部下をもったらいちばん最初に読む本
あなたのマネジメントがうまくいかないのは、無免許運転をしているせい――。 部下をもってマネジメントを任されるようになり、プレイヤーからマネジャーになり、その仕事の変化に悩む人たちの声をよく耳にしますが、本書がその解決策として提案するのは、「マネジメントは技術。学べば誰もが習得できるもの」ということ。 ...
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Photo by Alex Kotliarskyi on Unsplash
経営者として部下を率いる立場になってから、日々のマネジメントに悩みは尽きません。
そんな中で出会った『部下をもったらいちばん最初に読む本』は、まさに自分の原点を見直すきっかけとなりました。
この本の魅力は、著者”橋本拓也”さん自身が「暗黒時代」と呼ぶほど苦しんだ経験を赤裸々に綴りながら、そこからどうやって“人を育てる”マネジメントにたどり着いたのかを、実体験ベースで語っている点です。
僕自身も、現場で働く立場としては結果を出せても、マネジャーになった途端に思うように成果が出ず、部下との関係に悩んだ経験があるので、共感しながら読み進めました。
本書が提唱するリードマネジメントは、部下の「自分の中から自然と湧き上がる“やりたい!”という気持ち」を刺激し、自分で目標を立てて、そのために努力するような、成長を促すアプローチです。
従来の「管理する」「指示する」マネジメントではなく、部下自身が自分の意思で動きたくなるような環境を整えることに重きを置いています。
「人は変えられない。でも人は変われる」という考え方は、経営者としても非常に腹落ちするものでした。
また、マネジメントの技術を「リーダーシップ」「成長支援」「水質管理」「委任」「仕組み化」の5つに分けて、それぞれの技術について具体的な事例や実践方法が紹介されています。
例えば、「水質管理」とは、チームの雰囲気や人間関係を良好に保つための技術です。
経営者の立場からすると、業績や数字ばかりに目が行きがちですが、実は“空気”を整えることが組織力向上の土台になると改めて気づかされました。
さらに、著者が所属するアチーブメント社で実際に行われているマネジメントの実例も豊富に紹介されており、理論だけでなく現場でどう活用するかのイメージが湧きやすいのも特徴です。
僕は本書を読みながら、自社のマネジメント体制や育成制度を見直し、すぐに取り入れられる部分から実践していこうと思いました。
「マネジメントは免許制であるべき」という著者の主張も印象的でした。
多くのマネジャーが、十分な知識や技術を持たないまま現場に放り出され、我流で苦しんでいる現状に対し、「学べば誰でも身につけられる技術」として体系化されているのが本書の強みです。
僕自身も、これまで経験則や前任者のやり方を真似てきましたが、体系的に学び直すことで新たな発見がありました。
本を読んだり研修を受けただけではマネジメントは身につきません。
経験を振り返り、学びを積み重ねることが不可欠だというメッセージも、経営者として共感しました。
うまくいかないことも多いですが、諦めずに実践し続けることが大切だと背中を押してくれます。
この本は、マネジメントに悩む全ての人の“伴走者”になってくれる一冊です。
自分のやり方に迷ったとき、立ち止まって読み返すことで、必ず新しい気づきが得られるはず。
経営者として、そして一人の人間として、部下と共に成長していくためのバイブルとして、これからも手元に置いておきます。
それでは今日はこの辺で。
住谷知厚(すみたにともひろ)
<参考>
◆参考HPタイトル