【菌根菌が地球の気候を変える】
最近、菌根菌に夢中なんですけどもー
菌根菌って知ってるー?
夢中っていっても、可愛いとかそういうことじゃなくて
知りたい欲が爆発してるかんじ。
植物ってさ
根っこから水や養分を吸収して、茎や葉っぱに送ることで花が咲き、実がなる。
だから植物は見えてない部分の根っこが大事なんだよ。
って習ったと思うんだけどー。
実はこの根の働きは、
植物自身だけで行われているわけじゃなくて
根の中には菌根菌っていう菌類が棲んでいて、植物の根が養分を吸収するのを助けているんだってー。
森の木にも、草原の草花にも、畑の作物にも、
植物の9割以上が依存しているそう。
知らなかったよねー
で、本題は
その菌根菌さんたちの能力がスゴいってことなんですよー。
菌根菌は、植物が必要とする窒素の80%、リンにいたっては100%を与えることができる
みたいなんだけどー。他にも亜鉛や銅など重要な栄養素を植物に提供するし、水分を与えて植物が干ばつを生き延びられるようにもするんだって。有能すぎ。
お返しに、
植物は炭素化合物や糖類を与えるみたい。
(大気中から得た炭素の最高で30%を菌類パートナーに与える)
しかも、太古の昔からすでに植物の繁殖は菌類パートナーに依存していたんだって。
むかーしむかし
約4~5億年前、とある藻類と菌類が出会って植物は水を出て陸に上がったとさ。
これが陸生植物の祖先ね。
この時、大気中のCO2濃度は現在の20倍以上であったんだってー。こわすぎ。
菌根菌からリンを与えられた植物はより早くより大きく成長して、より多くの大気中のCO2を吸収しましたとさ。どんぶらこ、どんぶらこ。
こうして多くの植物が生まれ死に、多くの炭素が土壌と堆積物に蓄積され、大気中のCO2が減りました。
また、菌根菌は硬い岩石にも穴を穿つようで。強すぎ。
それにより植物はカルシウムやミネラルを得ることもできましたとさ。さらにそれらは海へも流れていき。どんぶらこ、どんぶらこ。
海洋生物が貝殻をつくる元となり、死んだ貝の貝殻は海底に堆積し、炭素の埋葬地となる。
全ての出来事が相まって、気候が変動し始める。
結果として植物が繁茂し大気中のCO2の量が90%減少したそうだ。すごいよねー。
書籍の中では
気候モデルに、植物が効率のよい菌類パートナーと組んだ場合の「共生効率」を組み込む実験を行っていたんだけどー。
シミュレーションの結果、共生効率を調整するだけで地球全体の二酸化炭素と酸素の量、地球の温度が変わったのー。
つまり、
菌根菌が二酸化炭素の減少に貢献する
ってこと。菌の力恐るべしだよねー。
でもねー
近代の工業的農業によって、耕されたり、農薬を散布されたりして疲弊した土壌には、菌根菌が棲みつきにくくなっているんだって。
これは残念ー。
残念なことではあるけれどもー、
土壌を整えて良い感じに菌根菌が棲みつけば農作物がよく育ち、病気にも強くなるみたいなの。
しかも菌根菌の種類によっては、
イチゴを甘くしてくれたり、
ミントのエッセンシャルオイル成分が変わったり、
パンの香りを濃くし、もちもちパリッとした食感を生み出す小麦にしてくれることもあるんだって。
面白いよねー。これは研究室レベルの話だから実現性あるかは別なんだけど、これでいろんな農作物つくりたいよねー。
あとねー。
「菌根ネットワーク」の話も驚きだったのー。
菌根を持った樹木は、その菌糸によって地中で他の樹ともつながってて、互いに炭素や栄養のやり取りを行っているんだってー。
2016年に発表されたある論文では、
森林1ヘクタールあたり280kgの炭素が樹木間で移動することを示した。
って書いてあったよ。
もはや、森全体が無数の菌糸で結ばれた巨大な社会。
そのうち菌類もWi-Fi飛ばし始めるんじゃなかろうかって思うよねー。こわいよねー。
他にも、
チェルノブイリの原子炉に棲みついた放射線耐性を有する菌類や、地上で最も分解が難しい物質をも分解する菌類、火星の条件のシミュレーションに使われるほど過酷な南極大陸の乾燥地帯で大繁殖する菌類。
とかあって、
とにかく菌根菌に希望を感じたんだけど。
あとは本読んでねー。
説明しきれないから終わりー。