完成後のアフターケアで心がけていること
完成後のアフターケアで心がけていること
──向井聡一・一級建築士としての責任
家は「完成した瞬間」がゴールではありません。
むしろ、お客様が新しい暮らしを始めたその日から、建物の“本当の役割”が始まります。
私自身、独立してから特に強く意識するようになったのが **「アフターケアの質」**です。
今日は、建物お引き渡し後に私が心がけていることをまとめてみます。
◆ 1. まずは“住み始めてからの違和感”を聞く
どれだけ綿密に設計しても、実際に住み始めてみると
「ここはこうした方が良かった」
「想像と少し違った」
という感覚が出てくるものです。
私は引き渡し後、
- 数ヶ月後の点検
- 1年点検
- 適宜の訪問
のタイミングで、**暮らし始めてからの“リアルな声”**をお聞きするようにしています。
小さな違和感でも気軽に言っていただける関係でいたい、
それがずっと大切にしている姿勢です。
◆ 2. 不具合や気になる点は“即対応”を意識
アフターケアで最も大切なのは スピード だと考えています。
- 建具が少し下がってきた
- ドアの閉まりが悪い
- 壁紙の隙間が気になる
- 設備の調子が悪い
こうしたケースでは、
まずは “すぐ見に行く” ことを徹底しています。
原因が施工側なのか、設備の初期不良なのか、使用状況なのか──
丁寧に状況を整理し、最短で解決へとつなげることを心がけています。
◆ 3. 住まい方のアドバイスも含めてケアする
建物は、住まい方によって状態が大きく変わります。
- 換気の仕方
- 断熱材の効果を生かす窓の使い方
- 結露の予防
- 清掃・メンテナンスのタイミング
- 設備機器の正しい扱い方
私は単に「直す」だけでなく、
“より快適に暮らすための知識” を一緒にお伝えするようにしています。
家は“買うもの”ではなく“育てるもの”。
その意識を共有できると、住まいはぐっと長持ちします。
◆ 4. 長期的な視点で家を見守る
家は10年、20年と時を重ねる存在です。
- 外壁の劣化
- 屋根材の状態
- 水回りの交換タイミング
- 給湯器など設備の寿命
- 構造上の点検
こういった“長期で必要になるメンテナンス”についても、
できるだけ早い段階からご説明し、
無理なく続けられるメンテナンス計画 を一緒に考えるようにしています。
◆ 5. お客様が質問しやすい関係性をつくる
アフターケアの質は、建物の性能だけでなく、
“建築士とお客様の距離感” に大きく左右されます。
- 小さなことでも遠慮なく相談できる
- 気になることがあればすぐ連絡してもらえる
- 施工後も安心して頼れる存在である
こうした関係性こそ、長く住まいを守るための土台だと感じています。
「何かあったらすぐ言ってくださいね」とお伝えし続けるのも、私なりのこだわりです。
◆ 6. “責任の終わらない家づくり”という考え方
私が建築士になった理由は、
「人が気持ちよく暮らせる空間をつくりたい」
その一心でした。
その想いは引き渡しの日で終わるわけではありません。
家づくりは、
お客様の暮らしに寄り添い続ける“長いお付き合い” だと考えています。
◆ まとめ
アフターケアは、建築の仕上げのようでいて、
実は新しいスタートでもあります。
- 違和感を丁寧に聞く
- 不具合は迅速に対応
- 暮らし方のアドバイスも伝える
- 長期的な視点で見守る
- 気軽に相談できる関係をつくる
この5つを大切にしながら、
これからも安心して暮らせる家づくりをサポートしていきたいと思っています。