ジュニアヨット教室物語36
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ピーーーー!
片桐先生の吹く笛の音が響いて、愛菜のヨットは1番でゴールした。
ピーーーー!
愛菜に続いて、2番目にゴールした洋ちゃんたちのヨットにもゴールの笛を吹いてもらえた。
「ああ、負けちゃった」
洋ちゃんは、健ちゃんに悔しそうに言った。
「まあ、仕方ないですよ」
それほど、ヨットレースの結果には興味ない健ちゃんは、サバサバしていた。
「そのまま、マリーナに戻っていいぞ!」
片桐先生は、1番でゴールした愛菜たちのヨットに向かって叫んでいた。
「もう戻るんですか?」
「ああ、お昼の時間だから午前中はこれで終わりだ」
片桐先生は、愛菜たちに答えた。
「はーい!」
愛菜と妹の由佳が乗るヨットは、横浜のマリーナに向かって戻っていった。
「タック!」
タックをすると、洋ちゃんたちのヨットも、片桐先生のボートの脇を通った。
「お前たちも、マリーナに戻れ!」
ボートの横をすり抜けると、片桐先生が洋ちゃんたちにも声をかけた。
「お昼だ!戻ったら、お昼休みだ!」
片桐先生に言われて、洋ちゃんは針路を横浜のマリーナ方向に向けた。
「お昼だってさ」
「戻れるんですね」
相変わらず、ヨットから降りられることが嬉しそうな健ちゃんだった。
「お昼を食べ終わったら、また午後から乗ろう」
洋ちゃんの方は、レースでノーマークだった愛菜に負けたことが悔しそうだった。
「午後からのレースでは、絶対に愛菜たちを負かそうな」
と健ちゃんに伝える洋ちゃんだった。
主な著作「クルージングヨット教室物語」「ジュニアヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など
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