「バリアフリーについて考える」
こんにちは。鹿児島市で設計・監理に携わっております、一級建築士の茂木貴継です。
これまで戸建住宅や小規模店舗、福祉施設など、**「暮らす」「働く」「集う」**を支える場づくりに取り組んできました。
今回は「バリアフリー」について、少し考えてみたいと思います。
「バリアフリー」は特別なもの?
バリアフリーという言葉を耳にすると、
「高齢者や障害のある方のための特別な配慮」と思われがちです。
しかし本来は、誰もが安心して、心地よく過ごせる空間をつくるための視点です。
小さな段差をなくすことも大切ですが、
たとえば「靴を脱ぎやすい場所があること」や「自然光の入り方で安心感が増すこと」も
生活のバリアを取り除く工夫のひとつだと考えています。
暮らしの中にある“声なき声”
私はこれまで、多くのお施主様と対話を重ねてきました。
そのなかで感じるのは、
「ちょっとした不便」や「うまく言葉にできない違和感」が
実は日々の暮らしに大きく影響しているということです。
だからこそ、設計に携わる私たちが耳を澄ませ、
その声なき声を形に変えていくことが大切だと考えています。
これからのバリアフリー
バリアフリーは“完成形”ではなく、時代とともに育っていく考え方です。
子どもからお年寄りまで、地域の誰もが心地よく過ごせる場をつくること。
それが結果的に、豊かな地域社会を育むことにつながるのだと思います。
これからも鹿児島の地に根ざしながら、
ひとつひとつの設計に「安心」と「やさしさ」を込めていきたいと思います。