株式会社ディー・エヌ・エー / AI技術開発部
音声や動画像の低遅延AI処理を可能にする、機械学習モデル設計と実機向け最適化技術
リアルタイムグラフィックスやオンラインマルチプレイなど、低遅延処理が随所で求められるゲームにおいて「前フレーム計算結果の再利用」と「差分への着目」は今なお根幹をなす最適化アプローチです。例えばちらつき軽減を目的としたTemporal Filter、物理シミュレーションにおける後退Euler 法、クライアントサーバー通信におけるデルタ圧縮はその一例と言えるでしょう。またCPU-GPU間のデータコピーに伴うボトルネック解消のため、ゲーム機はUMAやX Velocity Architectureといったハードウェアレベルの進化を遂げました。 こうした計算結果の再利用やゼロコピーといった文脈で、新たに機械学習モデルを書き起こしたり、カスタムオペレータをC++で組んだり、あるいは実機に特化した低レイヤチューニングを施して低遅延の限界を追求したAIの開発事例は、皆さんにとって初耳の内容ではないでしょうか? 本セッションはこうした取り組みの中で培った技術を共有すると共に、音声と動画像という2つのドメインにおいて既存ミドルウェアでは得られないであろうAIの成果を、目や耳でわかりやすく体感できる形でお伝えします。