Haruka Takeda

以前、私は国際線の客室乗務員（CA）でした。当時のIT知識と言えば、3万円のノートパソコンでYouTubeを見る程度。そんなIT音痴だった私が、今ではShopifyのデザイン、コーディング、さらにはディレクションまでこなしています。この劇的な変化は、コロナがきっかけでした。 念願のCAになりましたが、現実は厳しいものでした。昼夜逆転の生活、時差、急激な気温変化による体力消耗は想像以上。さらに、海外拠点の外資系航空会社で働いていたため、ビザの問題による雇用の不安定さも常に感じていました。 自分で稼ぐ力をつけたいと思い、副業を始めることにしました。最初は、ステイ先で仕入れた商品をメルカリで販売し始めました。そして、月5万円の収入を達成。しかし、事業を拡大しようとしても、スーツケースがいっぱいで、これ以上仕入れを増やすことは難しい状態です。そこで、オンラインで中国からレディース服を仕入れ、販売するようになりました。利益はお給料を超えてきました。 順調だった矢先、コロナが発生。CAのフライトが全てキャンセルされ、無給休暇を強いられることに。副業の売上も急落しました。主に結婚式に参加する用のドレスを販売していたため、結婚式の中止が打撃となりました。 突然の空き時間を活用し、インスタグラムで今まで訪れた旅の様子を発信し始めました。驚くべきことに、7ヶ月で1万フォロワー、最終的に1.6万フォロワーを達成。全国のホテルからPR案件を獲得し、5つ星ホテルやスイートルームの宿泊体験もさせていただきました。しかし、全て無償の案件だったため、生活の足しにはなりませんでした。 そして最悪の事態が重なりました。航空会社から「今日で最後です」という電話が鳴り、さらにインスタのアカウントが不正アクセスで消失。こうして、わずかにあった収入源がなくなり、PR活動も中止することとなりました。 この窮地を脱するため、フリーランスの友人の勧めでHTML&CSSの学習を開始。初めは何が何だか分からない状態でしたが、3ヶ月間集中して学習に取り組みました。徐々に理解が深まるにつれ、サイトの仕組みに興味津々になりました。 さらに、オンラインでWebデザインの学習も始めました。実は、以前のインスタの活動でCANVA（無料オンラインデザインツール）を使用していた経験が、ここで活きることになりました。 学習を始めてから3ヶ月で、初めての仕事を獲得。そして、ベンチャーの貿易商社に採用されることに。デザイン、コーディング、英語のスキルを評価していただき、Shopify保守運用と海外メーカーとのコミュニケーションを担当することになりました。 10人以下の小さなベンチャーだったため、様々な業務をこなす機会がありました。Eコマース全体のプロセスを学び、輸入から、Shopify、Amazon、楽天での販売、顧客対応まで、幅広い経験を積むことができました。また、ShopifyのUI改善提案を行い、顧客の購買単価を1000〜3000円アップさせることにも成功しました。 副業では、Shopify関連の仕事が会社の給料を上回るようになり、入社からわずか7ヶ月後に独立を決意しました。現在では、15社以上のクライアントのShopify構築・保守運用を担当しています。 この経験から学んだのは、ピンチはチャンスを生み出すということです。失うものがないからこそ、大胆に挑戦できる。そして、どんな状況でも学ぶ姿勢と決意があれば、人生は変えられます。 現在の目標は、Shopifyを通じて日本と海外を繋ぐ架け橋になることです。今後もさらに挑戦を続けていきたいと思います。