音声フィードバック情報の違いによる遠隔操作性能評価
卒業論文では,音声フィードバック情報の違いによる遠隔操作性能の変化の調査を行いました. 遠隔操作ロボットの需要の増加に対して,熟練したオペレータが足りていない現状を打破する操作支援について研究したく,この研究に取り組みました.そこから,様々な操作支援がある中で,自身の関心に近く,また従来の課題の解決のために注目をされていた音声フィードバックについて着目いたしました. 研究のアプローチとして,熟練者オペレータの教示軌跡を学習し,音声フィードバックの基準軌跡としました.その後,一般オペレータに基準軌跡を用いた音声フィードバックをした際のタスクを遂行させる実験を行いました.その結果,音声フィードバック情報として,具体的な指示と共に「その調子」と情報の提示を行うと,音声フィードバックがない場合と比較して基準軌跡との誤差を低減し,操作感を改善する傾向を確認しました. 研究を進めるうえで,評価方法について最も考えました.自身の関心の持つ,人間とロボットの関係性や対話というものを数値化するアプローチを考えるのは非常に難しく,関連する分野の論文を読むだけでなく,自然言語処理のアプローチから対話の構造についての学習も行いました.最終的に,対話をより簡単に,言葉に対する反応と解釈し,空間的な軌跡を用いることで定量的に落とし込むアプローチにたどり着きました. 実装の際にはPythonを用いたROSにより通信を行い,JACO2とSotaを使用して被験者実験を行いました.