せん妄看護ケアの推進(早期発見、早期介入に向けて)
せん妄の要因として、先行研究の項目の一つに低酸素という表記がなされています。 これでは、何をもって低酸素とするのかや、基準値は何かが分からず、新人からベテランの看護師間でせん妄要因の抽出結果が異なることが、予測されました。 せん妄看護ケアの推進として、せん妄要因チェックリストを作成し、運用していました。 せん妄要因チェックリストは、先行研究であげられた項目に、基準値を加えたものです。 しかし、低酸素を表す検査項目やその基準値を、低酸素以外の要因においても記載しており、情報を収集して要因を抽出するのに時間を要しているという事象がありました。 これは、せん妄看護ケアの実践が早期に行われないことにつながります。 そのため、患者にあった介入を、早期に行うために、せん妄要因チェックリストを簡略化することにしました。 せん妄の有無を従属変数、せん妄要因チェックリストの項目を独立変数として、ロジスティック回帰分析を行いました。 これまで、情報収集が必要な検査などの項目は80以上でしたが、10項目まで減らしました。 今後は、患者個々のせん妄要因に対して、早期に介入されるかを評価することが必要となっています。 この取り組みを日本集中治療医学会総会で発表しました。