【前嶋拳人】朝の道に潜む小さな革命
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いつもの通勤路を歩いていると、ふと道端の草の間から小さな光を見つけた。それは朝日を浴びた露の粒で、宝石のように輝いていた。普段なら何気なく通り過ぎる場所だが、その瞬間、世界が一瞬だけ静止したように感じられた。足元にある小さな自然の存在が、まるで「今日を始める準備をしなさい」と囁いているかのようだった。
歩きながら考えたのは、私たちの仕事やプロジェクトも、同じように小さな兆しや変化に気づくことで大きな発展につながるのではないかということだった。日常の中での小さな発見や改善が積み重なることで、組織やチームの未来は予想もしない形に広がっていく。私たちはつい成果や結果だけに目を向けがちだが、目の前の「微細な変化」を無視することは、潜在的な成長のチャンスを見逃すことに他ならない。
その日の通勤中、私は会社の近くにある小さなカフェに立ち寄った。店内の空気は柔らかく、窓から差し込む光が木の葉の影を床に落としていた。そこで出会った店員の何気ない気遣いや、カウンターの配置ひとつが、店全体の雰囲気を心地よくしていることに気づいた。組織も同じで、些細な配慮や工夫が積み重なることで、働く人々のモチベーションやチームの調和に大きな影響を与えるのだと実感した。
オフィスに着く頃、通勤中に見つけた小さな光や気づきが、頭の中で一つの「仕事の哲学」として整理されていた。プロジェクトの進め方、チームのコミュニケーション、日常業務の改善、どれも小さなステップの積み重ねによって大きな成果につながることを、改めて思い知らされた。
結局、私たちが目指す成長や革新は、決して大きな瞬間だけから生まれるわけではない。日常の中に潜む小さな「気づき」と、それを丁寧に拾い上げる姿勢こそが、未来の可能性を広げる鍵なのだ。朝の通勤路に落ちていたほんの一粒の露の輝きが、私にそんなことを教えてくれた気がした。