上田智恵子
日本現代文学から鑑みる恨みの概念について
オックスフォード大学院での研究テーマ。 そもそもの発端は、学士時代のクラスで日本古典文学の恨みという授業で、その当時の恨みには必ず理由があったのにも関わらず、現代文学においては不特定多数を恨む現象が顕著となっていることに疑問を抱いたことであった。 しかし、研究を進めて行くうちに分かったことは、恨みを抱き、モンスター化する個体は女性に限られること、その背景には日本社会が根強く持つ家制度、家父長制度が根強くあること、また、世の中のデジタル化に伴い、そこは男女関係なく集団主義の中での個人、また孤立という文化的な矛盾が加わったことが分かった。