「体調不良」から学んだ“食べ物の力”
私は現在、薬膳や栄養学の知識をもとに、食事を通して心身の健康を高める方法を研究・発信しています。
しかし、この道に進むきっかけは、決して華やかなものではありません。実は、かつての私自身が「体調不良」に悩まされていたのです。
◆ 忙しさの中で崩れたバランス
社会人になりたての頃、仕事の忙しさからコンビニ食や外食に頼る日々が続いていました。気づけば、慢性的な疲労感や冷え、胃の重さに悩まされるようになり、休日も十分に休んだ気がしない状態でした。
病院で検査をしても「特に異常はない」と言われるだけ。改善策が見つからず、不安と焦りばかりが募っていきました。
◆ 出会いは「薬膳」の一冊
そんなある日、書店で手に取った薬膳の入門書に目が留まりました。
「体の不調は、食べ物の選び方や食べ方を変えることで改善できる」という言葉に強く惹かれ、半信半疑ながらも少しずつ実践を始めました。
季節の野菜を取り入れたり、体を温める食材を意識したり──それだけで体が少しずつ軽くなり、朝の目覚めも楽になっていったのです。
◆ 食べ物の力に気づいた瞬間
この体験を通じて、「食べ方を変えるだけで、心も体もこんなに変わるのか」と深い感動を覚えました。
食べ物はただお腹を満たすためのものではなく、体を癒し、支えてくれる大切な“薬”であることを実感した瞬間でした。
◆ 研究と発信の道へ
その後、もっと体系的に学びたいと思い、薬膳や栄養学を専門的に学び始めました。
今では、自分の経験をもとに「誰もが日常に取り入れられる食養生」を伝えることを使命としています。
これからも、体調不良に悩んでいたあの頃の自分のように、出口を探している方々に向けて、実践できる知恵を発信し続けていきたいと思います。
By 田中鉄也 オンド.com