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注意不足だけでは説明できない問題 ー 業務構造が生み出す認知負荷
日本語学校で働いていた頃、留学生のビザ申請業務は、日常業務の中でも特に高い精度と大きな負荷が求められる業務でした。
外国人在留資格に対する審査は年々厳格化しており、申請書類にはこれまで以上に高い正確性が求められています。一方で、提出期限そのものが延びるわけではなく、限られた期間の中で大量の申請を処理する必要がありました。
当時の業務は、書類受領 → データ化 → システム入力 → 確認 → 修正 → 最終確認
という複数工程で進行しており、各段階で多くの確認作業と例外対応が発生していました。例えば、
・通常より在学期間が長いケース
・過去に日本滞在歴があるケース
・提出資料同士に細かな差異があるケース
など、単純に資料を見て入力するだけでは判断できない場面も多くありました。
さらに、この業務は直列型のフローで進行していたため、前段階が終わらなければ次段階へ進めません。そのため、後半段階に進むほど時間的余裕が少なくなり、確認負荷や心理的プレッシャーも大きくなっていきます。
特に最終確認の段階では、限られた時間の中で大量の申請内容を確認しながら、「本当に矛盾や漏れはないか」を何度も見直す必要がありました。
また、多くの工程が手作業ベースで運用されていたため、確認や転記が増えるほど、ヒューマンエラーが発生しやすい状態にもなっていました。
こうした経験を通じて強く感じたのは、業務上のミスは単純な「注意不足」だけで起きているわけではない、ということです。
情報が複数箇所に分散していること。
確認作業そのものに大きな認知負荷がかかっていること。
時間制約の中で、何度もコンテキストを切り替えながら判断を行わなければならないこと。
こうした業務構造自体が、人為的ミスを引き起こしやすい状態を生んでいるのではないかと感じるようになりました。
この経験が、後にUXや業務フロー設計、情報設計に興味を持つきっかけの一つになっています。
業務フローや情報設計に関するケーススタディも制作しています。
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