朝の出社時間、いつものようにデスクに向かう途中、ふとオフィスの窓際に置かれた観葉植物に目が止まった。葉の先端がほんの少し黄色くなっている。誰も気に留めない小さな変化に、私は不思議と心を奪われた。観葉植物の手入れは、清掃スタッフの仕事のひとつだと思っていた。しかし、その葉の変化が、チームの働き方を象徴しているように思えたのだ。
チームワークとは、ただ全員が同じ方向を向いていることだけを意味するのではない。それぞれの役割が少しずつ、しかし確実に影響を与え合い、組織全体が健康に保たれることだ。植物の葉の色が変わるように、一つの小さな変化は見過ごされがちだが、積み重なれば大きな結果に繋がる。私はその瞬間、日々のチーム内での些細な行動やコミュニケーションが、思った以上に重要だと実感した。
その日のミーティングでは、普段ならスルーしてしまう意見や提案に、私は意識的に耳を傾けた。すると驚くほどチームの視点が広がり、新しいアイデアが次々に生まれる。植物の葉の変化をきっかけに、私は自分の心の在り方も少し変わったのだ。気づかない小さな変化や声に目を向けること、それがチームの成長に直結する。
ランチタイムには同僚たちとその話題を共有した。最初は笑いながら聞いていた人も、徐々に「なるほど」と頷く。オフィスの片隅にある観葉植物が、チームの意識を変える小さな触媒になった瞬間だった。日々の業務やプロジェクトだけではなく、些細な気づきを大切にすること。それこそが、組織を柔軟に、そして強くしていく鍵なのだ。
帰宅後も、私はふと今日の観葉植物を思い出す。葉の色を見ただけで、チームの状態や自分の姿勢まで振り返ることができる。仕事の中の小さな変化に敏感であること、そしてそれを共有することが、これからの私の目標になった。観葉植物が教えてくれたのは、表面的な協力ではなく、見えないところで支え合うチームの本当の価値だったのだ。
今日もオフィスの片隅で、誰かがふと葉の変化に気づくかもしれない。そんな瞬間が、チームの未来を少しずつ変えていくのだろう。