クルージングヨット教室物語238
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「すごく楽しかったんだって!」
麻美子は、夕食の時に隆へ伝えた。
「どうしたの?」
「明子ちゃん。明子ちゃんが日曜日にヨット初めて乗ったでしょう?あれが楽しかったって」
「そうなんだ。明子ちゃんから電話があったの?」
隆は麻美子に聞いた。
「うん。明子ちゃんのお母さんから電話があって」
「お母さんから?」
「今回の、うちの横浜のマリーナでのクルージングヨット教室だけど、本人が横浜市報で見つけて行ってみたいと言われて応募したんですって」
麻美子が隆に伝えた。
「始めね、お母さんとしては明子ちゃんがヨットに行くの反対だったみたいなの」
「そうなんだ。なんで反対してたんだろうね」
「ほら、明子ちゃん静かなおとなしい子でしょう。心配だったんじゃないの」
「それが日曜日に帰ってきてから、ずっと嬉しそうにヨットの話ばかりしているんだって」
「ほお」
「それで、お母さんがめちゃ喜んじゃっているみたいで・・」
麻美子は隆に言った。
「なんか、明子ちゃんのこと、いつも家からマリーナまで車で送迎しているじゃない。それも、お母さん的には安心できているみたいよ」
麻美子が隆に伝えた。
「そうなんだ」
隆は麻美子に答えた。
「それじゃ、うちの理事長の松浦さんが大正解だったんじゃない」
「え、どうして?」
「だって、松浦さんにラッコの配属にしないかって言われて、明子ちゃんってうちの船に来たんだろう」
「そうだね」
「ほかのヨットだったら、車での送り迎えなんかつかなかったよ」
「そうね」
「麻美子のおかげじゃん!」
「そんなことないよ」
麻美子は、隆に言われてちょっと照れていた。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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