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クルージングヨット教室物語211

Photo by Ingmar H on Unsplash

「そうだね。そこの穴に立てて、マストを立てるんだね」

香織は、ジュニアヨット教室の生徒たちとOPの艤装をしていた。

「じゃ、お姉ちゃんがこちら側を持つから、2人で向こう側を持ってくれる」

陽子がしょうねん2人と艇庫にあるOPの船体を持ち上げた。

「待って!待って!おいらも、お姉ちゃんと一緒にこっち側を持つよ」

別の少年がやって来て、陽子の持っている側の船体を一緒に持ち上げてくれた。

「ありがとう」

陽子は、その少年に言った。

「でも、お姉ちゃんは大丈夫だから、向こうの子たちが持っているのを手伝ってあげてくれる」

「ううん。女の子は力が無いから、重いものを持つときは男が手伝ってあげないといけないんだ」

「あら、そうなの」

「うん!お母さんにいつも言われているもん」

少年は、陽子に返事した。

「そうか。じゃあ、お姉ちゃんと一緒に運ぼうか」

陽子は、後から来た少年と4人でOPを艇庫から表に運んでいた。

なんか最近は、会社でも女の子は力が弱いから運んであげるなんて言葉もすっかり言われなくなったし、

「なんか可愛いな」

陽子は、一緒に運んだ少年たちのことを眺めていた。

麻美ちゃんがいつもここのヨット教室の子たち見てかわいいっていう気持ちわかると思っていた。

「お姉ちゃん、私たちのOPも一緒に運んで」

「良いわよ」

今度は、ヨット教室の女の子たち3人に声をかけられた。

「女ばかりだけど、運べるかな」

さっき、男の子たちとの会話を聞いていた女の子が陽子に聞いた。

「女の子だって、それなりに力はあるもの!運べるわよ」

陽子は、その女の子に返事してあげた。

「女の子でも力がある人ー?」

「はーい!」

陽子が質問すると、女の子たち全員とも大きな声で返事していた。

「よし!女の子たちだけでヨットを運ぶぞ!」

「おおっ!」

陽子は、女の子たちと一緒に艇庫のヨットを運び出していた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」「文筆のフリーラン」「魔法の糸と夢のステッチ」など

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