業種が変われば、必要な士業も変わる――建設業・製造業で大きな差が出る“士業活用”のリアル(佐藤彗斗)
業種が変われば、必要な士業も変わる
――建設業・製造業で大きな差が出る“士業活用”のリアル(佐藤彗斗)
法人向け保険営業として、私は46歳になった今も現場に出続けています。
理由は明確で、
「経営の課題は業種によって大きく違う」
ことを現場で痛感し続けているからです。
同じ“企業”でも、建設業と製造業では抱える課題が全く異なり、
必要になる士業の力も変わります。
ここでは、業種別に どの士業が、どんな場面で経営を支えられるのか を整理します。
◆ 建設業 × 士業活用
建設業は、
「人」「安全」「許認可」 の3つが経営の生命線です。
そのため、士業の関与で“トラブル予防”と“成長スピード”が大きく変わります。
■ 社会保険労務士:労務トラブルの最前線に強い
建設業は 労務の複雑さ が他業種より突出しています。
● よくある建設業の課題
- 長時間労働・変形労働制の管理が曖昧
- 現場間で残業実態がバラバラ
- 安全衛生管理が属人化
● 活用例
ある建設会社では、月ごとの労働時間管理に課題があり、
社労士を交えて 「現場別の労務管理体制」 を再構築。
結果、残業代請求リスクが激減し、社員の定着率も改善しました。
■ 行政書士:許認可のミスが“仕事を止める”
建設業では許可更新の遅れや要件不備は 売上停止リスク に直結します。
● よくある課題
- 建設業許可の更新期限に気づいていない
- 経営管理責任者や専任技術者の要件を誤解
- 新規事業(解体工事業など)の許認可対応が遅い
● 活用例
許可更新のギリギリで相談を受け、行政書士が即時対応。
必要書類が整い、更新期限内に無事完了。
「許認可で会社が止まる怖さ」を社長に実感いただいた事例です。
■ 中小企業診断士:粗利改善の“構造”を見抜く
建設業は案件ごとに利益率が大きく変動します。
● よくある課題
- 現場ごとの原価管理が曖昧
- 社員の工数が見えない
- 利益の出る案件の傾向が分析されていない
● 活用例
診断士が案件別収支を分析した結果、
「利益の出ないパターン」が可視化。
その後の受注判断が改善し、
1年で粗利率が2〜3%向上。
◆ 製造業 × 士業活用
製造業は、
「設備」「品質」「人材」「補助金」 がキーワード。
建設業とは違う専門リスクを抱えています。
■ 税理士:設備投資の意思決定を最適化する
製造業は設備投資の金額が大きく、財務判断が難しい業種です。
● よくある課題
- 減価償却の理解不足
- 設備投資のタイミングが不適切
- 補助金を絡めた財務戦略がない
● 活用例
税理士がキャッシュフローと減価償却の視点で分析。
さらに補助金を併用することで、
数年先までの財務負担が軽くなり、投資スピードが上昇。
■ 行政書士(補助金):成長スピードを一気に上げる
製造業は補助金の対象になりやすいですが、要件が複雑です。
● よくある課題
- 要件書類の準備が煩雑で断念
- “なんとなく申請”して落ちる
- 補助金の種類を把握していない
● 活用例
生産ライン改善に取り組む製造業に行政書士を紹介。
事業計画書の作成支援を受け、
数千万円規模の補助金を獲得。
設備更新が一気に進み、受注能力が向上しました。
■ 弁護士:製造業特有の契約・事故対応に強い
特に製造業では、製品責任(PL)リスクが存在します。
● よくある課題
- 納品先との責任範囲が曖昧
- 下請けとの契約書に抜け漏れ
- クレーム対応方針が定まっていない
● 活用例
納品トラブルが連続した企業に弁護士を紹介。
契約書の責任範囲を明確化し、
クレーム対応の手順書も整備。
トラブル件数が目に見えて減少しました。
◆ なぜ「業種と士業」を結びつけるのが保険営業に向いているのか
私は現場に出続けることで、次のことを確信しています。
✔ 会社の課題は業種によって決まる
✔ 社長の悩みは日常の会話に滲み出る
✔ 士業の力を“どの領域に入れるか”で成果が変わる
法人保険営業は、社長に最も近い立場。
だからこそ、
「今、この業種のこの会社には、どの士業が必要なのか?」
を判断できるポジションにいます。
これは、誰にでもできることではありません。
◆ 最後に──業種ごとに違う“最適チーム”をつくることが営業の価値
建設業には「許認可+労務+原価管理」。
製造業には「財務+補助金+品質・契約」。
業種が変われば、必要な士業の組み合わせは全く変わります。
そして私は、
そのチームを編成する“経営コーディネーター”として動く。
これこそが法人保険営業の本質的価値だと確信しています。