カジュアル面談は選考ですか?
「カジュアル面談って何するんですか?」
「カジュアル面談って結局選考なんですか?」
「カジュアル面談なのに志望動機を聞かれた」
Xを見ていると、こんなポストをよく目にします。
わかる。
めちゃくちゃわかります。
私自身、応募者側の立場になれば同じことを思います。
「カジュアル」という言葉がついているから、
・軽い雑談
・選考関係なし
・お互いの理解を深めるフラットな場
というイメージがどうしても先行してしまう。
もちろん企業側も、「選考じゃないですよ」と言います。 応募者もその言葉を信じて「選考じゃないならとりあえず話してみるか」と肩の力を抜いてしまう。
でも、人事としての本音を言います。
実際はそんなにカジュアルじゃありません。
目次
①人は「会った瞬間」に評価を始めている
②カジュアル面談の「本当の目的」
③「実質0次面接」という現実
④「0次面接なら、最初から1次でよくない?」の矛盾
⑤まとめ:前提が変われば、行動が変わる
①人は「会った瞬間」に評価を始めている
そもそも、人間は誰かと会った瞬間に相手を見てしまう生き物です。
仕事内容に関わる話をする以上、ゼロベースのフラットな状態で相手を見るなんて、構造的に無理があるんです。
だから応募する人は、「カジュアル面談=選考」という前提で臨んだ方がいい。
「感じが良かったな」
「態度が悪かったな」
「価値観が合いそうだな」
「やりたいことがズレてそうだな」
こう思ってしまう瞬間は必ずあります。
お互いに。です。
意図して選考しているのではなく、構造として選考になってしまうのです。
②カジュアル面談の「本当の目的」
じゃあ、企業は何のためにわざわざカジュアル面談をやるのか?
ここが意外と理解されていません。
企業側の本音ベースで言語化すると、目的はだいたい以下の通りです。
●応募者との接点(リード)をつくる
●応募者の温度感や転職軸を知りたい
●一次面接に呼ぶ前の「事前の確認」
●書類だけでは判断できない「人柄」や「雰囲気」を見たい
見てわかる通り、
これらの目的はどれも選考プロセスの一部です。
でも多くの人はここを選考と切り離してしまい、企業側の意図を汲まない(汲めない)まま、ズレた温度感で挑んでしまう。
これが本当にもったいない。
仕事の話をする場で、「見られていない」なんてことはあり得ません。
人事だろうが現場社員だろうが、応募者に会った瞬間に「一緒に働ける人だろうか?」と自然に考えてしまうからです。
③「実質0次面接」という現実
私は、カジュアル面談を「0次面接」と定義するのが一番しっくりくると考えています。
どれだけ雑談っぽい空気が流れていても、 どれだけ「選考じゃない」と念押しされても、 その場で得た印象は、確実に採用担当の脳内にインプットされます。
もっと言うと、カジュアル面談の評価メモが、具体的な選考書類と一緒に次の面接官に渡ることすらあります。
というか99%情報として渡っています。
応募者側は、「カジュアル面談=選考じゃない」と思っている。
企業側は、「カジュアル面談=0次選考」として扱っている。
この「認識のズレ」こそが、カジュアル面談で事故が起きる一番の原因です。
④「0次面接なら、最初から1次でよくない?」の矛盾
ここまで読むと、
「じゃあ最初から1次面接にすればいいじゃないか」
と思うかもしれません。
ごもっともです。
でも、企業があえてカジュアル面談を挟むには、明確な理由があります。
大きく分けると以下の3つです。
1.工数の問題(現場を無駄に巻き込めない)
一次面接官が配属予定部署の責任者やメンバー、または役員などの場合、彼らの時間を無駄にするわけにはいきません。
だから人事としては、「土台に乗る人だけを面接に繋ぎたい」「最低限のふるいは自分たちでかけたい」という本音があります。
これが「0次選考」の実態です。
2.経歴以上に「人柄」を確認したい
書類は完璧、あるいは書類だけでは判断がつかない当落線上。
そんな時に,
「うちの会社にカルチャーフィットするか」
「この人と働くイメージが湧くか」を、選考という堅苦しい枠組みの前に確認したいケースです。
この場合、完全に選考の目線でジャッジが行われています。
3.応募者の意向を上げたい(アトラクト目的)
ベンチャーや成長企業に多いパターンです。
まだ応募意思が固まっていない優秀層に対し、
「うちに興味を持ってもらうための接点」としてカジュアル面談を置きます。
ただ、ここですら応募者は見られています。
「一緒に働きたいと思えるか」という印象値は、少なからず合否に影響します。
⑤まとめ:前提が変われば、行動が変わる
結局のところ、
カジュアル面談は「選考じゃないようで、しっかり選考」なのです。
でも、必要以上に怖がることはありません。
大切なのは、「見られている」という前提を正しく理解しておくこと。
その認識を持つだけで、 当日の会話の質も、 程よい緊張感も、 自分をどう見せるかの戦略も、 全部変わってきます。
企業と接点を持つ瞬間は、メールも電話も面談も、すべてが選考の一部。
この「構造」を理解して臨めるだけで、カジュアル面談は敵ではなく、あなたの味方になります。