🌺 シヌグの心とともに生きる
🌺 シヌグの心とともに生きる
1960年12月1日生まれ
東嶋尚弥
シヌグは、自然と人間、神と地域社会を結ぶ大切な祭り。
その祈りと絆は、今も沖縄の暮らしを静かに支え続けています。
子どものころから、シヌグの日は特別でした。
朝早くから山に向かい、神に感謝の祈りを捧げる大人たちの姿。
そして、集落に戻ってみんなで笑いながら食卓を囲む時間。
そこには、言葉では言い表せない“安心”と“つながり”がありました。
今、私は地元で小さな飲食店を営んでいます。
店の中に流れる音や香りの中に、いつもシヌグの記憶が息づいている気がします。
食材を選ぶとき、料理をつくるとき、お客様を迎えるとき――
そのすべてが「祈り」と「感謝」の延長にあるのだと感じています。
忙しい時代の中で、人と人とのつながりが薄れていくように見えることもあります。
けれど、シヌグの心を思い出すたびに、
“人は自然と共にあり、支え合って生きてきた”という当たり前のことに気づかされます。
私の店が、そんな心を分かち合える場所でありたい。
地元の食材を通して、沖縄の豊かさと祈りの文化を伝えていけたら――
それが、私にとっての「現代のシヌグ」なのかもしれません。
🌿 あとがき
シヌグは、ただの伝統行事ではなく、今を生きる私たちへの“生き方のヒント”でもあります。
祈ること、食べること、笑い合うこと。
それらを大切にできる社会でありたいと願います。