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Wantedly Journal | 仕事でココロオドルってなんだろう?

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「ドラえもんの世界」を近づけたい-ハンズラボ代表、長谷川秀樹の情熱的な仕事観に迫る

未来を少しでも近づけるため、不器用だからこそ“本気で”働く

ハンズラボ株式会社

2016/12/27

東急ハンズの膨大な商品マスタを扱ってきたというバックグラウンドを強みに、小売業向けITソリューションを提供するハンズラボ株式会社。代表取締役である長谷川 秀樹(はせがわ ひでき)さんにお話しを伺っています。

前編では、長谷川さんがハンズラボを立ち上げるに至った経緯と、会社で取り組んできた画期的な挑戦について語っていただきました。後編では、長谷川さんの「本気で働く」仕事観の源を探っていきます。

▶前編:V字回復に憧れ、転職を決意。ハンズラボ代表長谷川秀樹がもたらした革命とは

不器用だからこそ、熱く

ハンズラボの自社ブログでは、長谷川さんがIT業界の要人とエンジニアの未来について対談する企画『IT酒場放浪記』を更新中。お酒を酌み交わしながら本音を語り合うということで、その会話からは長谷川さんの仕事観のみならず人生観もかいま見えてきます。

−長谷川さんがよく口にする「本気」というキーワード。これは長谷川さんの仕事観を表しているものなんでしょうか?

「そうですね。というのも、子供の頃って、受験勉強が良い例ですが地頭の良さが大きく作用するじゃないですか。でも社会に出たらそういう素養ってあんまり関係ないんですよ。本気でがむしゃらに頑張った人が結果を出せる世界なので、やる気の出しがいがあるんですよね」

長谷川さんは、本気で働くことで『正のスパイラル』に入れるのだと続けます。

「本気出して打ち込んでいると人が寄ってくる。人が寄ってくるとインプットが増えてまた良いアイディアに繋がるっていうのが『正のスパイラル』です。でも社会人って “本気”で “情熱をかけて” やっている人ってあまりいないんですよね。それこそ僕が東急ハンズに転職した直後みたいに、寝ても覚めても仕事のこと考えていて、目が覚めた瞬間に『良いアイディアが見つかったぜえええ!!!』というような熱さを持っている人がいない。だからちょっと本気でやればまあまあ勝てちゃうし、すごく本気でやればめちゃめちゃ勝てる世界だと思うんです」

「たとえば、『新規事業コンテスト』なんてものがよくあるじゃないですか。ああいうのも、だいたいの人は器用に企画書作って提出したら、あとは結果が出るまで座って待っている。これって本当に本気と言えるのかなと。極端な例ですけど、もしこのコンテストで優勝できなかったら死ぬとしますよ。そしたら提出後もぼーっと待ってなんかいないですよね。役員のところでもなんでも行って、なりふりかまわず『この企画はこんなところがポイントでこういう良さがあってこういうところがおもしろいんです! 絶対に成功させるのでぜひお願いします!』って言うと思うんです。でも、そこまでやれる人がなかなかいない」

さらに、長谷川さんはご自身の中学生時代を振り返ってこんなエピソードを聞かせてくださいました。

「僕は中学時代、卓球部に所属していたんです。3年生のとき、めちゃくちゃへたくそな1年生が入部してきて。サーブも入らなければ要領も悪い。愚直でまじめなやつだったんですがとにかくへたで、こいつはレギュラーは無理だなと誰もが思いました。練習にならないので、次第に誰も相手にしなくなって、彼はひとりでずっと壁打ち。かわいそうだけど、諦めるのも時間の問題だろうと思ったんです。

でも僕たちが引退したあと、久しぶりに顔を出してみたらそいつはまだ卓球部にいて。『先輩、相手してください!』なんて言うもんだから、気楽に『おう、いいよ』って言ったんです。そしたらもう、鋭いサーブがパーーン! って飛んできて。蓋をあけてみたら、そいつが一番うまくなってたんです。当時中学生なりに、『こいつは素養がないからもうだめだ』と決めつけた自分が本当に恥ずかしくなりました。努力や情熱が、何をも凌駕するんだなってそのとき思ったんです」

−そのときの体験が長谷川さんの情熱的な仕事観に繋がっているんですね。長谷川さんは、器用になんでもやってのけるタイプだったんですか?

「僕も器用なほうではないですし、素養もないです。だからこそ『やってやるぞー!』という気持ちになれるし思い切った政策も取れるのかもしれないですね。頭が良くて器用な人は、ミスをしない技術にはたけていても、自ら泥に手を突っ込んでリスクをとるということはなかなかしないものなので。僕はもうおもしろそうだと思ったらやっちゃいますから(笑)」

「未来を少しでも手前に近づけたい」

長谷川さんの持つ確かな決断力と求心力。それらを持ちながら、なぜ独立しないのかと問われることもあるんだそう。ですが、「仕事」の舞台としてハンズラボを楽しんでいる理由は明確でした。

「やっぱり個人ではできない規模感で結果が出ることですね。斬新な試みも、東急ハンズがやるから関心が集まるし、社会的なインパクトも与えられる。お客さんに、うちの事例が後押しになってクラウド導入を決めました、と言われると嬉しくなっちゃう(笑)」

とは言っても、長谷川さんの考え方はとてもフレキシブル。ひとつのことに固執するようなことはないのだと言います。

「去年一人旅をしたときに、自分の中で価値観がガラッと変わって。長期休暇を取って旅に出るというのも自分にとっては必要なことだなと思ったんです。それに僕は“複業”がすごくいいなって思っていて。全然種類の違う二つのことをやると、脳をめちゃくちゃ使う。メリハリがついて良いと思うんですけど、今の法律だと難しいんですよねえ…。自分も、会食の後とかにちょっくらバーテンダーとして働けたらいいのになって思ってるんですけどねえ(笑)」

−挑戦したいことがたくさんですね(笑)

「人にはよく生き急いでるって言われるんですけど、それは単純に残りの時間短くなってきたと感じるから。そっちの方がおもしろいと思うものがあれば、その直感に従うようにしているんです。歴史に名は残すような人物は一握りですし、自分がそうなれると思っているわけじゃないんですけど、せっかくの人生、自分なりに頑張ってやっていけたらいいなと」

−長谷川さんのように仕事を“楽しむ”秘訣はありますか?

「こう見えて昔は『お金を稼がないと生きていけないから働く』という考えだったんですよ。でも今は正のスパイラルに入れているのでもっと広い視野を持てています。よく社員にも『転職活動をしてこい』って言っているんですが、僕はたまにヘッドハンターと会うようにしているんですよ。『転職しようと思えばできるんだ』という手応えを感じることで、『何かを我慢してずっとここで働かなくてはならない』というこじんまりとした考えを持たなくなります。そうしたら仕事でもいろいろなチャレンジができるし、結果的にそれが成果にも繋がるんですよね」

最後に、長谷川さんにとっての「仕事」とは一体なんなのか伺いました。

「やっぱりテクノロジーの界隈で頑張ろうとしているわけなので、『ちょっとでも未来を手前に近づけること』ですね。この目でドラえもんの世界を見たり体験したりしてみたいんですよ。それに、未来を近づけることは社会的にも意義あることだと信じています。

それから、僕個人としては『本音を言える社会づくりへの一助がしたい』という気持ちもあります。僕自身、割と自由な性格でもあるので『大きい会社の人でもあんなこと言ったりやったりしていいんだ!』っていう姿勢を積極的に見せていきたい。僕のブログも、『えらい人も酒飲んでてええんや!』っていうメッセージです(笑)」

熱く語ったかと思えば、軽快な関西弁で笑いを取る。ころころと表情を変える長谷川さんの語り口に、気づけばすっかり引き込まれていました。

長谷川さんの持つ熱い信念と、それを裏付ける実績。でもそれだけじゃない。社員さんをはじめとして、長谷川さんのまわりに志をともに戦う仲間が集まるのは、そこに笑顔があるからなのだと感じました。

ハンズラボは今年4年目となり、初となる新卒採用も実施。着実に歩みを進めるその未来には、きっとドラえもんが手を振って待っていることでしょう。

Interviewee Profiles

Hideki Hasegawa
代表取締役社長, ロケスタ株式会社
1994年、アクセンチュア株式会社に入社後、国内外の小売業の業務改革、コスト削減、マーケティング支援などに従事。 2008年、株式会社東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。デジタルマーケティング領域では、ツイッター、フェイスブック、コレカモネットなどソーシャルメディアを推進。その後、オムニチャネル推進の責任者となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変革を推進している。 2011年、同社、執行役員に昇進。 2013年、ハンズラボ株式会社を立ち上げ、代表取締役社長に就任。(東急ハンズの執行役員と兼任) 2018年、株式会社メルカリ 執行役員CIO 2019年、ロケスタ株式会社 代表取締役社長
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