「世界が自然と良くなる」いちばん大切なこと
それは「事業の目的が何か」に尽きる。
例えば社会を良くすることも含まれているハイブリッドな企業の事業目的が「顧客にとっても、途上国の生産者にとっても、良いモノを届ける。」である場合、事業目的は「自社としてこうしたい」という自己完結型となるだろう。こちら側からの視点として「やってあげる」、あちら側の視点として「やってもらう」という概念が出る。
そして例えば同じような目的の企業が出てきた場合には、ある意味でその中でのパイの奪い合いにおける脅威、競合、もしくは、自分は自分という風に捉えてしまう。その中でどうすれば顧客に自社を選んでもらえるのか、アピールできるのかという発想が、活動の着想となる。
一方、ノーベル平和賞を受賞した「貧しい人のための銀行」であるグラミン銀行の事業目的「貧困の無い世界を創る。世界から貧困を無くす。」、パタゴニアの「We’re in business to save our home planet. 」の場合、全ての活動が純粋に、自社の枠組みを超えた目的そのものにフォーカスがあたっている。事業(ビジネス)自体は、あくまで目的を達成する為の一、手段という捉え方になり、同じような目的の企業が増えることは、むしろ目的達成に近づく喜ばしい出来事であり、同じような会社が増えるよう広める活動もするだろう。それらの会社は互いに目的を達成するための仲間なのだから。
そして買う人は、それを自然と「本物」と感じる。
自分・自社というエゴを超えた、その差は想像以上に大きい。例えばフェアトレード認証があったとしても、事業の目的が前者なら、それが消費者にも自然と伝わる。SDGsへの取り組みしかりだ。それが、社会的企業と営利企業の違いであり、ティール組織とグリーン企業以下の違いとも言える。