Swellというウィジェット閲覧で完結するニュースアプリ制作
「Swell」構想について
表層を捉え、必要なときだけ深く潜る。情報との新しい向き合い方を形にする
現在、個人開発として 「Swell」 というiPhone向けプロダクトの構想・設計を進めています。
このプロダクトに取り組む理由は、単にアプリを1本作ってみたいからではありません。
自分の中では、要件定義の練習、アプリ開発の実践経験、そしてiOS環境でのデプロイ経験までを一気通貫で積むためのプロダクトという位置づけです。
業務では既存システムの改修や保守に関わることが多い一方で、
個人開発では「なぜ作るのか」「誰のために作るのか」「どういう体験を提供したいのか」といった、プロダクトの出発点から自分で定義する必要があります。
そのため今回は、実装以前の段階である 目的整理・背景整理・ユーザー定義・表示要件の設計 から丁寧に取り組むことを重視しています。
開発の目的
このプロダクトを作る目的は大きく2つあります。
1. 自身の成長のため
Swellは、自分にとって以下を実践的に学ぶための題材です。
- アプリ作成の練習
- 要件定義の練習
- 情報設計・UI設計の練習
- iOS環境でのビルド、テスト、デプロイ経験の獲得
- 「作って終わり」ではなく、公開まで見据えた開発の経験
特に、普段の業務では「与えられた要件を実装する」ことが中心になりやすいため、
今回は逆に、要件を自分で考え、言語化し、設計し、それを実装に落としていく経験を意識しています。
2. プロダクトとしての価値を形にするため
もうひとつは、Swellというプロダクト自体の価値です。
現代は情報量が多く、ニュース、SNS、話題のトピックが次々と流れてきます。
しかし実際には、毎回アプリを開いて、記事を開いて、長文を読んで、必要に応じてまた別のページに遷移して……という行為は、思っている以上に負荷があります。
すべてを深く読むほどの時間や気力はない。
けれど、今何がざわついているのか、どんな話題があって、世の中がどう反応しているのかはざっくり把握しておきたい。
Swellは、そうした情報との距離感に対して、ひとつの答えを出したいと考えています。
「Swell」という名前に込めた意味
Swell は、海のうねりや波の大きな流れを意味する言葉です。
このプロダクトでは、情報を海にたとえています。
生活という大きな海の中で、私たちは日々それぞれの船に乗って移動している。
仕事、通学、予定、移動、休憩。そうした日常の中で、すべての情報に深く潜ることはできません。
だからこそ、まずは海面に手を触れるように、表層だけを感じ取る。
今どんな波が来ているのか。
何が話題になっているのか。
みんなが賛成しているのか、懸念しているのか。
その“気配”だけを、まずは軽く知る。
そして、本当に気になったときだけ深く潜ればいい。
元の記事を読むのは、そのあとでいい。
Swell という名前には、そんな
「情報を全部読むのではなく、まず波を知る」
という思想を込めています。
背景にある課題意識
もともとの発想は、日常の中で感じていた小さな煩わしさから始まりました。
たとえば、Google Alert のように興味のあるニュースをメールで受け取ることはできます。
ただ、実際にはそこで止まらず、
- メールを開く
- リンクを開く
- ブラウザに移動する
- ページを読む
- 必要なら別記事も見る
という流れになります。
情報取得そのものより、そこに至るまでの遷移や操作が面倒になってしまう。
しかも、最終的に「そこまで深く読まなくてもよかったな」と感じることも少なくありません。
欲しいのは、最初から全文ではなく、
- どういうニュースか
- 今どれくらい話題か
- 世の中の反応はどうか
- ざっくり見る価値があるか
この程度の“表層情報”です。
Swell はその部分にフォーカスしています。
想定ユーザー
対象ユーザーは、主に 社会人や学生 を想定しています。
特にイメージしているのは、
- 通勤中
- 通学中
- 移動時間
- ちょっとした空き時間
- 朝の準備時間
- 昼休み前後
のように、長く腰を据えて記事を読むほどではないが、
今の世の中の流れは掴んでおきたい、というユーザーです。
このプロダクトでは、そうしたユーザーが
「アプリをわざわざ起動しなくても、iPhone上で軽く情報の波を把握できること」
を重要な要件としています。
目指している体験
Swell が提供したい体験は、ニュースリーダーとは少し違います。
目指しているのは、
「ふーん、今こういうニュースがあって、みんなこういう反応をしているんだな」
と、短時間で把握できることです。
つまり、全文読了を前提としない体験です。
- いま何が話題か
- どのくらいざわついているか
- 賛否の空気感はどうか
- 気になるならその先に行ける
この順番が大事だと考えています。
そのため、アプリ本体の価値ももちろんありますが、特に重視しているのは iPhoneのウィジェット上での閲覧体験 です。
理想は、ホーム画面から軽く眺めるだけで状況が掴めることです。
想定している開発環境
今回の開発では、iOS向けアプリとして形にすることを前提にしています。
主な作成環境としては以下を想定しています。
- Mac
- Xcode
- Swift / SwiftUI
- WidgetKit
- GitHub
まずはローカル環境で、
ウィジェット表示や画面レイアウト、ダミーデータを使ったUI確認から進める予定です。
いきなり複雑な分析基盤を作るのではなく、最初は
- どの情報を表示するべきか
- どの粒度なら“軽く見れる”のか
- どのレイアウトならウィジェット上で読みやすいか
といった、体験の核に当たる部分を先に固めていきたいと考えています。
その後、必要に応じてバックエンドや外部データの取得、要約ロジックなどを広げていく想定です。
この開発で自分が得たいもの
Swell は、完成したアプリそのものと同じくらい、
そこに至るまでの思考プロセスも大事にしています。
今回この開発を通して得たいのは、
- 目的から逆算して機能を定義する力
- ユーザー体験を分解して設計に落とす力
- 要件を具体的な画面やデータ構造に変換する力
- iOSアプリ開発の実践経験
- 公開や運用まで見据えたプロダクト開発経験
です。
特に、要件定義は文章で見ると簡単そうに見えても、
実際には「何をやるか」より「何をやらないか」を決めることの方が難しいと感じています。
だからこそ、今回のSwellでは、
最初の思想や目的の言語化から丁寧に取り組んでいきたいと思っています。
今後について
今後は、以下の流れで進めていく予定です。
- プロダクトコンセプトの固定
- 要件定義
- ウィジェット表示仕様の整理
- モックデータ作成
- iOS画面のプロトタイプ作成
- ローカル環境での実装
- 必要に応じたバックエンド設計
- デプロイ・公開準備
最初から完璧なものを目指すというより、
まずは 「波を知る」体験が成立する最小構成を作ること を重視します。
Swell は、情報をすべて深く読むためのアプリではありません。
その前段階として、今どんな波が来ているのかを知るためのプロダクトです。
表層を軽く掴み、必要なときだけ深く潜る。
そんな情報との向き合い方を、自分の手で形にしていきたいと思っています。