「CTOを1人雇うほどではないけれど、技術のことを相談できる人がほしい」。そうしたご相談の中で、Fractional CTOという言葉を聞くことがあります。
社外の技術者が、週に何時間か、あるいは月に何日か、CTOの役割の一部を引き受ける。それがFractional CTOという関わり方です。中身は人によって違いますが、システムの方針を決める会議に出る、ベンダーの見積もりや提案書を読む、エンジニアの採用面接に同席する、といった仕事がよく挙がります。正社員を雇うより負担が軽く、判断の質を社内に持ち込めるところが利点です。
ただ、頼む前に決めておきたいことが二つあります。
一つは、その人に何を決めてもらうのか。助言だけなのか、ベンダーの選定まで任せるのか。ここが曖昧なままだと、社内の担当者と意見が割れたとき、誰の判断で進めるのかが分からなくなります。
もう一つは、その人と発注先との関係です。判断役が、開発を請け負う会社の人でもある場合、悪意がなくても、自社が得意な作り方に話が寄っていきます。独立した立場の人に頼むのか、開発会社の人だと分かったうえで任せるのか。最初に決めておけば、あとで提案を読むときに迷いません。
私たちも開発会社です。正直に書くと、今はFractional CTOをサービスとしてはお受けしていません。二つめの点は、私たち自身にもそのまま当てはまる話だと思っています。
その代わりにお引き受けしているのは、期間を区切った入口です。今のシステムのコードを読み、運用している方にお話を伺って、現状と、何から手を付けるかの順番をまとめます。最後に開発の見積もりをお出ししますが、そこで終わりにしていただいて構いません。続けるかどうかは、資料を手にしてから決められます。
長く伴走する判断役がほしいのか。それとも、一度だけ外の目で現状を見てほしいのか。どちらなのかで、頼む相手は変わってきます。
皆さんの会社で、技術の相談相手がほしいと感じるのは、どんな場面ですか。よければコメントで教えてください。