<大嶋淑之・新潟>映像制作における”無駄な時間”こそ、最も重要な時間だった
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こんにちは、大嶋淑之です。
映像制作という仕事は、創造性と技術が求められる、非常に集中力を要する作業ですが、その一方で、意外な時間が「無駄な時間」として過ごされることがあります。しかし、最近その「無駄」こそが、実は制作において最も重要な部分だったと気づくことが多くなりました。
それは、アイデアを練る時間だったり、ぼんやりと映像を眺めている時間だったりします。どんなに技術が進化しても、心の中に明確な「ビジョン」がないと、映像はただの映像でしかありません。技術や構図が完璧でも、伝えたいメッセージが曖昧だと、それはどうしても「心に残らない映像」になってしまいます。
最初の頃、映像制作をしていたとき、クライアントから「これ、使えないですよね?」と言われたときのことを、今でも鮮明に覚えています。すごくショックでしたが、その一言があったからこそ、自分の仕事への向き合い方が大きく変わりました。それまで私は、ただ「映像を作る」という技術的な部分に集中していたんです。でも、そのときに気づいたのは、「伝えること」の大切さです。映像には、ただ美しい風景や映像的に素晴らしい構図を詰め込むだけではなく、視聴者にしっかりと「伝わるメッセージ」が必要なんだということ。
その後は、映像を作りながら「どうすればこのシーンが伝わるのか?」と自問自答する時間を意識的に設けるようにしました。時には、完成までに数日、数週間かかることもあります。でも、その無駄とも思える時間こそが、映像制作の本質的な部分を掘り下げていくために必要なものだと感じています。
たとえば、仕事の合間にふと歩いているとき、あるいはカフェでぼんやりと外を眺めているときに、何気ないアイデアがひらめくことがあります。これは新潟の自然や風景、日常の小さな瞬間から得られるインスピレーションが大きいです。新潟の田んぼや山々の風景を見て、「あ、こういう色のトーンが映像に合いそうだ」とか、「こういう雰囲気の音楽を合わせれば、視聴者にもっと響くかもしれない」といったひらめきが湧いてきます。
新潟の穏やかな時間と空気の中で、慌ただしい東京のような「競争」や「時間に追われる感覚」を一旦リセットすることができるのは、この地での大きなメリットです。都会に比べて確かに物理的に「不便」なこともありますが、逆にそれが私にとっては、心の余裕を持って映像制作に向き合える環境を作り出してくれています。
最近では、映像制作のスピード感が重要視される場面も増えてきていますが、クオリティを落とさずにスピードも追い求めるために、僕自身も日々工夫しています。必要な時間を確保しながら、クリエイティブな部分に集中できるように。そんな環境を作るために、自分がどう時間を使うか、どう仕事を進めるかをもっとシンプルに、でも丁寧に考えるようになりました。
また、映像制作には「チームワーク」も欠かせません。最近では、撮影の際に新潟の地元のスタッフとも連携しながら、ローカルな要素を取り入れた映像作りに挑戦しています。こうした協力によって、単なる映像制作以上の価値を生み出すことができると確信しています。
今後も、映像を通じて、もっと多くの人に感動やメッセージを届けていきたいと考えています。まだまだ改善点は多いですが、何よりも「無駄な時間」や「自分との対話」を大切にして、これからも成長していきたいと思います。
映像制作における"無駄な時間"が、実は一番の成長の時間だった、そんな気づきを得たここ数年。これからも、その「無駄」を大切にして、より良い映像作りに邁進していきます。