そのとき印象に残った学びはあった?
塩屋:“3か月後・半年後・1年後” と段階的に自分のなりたい姿を設定したのが印象的でした。
一見当たり前なんですが、実際にやってみると意外と難しくて。自分一人だと“来年こうなりたい”くらいの粒度で終わってしまうんですよね。
でも短いスパンで区切ることで、1年後の姿がグラデーションのように見えてくる。段階的に考えることの重要性を実感しました。
広瀬:たしかに、漠然と “3年後こうなりたい” ってイメージはあるけど、その3年をどう積み重ねるかを具体化するのは難しいよね。今と未来の間をつなぐために、フォアキャスティングの視点を取り入れるのは、すごく良い考え方だと思う。
塩屋:そうですね。あと、ここ1年だけでもAIの進化でデザイナーの役割が大きく変わってきている。そう考えると、3年後・5年後を具体的に決めるのは難しい。だからこそ、短いスパンで見直していく考え方は、今の時代に合っている気がします。
広瀬:「バックキャスティングで “理想の大筋” を描いて、そこに至るプロセスはフォアキャスティングで埋めていく。両方の考え方を組み合わせると、現実的で柔軟なプランが立てられそうだね。
小柳:僕は未来を具体的に描くのが得意ではないんですが、バックキャスティングの考え方自体はすごく大切だと感じています。理想から逆算することで、今やるべきことが見えてくる。ただ、変化が速い時代だからこそ、短いスパンで見直す視点も必要だと思います。
広瀬:バックキャスティングだけだと、理想に引っ張られて地に足がつかなくなることもある。逆にフォアキャスティングだけだと、安全な範囲に収まってしまう。だから両方を行き来することが重要なんだよね。
塩屋:去年、目標を立てたとき、“これなら達成できるだろう”っていう安全な目標を並べすぎてしまって、結果的には達成した目標は多かったけど、振り返ると“もっと上を目指しても良かったな”って思いました。難しいけど、ちょっと背伸びした目標を立てる方が成長するスピードも上がりますよね。
目標設定を通して生まれる“気づき”と“評価”の関係 ― 「目標を立てること」は「自分と向き合うこと」
次のテーマは、目標設定を通して得た “気づき”。
3人とも「計画通りにいかないことの中に、学びがある」と話してくれました。
------
広瀬:目標を立てる過程って、自分の強みや課題、何が好きかということに向き合う時間になるよね。
正直、最初は自分自身がどうなりたいかを考えることが難しかったけど、考えるうちに “自分はこういうことを大切にしてるんだな” と見つめ直すきっかけになる。目標を立てるには、まず自分を知ることが大切だと思う。
塩屋:”今の自分の強みは何か” と聞かれても、意外とすぐには答えられなかったりしますよね。自分のエネルギーの源や、何にやりがいを感じるのかを知っておくことは重要で、特にモノづくりのように粘り強さが求められる仕事では、それがわからないと辛くなる瞬間も出てきます。
だからこそ、過去の経験や原体験を整理して、”自分の強み” や ”好き” を知ることが僕も大切だと思います。
小柳:僕は、もともと「つくること」がすごく好きなんです。仕事としての制作もそうですし、業務外でも何かをつくること自体が好き。
ただ、目標を立てる中で ”好きなこと” と ”自分がやらなきゃいけないこと”、それぞれ別で存在しているということに気づきました。
僕の場合、何も意識していないと、つい好きなことばかり考えてしまうんですよね。
だからこそ、目標を立てるときに ”好きなこと” と ”やるべきこと” の両方を整理して考えられたのは、よかったと思っています。
広瀬:たしかに、そのバランスは大切だよね。会社としてもよく話に出るのが、「自己実現」と「会社との等価交換」の関係。
自分のやりたいことだけでも、会社のためだけでもなく、その間で “どこがお互いにとって納得できる接点か” を見つけることが重要。
その点で、目標設定は、自分のやりたいことや強みを整理し、それを会社とどうつなげるかを考えてみる。その上で、会社側とも対話しながらすり合わせていく。
年末には役員との面談もあるし、そういう場で話しながら、お互いの接続点を探していくプロセスになっていると思う。
塩屋:やるべきことをやるということは大前提にあるが、その上で、役員は「やりたいことがあれば積極的に声を挙げて欲しい。その仕事を取れるように尽力するから」と言ってくれます。そこをキャッチアップしてくれることはありがたい。自分としても、どんどん声を挙げていきたいと思います。
評価は自身の「成長の確認」― “一緒に振り返る”からこそ、次の一歩が見える
ワンパクの評価面談は、いわゆる “査定” ではありません。
役員と一緒に1年を振り返り、次の成長の方向を探るための対話の場です。
------
広瀬:立てた目標をすべて達成できなかったこともあるよね。
年末に振り返ったときに「未達だったな」ということもあると思うんだけど、そういう時そこからどんな学びがある?
塩屋:未達には大きく2つのパターンがあると思っています。
設定した目標と同じ方向に進んでいたけど、結果として達成まで届かなかった場合と、途中で自分の進みたい方向自体が変わった場合です。
前者なら、そのまま継続すればいい。後者なら、“自分は違う方向に進もうとしていた” と気づける。
未達の理由を見極めることで、次にどうするかが決まるんだと思います。
小柳:僕は入社したときに、「最初に立てた目標に100%向かい続けなくてもいい」と言われたのが印象的でした。
半年後に目標が変わっていたら、それはそれでいいし、その変化を書けばいい。
だからこそ、目標を立てることや、途中で振り返る時間があること自体に意味があるんだと思います。
この前の面談で、阿部さんに「最近どう?」と聞かれて、“これができていて、ここが課題で…” と、いまの状況を答えたら、「そうじゃなくて、楽しいの?」って聞かれて(笑)。
すごくシンプルなんですけど、意外と考えたことがなかったなと思って。
でも結局、やるべきことと楽しさが重なっていると、その先の目標も自然と見えてくる気がします。
塩屋:広瀬さんに質問ですが、数年先の目標を立てる時に、どこまで具体性を持って立ててますか?細かく決めすぎると、逆に縛られてしまう気もしていて。
広瀬:自分はあまり細かく決めすぎないかな。“こう在りたい”と思える人を思い浮かべて、その人ならどう動くかを考えることが多い。
塩屋:入社10年で立場も変わったと思いますが、目標の立て方に変化はありましたか?
広瀬:最初は “自分が成長すること” が中心だったけど、若い世代の人たちが増えてきたタイミングから、自身の責任感や視座に変化が出てきて、今は “チームや会社にどう貢献するか” まで含めて考えるようになった。
その分、自分の課題も客観的に見られるようになったと思う。
目標の描き方と評価面談のリアル ― 理想と現実をどうつなぐか
インタビューの終盤では、より具体的な「目標の描き方」や「評価との向き合い方」についても話が広がっていきました。
------
広瀬:ワンパクの評価面談って、“評価される場” というより “対話の場” だよね。
僕は会社・チームと自分がどのように価値の交換ができるのかを擦り合わせたり、一緒に振り返ることができる機会だと捉えているけど、二人はどう思う?
塩屋:前職では、年次に応じてある程度評価が決まっていたので、そこは変えられる余地がなかったし、そういうものだと思ってました。
けどワンパクの評価面談は自分の取り組みに対して評価が返ってくるので納得感があるし、モチベーションにもつながります。
広瀬:ワンパクではクライアントと並走するスタンスを取っているけど、社内的にも上下関係がしっかりしているというよりは、一緒に走るような関係性がベースになっている。だから面談も役員から評価される場というより、ディスカッションする場という感覚に近い。自分と異なる視座からの意見をもらうことで、気づけることもあるよね。
塩屋:高い視座からのフィードバックがもらえるし、ダイレクトに会社の想いを知ることができるという点で、役員と直で話せることもすごく良いと僕も思います。
広瀬:最後に、年末の評価面談を経てどのように次の目標に繋げていくのか。僕は多角的な意見をもらうことで、自分だけでは導き出せない部分を次の目標に置くことができると感じているんだけど、二人はどうかな?
塩屋:今年は、自分ができそうなことからもう一段階上のレベルを目指して、目標を設定したいと思います。
あとは自分のやりたいことを取り入れつつ、視点が自分に寄りすぎないように、会社やビジネス視点も踏まえた内容にしたいです。
小柳:自分は、入社して半年経って、クライアントから求められていることの解像度が上がったので、それを踏まえて目標を立てたいと思っています。
目標設定とは、単にゴールを決めることではなく、自分の現在地を知り、未来との距離を測り続けるプロセスでもあります。
理想から逆算するバックキャスティング。現実から積み上げるフォアキャスティング。
その両方を行き来しながら、自分なりの成長のプロセスを描いていく。
そしてワンパクの評価は、そのプロセスを “誰かと一緒にかつ真摯に振り返る時間”。だからこそ、次の一歩が見えてくる。
3人の対話からは、そんな実感が込められていると感じました。