京都大学大学院(修士課程) / 情報学研究科 通信情報システム専攻
Data-Importance-Aware Bandwidth-Allocation Scheme for Point-Cloud Transmission in Multiple LIDAR Sensors
スマートシティにおいて期待されるスマートモニタリングについての論文。2020年11月の電子情報通信学会 研究会にて発表した内容に拡張方式を加え論文化しました。 ・背景 スマートシティではセンサーネットワークを通じて実空間情報を取得しており、リアルタイムに実空間情報を分析し、提供するアプリケーションが増大している。中でも3次元でデータを取得できるLIDARセンサーネットワークを活用したスマートモニタリングシステムはスマートシティの観点で期待されている。 ・課題 LIDARセンサーは、限られた通信容量を共有して、センサーからエッジサーバーに大量の点群データをリアルタイムで送信するため、遅延やデータの損失が発生し、情報が失われてしまう。 ・提案方式 LIDARセンサーによって送信される点群データの空間的重要性に従って、各LIDARセンサーに複数の点群圧縮形式を割り当てる帯域幅割り当て方式を提案した。空間的な重要性は、車、トラック、自転車、歩行者などのオブジェクトが存在する可能性を推定することによって決定した。(オブジェクトが存在する可能性が高い領域がスマートモニタリングにとってより有益であるため。) ・拡張方式 提案方式では、優先度の高い(低い)センサーデバイスは、重要度の低い(高い)データを送信する場合でも、帯域があまり割り当てられないという問題があった。そこで、拡張方式では、物理センサーデバイスごとに2つの仮想センサーがあると仮定し、点群データを重要度の高い領域と重要度の低い領域に分割し、重要度に基づき帯域を割り当てた。(オブジェクトが存在する可能性が高い領域を重要度が高い領域とした) ・結果 交差点で取得された実際の点群データセットを使用した数値調査で、LIDARセンサー間のデータ量の分布と、エッジサーバーが受信した点群データの品質がベンチマークに比べて提案(拡張)方式が向上した。また、拡張方式はベンチマークに比べオブジェクト分類の精度も向上した。