クルージングヨット教室物語234
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「すごいです!すぐに結べてしまって・・」
陽子がバウでアクエリアスの生徒たちに褒められている時、隆はスターンにいた。
「後ろの舫いロープを、陽子みたいに取って結ぶんだ」
明子は、隆に言われて、中村さんが投げた舫いロープを掴んでいた。
「それをクリートに結ぶんだ」
隆に言われて、明子はクリートにもやい結びをしようとしていた。といっても、うまくもやい結びが出来ずに、ロープで輪っかを作ったりしていた。
「そうじゃないよ。クリートに直接結ぶんだ」
隆に言われたが、明子はよくわからないでいた。
「先週、頑張ってたもやい結びをしようとしているんだよね」
キャビンから出て来た香織がフォローしていた。
「もやい結び?」
「明子ちゃん、クリート結びっていうのをするんだよ」
香織が明子からロープを受け取り、クリートにクリート結びしていた。
「ぐねぐねって結んじゃうの?」
「そうよ。クリート結びっていうのよ」
香織が明子に言った。
「そんな結び方、初めて知った」
「そうだよね。覚えておいてね」
香織は、明子の頭を優しく撫でてあげた。
「いや、クリート結びも先週やっているはずだよ」
「そんなこと言われても、いっぺんには覚えられないよね」
隆が言ったが、香織はフォローしてあげていた。
「おでん出来たよ!」
キャビンの中から麻美子がデッキにいる皆に向かって叫んだ。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など
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