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ベトナムでのソフトウエア開発、大事な3ポイント

米国の文化・芸術分野で大きな影響力のあるローリングストーン誌に掲載されたベトナム人プログラマ、グエン・ハ・ドンの写真。本誌は原則タバコ関連写真の掲載が禁止されます。しかし、グエン・ハ・ドンの場合は特別扱いのケースです。

ベトナムには現在、優秀なソフトウェア技術者が多いです。彼らは、新しい技術の習得と適用するスピードが速いのが特徴です。ベトナムにおいてソフトウェア関連は、収入が高い職業の一つです。これは、ベトナムでITを学ぶ若者にとって、大きなモチベーションの1つとなっており、ベトナムIT人材資源の強力なベースとなっています。

しかし、ソフトウェア開発を手がける新規事業において、技術力や学習力の向上や適用力は、必要な要素の一部のみである。特に、ベトナムにおいて強いソフトウェア開発の人材リソースを築き、活用する上で特に重要です。なぜなら、単に優秀で技術を有し高学歴な人材を採用、毎年昇給させるといった単純な手順では成立しません。その手順では会社に強固な人事体制も築くことは困難でしょう。

一般的には、一つのプロジェクトにおける「技術」の要素は、プロジェクト全体の10~15%に過ぎません。残り90%は、案件において重複、または類似パターンを有する部分を統一する作業です。そのため、技術面で失敗することが少ない反面、内部組織の問題で、商品開発の統一性を維持できないことにより、失敗したケースが多数あります。

初期段階では、採用した技術者は優秀なメンバーが多く、そのため開発業務も非常にスムーズに進み、技術的な問題も簡単に乗り越えられました。また、技術者たちも知りえた技術を作業に即、活用でき、非常に熱心に作業に取り組みました。 たとえば、あなたがサーバー分のAPIを開発する際、Spring Bootの導入を決めるとしましょう。そして、フレームワーク構築の段階で、モジュール、ツール、CI/CDなど様々な技術を活用でき、あなたが採用した技術者も熱意を持って作業を進めるでしょう。あなた自身も、意外と技術者がソリューションに関わる問題を簡単に処理できたことに、満足するでしょう。

しかしこの後、更に細かい作業に入り、APIを処理する為のコードを書く段階になります。この段階では、何百APIの為のバリデーション, クエリ、ログ、結果返還など1つずつコードを書かなければならない。細かく、繰り返しの長時間作業で、強い忍耐力が必要になり、優秀な技術者ほど飽きがちな作業です。 それ以降、あなたは、徐々にソースコードの怠慢やケアレスミスなどが発生を検知し、考慮不足の処理や仕様にマッチしない機能などが頻発します。プロジェクトグループ内の雰囲気も悪くなります。日本側の信頼度が徐々に落ち、あなたの解決努力を認めなくなります。しかし、技術者に改善を求めたときには、内部関係はすでに崩壊し、日本側とベトナム技術者の間の距離も広がる一方です。

更に問題は次々と発生します。技術者は、徐々に退職し、または昇給を要求するでしょう。技術者を新しく採用しても、前職とまったく同じ問題が発生して、結局どうすればよいのか、あなたは戸惑うでしょう。

ここでは解決すべき基本的な問題が3つあります。これらの問題を解決できないと、組織が安定的に機能せず、品質の高い商品も製造することができません。

その1:ベトナム側は、どうやってミスのない商品を製造できるのか。
その2:コストをアップせずに、どうやって生産力を維持または向上できるのか。
その3:社員が制限なく成長できる環境を、どうやって築くことができるのか。 ソフトウェア制作も、製造業のセグメントの1つです。

上記の1と2は、製造業において基本的な問題です。これらの問題は、ISOやCMMなど製造業の様々な産業規格で具体化されています。 あなたの会社でソフトウェア制作を展開予定であれば、製造業の産業規格を把握する必要があり、それらを製造工程に導入する必要があります。特に、製造プロセスをベトナム、またはその他の発展途上国で行う場合は、更に必須な要素となります。

ソフトウェアを制作する「機械」は、人です。そして、人も機械と同じように、エンジン(動力源)が必要です。エンジンがないと、良い商品を生産することはできません。 問題の3は、「マズローの欲求5段階説」で唱えられている通り、動力源に関わる問題の解決にあります。これはIT技術者の管理会社にとって大きな問題であると同時に大きな目標でもあります。あなたの会社は、会社の成長や発展とともに、社員それぞれの成長や発展も実現できる会社でしょうか?

日本におけるIT関連の人材不足解消のため、ベトナムで人材採用する日系企業が年々増えています。しかし、それらの日本のIT企業では堅実な基盤や製造規格の整備が課題となっています。特にベンチャー会社ではソフトウェア制作に関する経験が浅いケースがほとんどです。また、ベトナムでの人事ベンダーに監督や製造規格の展開を委託せず、人材ラボを借りている企業も多いのが現状です。 そのため、失敗に繋がるケースも多々あります。


ベトナムを訪ねて、一杯10円相当の道端の露茶屋でベトナムの開発者と話しているグーグルCEO


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RIKAI株式会社

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