イラン(ペルシャ)の食文化、スパイスとヨーグルト。 時事雑感(45)
この記事はnoteで公開したものの転載です。
みなさん、こんにちは。
連日目を覆いたくなる報道が続くイラン情勢ですが。ここは一度視点を変えて、イランの食文化に目を向けていきたいと思います。
①イランの食文化
イスラム教圏では、ラマダンという断食が有るのが大きな特徴です。
日の出までに朝食を済ませ、それから半日ほど水分も一切取らず、日没後にイフタールという晩御飯。
ラマダン期間の約一か月、この食生活を続けます。
つまり、日常の食生活とイフタールという二種類の食生活が有ります。
イスラム教の宗派や国によって大きく異なるので、ここではイランに絞ってみていきます。
■イランにおける普段の食生活
普段の食生活についてですが、イランではイスラム教の教えに基づき「ハラール(許されているもの)」が基本になります。豚肉やアルコールは禁止され、肉類はイスラム法に沿った方法で処理されたものだけが食べられます。
ただし、イランの食文化はアラブ諸国やトルコとも異なり、ペルシャ料理特有のハーブや酸味を生かした繊細な味わいが特徴です。ヨーグルト、ハーブ、サフラン米、煮込み料理など、独自の食文化が発達しています。また、酸味(ザクロ、レモン、ドライライム)を好む特徴もあります。
■ イランにおけるラマダン(断食)とイフタール
イランは国土が広く北部と南部で日照時間が大きく異なり、地域によって断食時間が大きく変わることも有ります。
イランのイフタールは、他のアラブ諸国とは少し違う独自の食文化がある。
- まず デーツ(ナツメヤシ)とお茶で断食を解く。 これは長時間休んでいた胃腸をゆっくり目覚めさせるためで、デーツは日本で言えば干し柿のような自然な甘さがある。
- 続いて アッシュと呼ばれる濃厚なスープをいただく。
アッシュにはさまざまな種類があるが、イフタールではレシュテ(平たい小麦麺)が入ったタイプがよく出る。
日本の料理に例えると、具だくさんのけんちん汁ににゅう麺を合わせたようなイメージ。 - その後はズールビヤやバミエといった甘い揚げ菓子。
ズールビヤは「かりんとう+シロップ漬け」のようなカリッとした甘さ、バミエは「小さな揚げ饅頭をシロップに浸した」しっとり系。
断食明けの血糖をやさしく戻しつつ、家族や友人と互いの健闘をねぎらいながら談笑する「団らんの時間」になる。 - 次に サブジ(香草)やチーズ、ナン といった軽食が続く。 これはメインディッシュに入る前のワンクッションで、日本で言えばサラダと軽食のような位置づけ。
- 最後に 家庭料理のメイン。
肉のスパイス焼き、ケバブ、サフランを使った香り高い米料理など、イランらしいハーブとスパイスを利かせた温かい料理が並ぶ。
イランのイフタールは「胃に優しいものから始める」という考え方が強く、いきなり重い肉料理を食べる国とは少し異なります。
また、イランでは家族で静かに食卓を囲むスタイルが多い。アラブ諸国のように大規模な屋外イフタールが一般的ではなく、家庭的で落ち着いた雰囲気が特徴です。
書いているだけでも、食欲がそそられる気がします。
では、今日の感想に移りましょうか。
②今日の雑感
みなさんは食べ放題に挑む際、事前の食事を控えた経験は有りませんか?
わたしは極力お腹を空かせて、できるだけ多種類・大量の料理が食べられるように調整したものの、思ったほど食べられなかった経験があります。
イフタールについて調べていて、そんな経験を想起しました。
断食明けの身体は胃が空っぽで、血糖値も低く、消化酵素も落ちている。
そんな状態で真っ先に重い料理にとびつくと、身体がビックリしてしまいます。
イフタールは、断食明けの体を徐々に重い食事へと慣らすスタイルです。
まさに「空腹でバイキングに行って失敗した経験」を、文化レベルで最適化した形と言えるでしょう。
事前にこのことを知っていれば、また違ったバイキングとの付き合い方があったかもしれません。ひょっとしたら最初の30分くらいはデザートとジュースでやり過ごしたかもしれませんね。
さすがは、ギルガメッシュ叙事詩の時代から続く長い歴史の中で育まれた食文化です。古代の英雄たちも、こうした食の知恵をどこかで共有していたのかもしれません。
また、イランを含めた多くのイスラム教圏の国々では毎食と言っていいくらいヨーグルトが食卓に並ぶそうです。
国ごとに特徴は異なりますが、私たちがイメージするような甘いヨーグルトばかりではありません。ヨーグルトを使ったソースに鶏肉・羊肉・牛肉を漬け込み、焼いて食べるのも一般的です。
なんと、胃腸にやさしく身体想いの食事でしょうか。
アルコールが禁止は、お酒大好きな私としては遠慮しておきます。
しかし、ヨーグルト+肉の組み合わせは一度試してみようと思っています。
ここまで読んでくださって有難うございます。
気が向いたら、またふらりと立ち寄ってください。