明治大学 / 国際日本学部
「食から文化を学ぶってどういうこと?」を探究 ヨーロッパ3ヶ月旅
ゼミの研究テーマ「食の体験を通した異文化理解のワークショップづくり」を実施してきて2年目、4年生の夏休み。ワークショップをどのように改善していくべきかを考えていた日のこと。ふと、「私自身は、料理をして、対話をして、共に食べながら異文化を学ぶという経験をしたことがない」ということに気がつきました。 それならば、実際に体験したい!外国の家庭にお邪魔して、そこで一緒に料理をして食卓を囲むことで、どのように異文化のことを学ぶことができるかを知りたい! そう思ったら行動せずにはいられず、イタリアまでの片道の旅券を購入。 3ヶ月間ヨーロッパのご家庭にお邪魔させていただき、一緒に料理を作らせてもらう中で、食から異文化を学ぶということは何なのかを探究するという旅をしました。そして、私が見聞きしたことを誰かに届けたいと思い、各ご家庭での経験を記事にしていました。(添付URL) 旅に出る前は、国ごと・地域ごとの社会や文化を知れるだろうと思っていました。しかし、旅を続けていくうちに、「地域や国で文化はくくれるのか?」というモヤモヤが色濃くなっていきました。というのも、ある地域一体に共通する歴史・文化・社会の様相はそこまで見えてこなかったのです。むしろ、私が様々な方と料理をする中で見えてきたものは、ひとりひとりの暮らしの様子や想い、その人の人生のお話でした。何ひとつとして同じものはない、だからこそ、ひとつひとつのストーリーの愛おしさを肌で感じたのでした。 「食から文化を学ぶこと」についてとことん探究できた3ヶ月でした。 食を通して見えてきたものは、文化というものがひとりひとりに根付くものだということです。(文化に地域性があることも事実ですが。)家庭の食というレンズを通すことで、小さくて美しい人生の物語に触れ、私の心はとても豊かになりました。 また、今回の旅は、Airbnbのホストの方に「泊まった時に一緒に料理をしてくれませんか」と依頼したり、Facebook上で「どなたか私を受け入れくれませんか」と発信して、見ず知らずの私の依頼を受け入れてくださった方たちの支えがなくては実現できませんでした。 食から見えたある人のストーリーの温かさ、旅先での多くの出会いと優しさに触れて、「世界に溢れる温かい人の繋がり」に気づくことができました。