売上が落ちた、利益率が下がった。そんな時、経営者は商品も営業も顧客も、自社の事業に向き合います。それが会社の根幹だからです。
でも採用になると、少し様子が変わります。「良い人を連れてきてほしい」——丸ごと外部に任せようとする企業が少なくありません。
「ヒト・モノ・カネ」は経営の三大資源。なのに商品開発も営業戦略も財務戦略も自社で考えるのに、採用だけは「採ってきてもらう」発想になる。ここに違和感を感じています。
「良い人を採りたい」という相談には、必ずこう聞き返します。
「御社にとって、良い人とはどんな人ですか?」
すると、多くの企業が言葉に詰まります。この問いに答えられるのは、採用会社ではなく経営者しかいません。
応募が来ない、定着しない、活躍しない…これらは採用工程の中ではなく、実は経営そのものに原因があるケースが少なくないのです。
採用が安定している企業は、求人市場ではなく自社で活躍している人を研究しています。なぜ活躍しているのか。何が共通しているのか。
採用とは人集めではなく、自社にとっての「いい人」を定義し、選ばれ・定着し・活躍する仕組みをつくること。採用とは、企業の経営そのものが映し出される鏡なのです。