こんにちは!松岡史晃です。
新しい仕組みを立ち上げたりチームの力を引き出したりするとき、私たちはつい強固なルールや明確な数値目標で全体を縛ろうとしてしまいがちです。
ガチガチに固められた枠組みは一見すると安全に思えますが、急な変化が起きたときに柔軟な対応ができず、組織の動きを止めてしまうことも少なくありません。
営業という現場で数多くの組織づくりやプロセス改善に携わってきた経験の中で気づいたのは、本当に強いチームには目に見えない部分に柔らかな巡りがあるということです。
ここでひとつ、昔訪れた山あいの村で聞いた風変わりな井戸掘り職人の話をさせてください。
その職人は、闇雲に地面を掘り返すのではなく、竹で作られた細い笛を地面に押し当て、耳を澄ませて音を聞いていました。
土の深くに隠された水脈の流れる微かな振動を、竹笛の共鳴によって感じ取っていたのです。
「どれほど表面の土が固く乾いて見えても、地下には必ず冷たく豊かな水が流れている。強引に地面を叩き割るのではなく、水が通りたがっている道筋を見つけてそっと掘り進めるのがコツだ」と彼は語っていました。
力をかけて無理やり道をこじ開けるのではなく、もともと存在する自然な流れを見極めて活かすというアプローチです。
この竹笛の井戸掘りのように、私たちが取り組むチームづくりや課題解決においても、表面的なルールだけで人を動かそうとしない姿勢が求められます。
メンバーそれぞれが内に秘めている情熱や、まだ言葉になっていない疑問や不安といった小さな振動に耳を傾けること。
一見すると不揃いに見える個人の強みや特徴を観察し、それぞれの力がもっとも自然に流れ出すような環境を整えることが大切になります。
強引な指示や押し付けによって動きを作ろうとするのではなく、組織の底に流れている目に見えない意欲や信頼の水脈を探し当て、そこへ繋がる道筋を静かに開いていくこと。
そうして生まれた流れは、どんな環境の変化にもしなやかに適応し、チーム全体に持続的な活力を与え続けてくれます。
形だけの仕組みに満足するのではなく、そこで働く人々の生きた声や微かな変化に常に意識を向け続けること。
これからも表面的な効率だけに頼るのではなく、一人ひとりの可能性が自然と湧き出るような温かい土壌と仕組みを丁寧に育んでいきたいと思います。