ゲームプログラマーにとってのC++経験|実行コストという構造
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この記事では、「ゲームプログラマーになるならC++は必須なのか」という疑問に対して、現場視点で整理します。
特に、UnityとC#を中心に開発している方が、なぜ開発終盤で処理負荷や最適化に悩みやすくなるのか、その背景構造を説明します。
言語の優劣を論じる記事ではなく、設計の考え方がどこで差として表れやすいのかを整理することが目的です。
実はこの時期を書いた前日ですが、Xでこんなポストをしました。
https://x.com/itchie_tatsumi/status/2018952664973803771
【要旨】C#(Unity)だけでもプロとして業界に入ることは可能です。ただ、C++に触れることで、実行コストや1フレーム16.6msという制約を前提にした設計視点が身につきます。この差は、開発終盤の最適化で効いてくることが多いと感じています。
意図しなかった反応
言語の優劣を論じたつもりではありませんでしたが、私の表現が不足していたのか、この投稿には「C++は結局必要なのか」といった反応が多く見られました。一方で、特定の言語を選んだ個人の努力や能力に話題が寄ってしまうケースもありました。
ここで整理したかったのは、個人の適性や頑張りではなく、開発が進むほど表に出やすくなる構造的な差です。なぜ終盤で最適化が難しくなるのか。その問いを言語選択だけで片付けてしまうと、同じ困りごとを別の現場でも繰り返しやすくなります。
構造の説明
表面上の問題は、「後半になると処理が重くなる」「どこを直せばいいのか分からない」といった現象です。実際に起きている問題は、1フレーム約16.6msという制約の中で、処理のコスト配分が設計段階で十分に意識されていないことです。
C#やUnityでは、多くの処理が安全に、分かりやすく書けます。これは大きな利点です。一方で、メモリ確保や解放、コピーコスト、キャッシュ効率といった要素は、書いている時点では見えにくくなります。
その結果、「動いているから問題ない」という判断が積み重なり、後から調整しようとした時に、
・特定フレームだけ負荷が跳ねる
・GCが絡む場面で引っかかる
・重い処理が点在し、影響範囲が読めない
といった状態になりやすくなります。
念のために
くどいようですが、私は、C++を使うべきだと主張したいわけではありません。C++を使えないとゲーム会社への就職に不利だという主張でもありません。UnityとC#は、現場で非常に有効な選択肢です。
ただ、C++に触れることで、「この処理は何ms使っているのか」「なぜここで重くなるのか」を自然に考えざるを得ない経験が増えます。その視点は、言語を離れても設計力として残ると感じています。
まとめ
ゲームプログラマーにとって重要なのは、特定の言語を選ぶことではなく、
実行コストをどう前提に置いて設計するかです。
この構造を整理しておくと、後半で慌てる場面が減り、「なぜ重くなっているのか」を冷静に分解できるようになり、現場は少し楽になるのではないかと考えています。
おわりに
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