フリーランスという選択にたどり着くまで
復職への疑問から始まった働き方の見直し
育児をきっかけに、働き方を見直すことにしました。
復職後の生活を想像したとき、通勤・保育園送迎・業務時間…すべてが綱渡りのように感じられました。 「本当にこの働き方で、家族も自分も幸せになれるのかな?」 そんな疑問が、少しずつ心の中に広がっていきました。
育休中にSNSや書籍を通して知った“柔軟な働き方”や“自分らしく働く人たち”の存在は、私にとって希望の光でした。「柔軟に働ける選択肢を持ちたい」 その思いが、次第に“憧れ”から“目標”へと変わっていったのです。
学習から自信へ、そして新たな選択肢
2024年3月、ITスクールRaiseTechに通い始めました。
当初は「復職のために少しでもスキルを身につけておこう」くらいの気持ち。
でも、Webデザインコースを進めるうちに、デザインの奥深さや、言葉では伝えきれない世界観を形にする面白さにどんどん惹かれていきました。卒業課題では、クライアントワークに挑戦。ロゴデザインの案件を獲得し、納品までやりきったことで、「自分にもできるかもしれない」という感覚が芽生えました。 それは、ただのスキル習得ではなく、“働き方の選択肢”を手に入れた瞬間でもありました。
スキル習得の具体的な取り組み
育児をしながらの学習は想像以上に大変でした。
最初は「毎日しっかり勉強するぞ!」と意気込んでいましたが、現実はそう甘くありませんでした。
子どもが体調を崩して看病に追われたり、自分が疲れ切って集中できなかったり、夜泣きがひどくて勉強どころじゃない日も…
それでも諦めずに、1年間で約320時間の学習時間を積み重ねることができました。
「育休中のある日のスケジュール]
5:00 起床
6:00 朝ごはん
8:00 家事
9:00-11:00 お散歩・公園
12:00 お昼ごはん
13:00-15:00 こどもお昼寝:勉強
16:00 こどもと遊ぶ・家事
17:00-18:00 夜ごはん
19:00 お風呂
20:00 こども寝かしつけ
21:00-23:00 勉強
23:00 夜泣き対応、終わり次第勉強続行
1:00 就寝
3:00 夜泣き対応
学習継続のために意識したことは以下です。
- 完璧を求めず「今日は15分だけでもOK」という気持ち
- 子どもの体調や自分のコンディションに合わせた柔軟なスケジュール
- 小さな進歩でも自分を褒めること
- 1日単位ではなく、1週間単位で考える
「毎日コツコツ」ではなく「継続すること」を重視したからこそ、最後まで続けられたのだと思います。
正直、体力的にはかなりハードでした。でも「子どもが寝ている間だけが、自分の時間」だったので、その貴重な時間を無駄にしたくなかったんです。
夜泣きで起こされても、「せっかく集中してたのに…」ではなく「また学習再開のチャンス」と思えるようになったのは、目標が明確だったからかもしれません。
家族で決めた新しい働き方
2024年秋、夫婦で何度も話し合いを重ねました。
「今後の働き方をどうするか」 「子どもたちとの時間をどう守るか」 「家計はどうなるか」
現実的な課題と向き合いながら、私たちが出した答えは「フリーランスとして働く」という選択肢でした。
そして2025年1月、子どもたちの保育園が別々になってしまい、通勤しての労働は物理的にも難しい状況に。「今が動くタイミングだ」 そう腹をくくり、本格的にフリーランスとして稼働するため、案件獲得に向けて動き始めました。
現実の壁と突破口
とはいえ、現実は甘くありませんでした。
エージェントサイトを見ても、求められるスキルセットや働き方が自分の状況とマッチしない案件ばかり。 「やっぱり無理なのかな…」と落ち込む日もありました。
でも、諦めたくなかった。
育児と両立できる働き方を実現している人がいるなら、私にもできるはず。そう信じて、自分のスキルと働き方にマッチするエージェントを探し続けました。
そして2025年1月、ようやく「ここならいけるかも」と思えるエージェントと出会えたのです。
不安から確信へ
面談・案件応募を経て、ありがたいことに3件が同時に決定。
2024年の年末は、不安でいっぱいでした。
「来年、自分は何をしてるんだろう」 「本当に仕事が取れるのかな」
そんな思いで、夜眠れない日もありました。でも今は、クライアントとも良好な関係を築きながら、日々の業務に向き合えています。
不安だった日々があったからこそ、今の確信がある。
そして、まだまだ挑戦は続いていきます。
制約が生んだ強みを武器に
育休中に培った「制約の中でもやりきる力」「スキマ時間を活かす工夫」は、今の働き方にしっかり活きています。
具体的な強みの活かし方
- 時間管理能力 限られた時間で最大の成果を出すための優先順位付けと集中力
- 効率化スキル 育児と両立するために身につけた、無駄を省く工夫と仕組み化
- 顧客目線の理解 子育て中の消費者としての実体験に基づいた、リアルな顧客インサイト
- 危機管理能力 「子どもが熱を出したら」を常に想定した、リスクヘッジとバックアッププラン
限られた時間の中でも、成果を出すための工夫は、むしろ強みになりました。
以前のEC運営経験に、Webデザイン・Webマーケティングのスキルを掛け合わせた提案は、クライアントからも高評価をいただいています。
実際に、現在担当しているMAツール活用のメルマガ施策では開封率67%・クリック率11%・CV率0.87%を達成することができました。
「時間が限られているからこそ、集中力が高まる」
「制約がある中でも工夫次第で成果は出せる」
そんな"制約"を"価値"に変えていける働き方を、これからも追求していきたいと思っています。