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2021年10月、ZOZOグループが展開するサービスの運用や技術開発を担っていたZOZOテクノロジーズの研究開発以外の全事業部門を、ZOZOに集約しました。
この組織再編は、ZOZOの企画部門とZOZOテクノロジーズの開発部門が融合することで、双方の連携をより強固にし、事業のさらなる高速化によるサービスレベルの向上と、ZOZOグループの価値向上を目指すものです。
現在も進行する大規模リプレイスプロジェクトや、開発とビジネスを融合する組織再編の先に、どのような未来を描いているのか。
ZOZOのエンジニア組織を率いる VPoE瀬尾に、“BizDevOps”な未来構想を聞きました。
【プロフィール】
瀬尾 直利(技術本部本部長 兼 VPoE / 2019年中途入社)
会津大学を卒業後、米メリーランド大学大学院を修了。光学機器メーカーにて組み込みシステムの開発に携わった後、2012年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。
2019年1月にSREスペシャリストとして株式会社ZOZOテクノロジーズ(現株式会社ZOZO)に入社。MLOpsチーム立ち上げ、OSSポリシー策定、ZOZOTOWNリプレイスプロジェクト等を担当。2022年4月よりVPoEに就任。現在は、技術本部 本部長兼VPoEとして全社の技術戦略策定やエンジニア組織開発を推進。
社外活動として、Ruby、 Fluentdのコミッターを務める。
革新的サービスと技術力を活かせるフィールドへの期待感
ZOZOに入社する以前は、ディー・エヌ・エーで、インフラの運用や自動化、Fluentdを用いたログ監視システムの開発やRailsアプリケーションの本番導入のための下周りの開発を担当していました。
一言でいえば、いわゆるWebエンジニアです。
そこからデータエンジニアリングを担当するようになり、分析用のWebアプリケーション開発、AWS、GCPを使ったAI基盤の構築などをおこなっていました。
振り返ってみると、領域を越境しながら幅広い業務を経験させていただき、とても貴重な時間を過ごさせてもらったと思います。
転職する意思決定をしたのは、エンジニアとしての幅を広げたいと考えたからです。まだ経験したことのない領域に飛び込んでみようと、転職を決めました。
具体的な転職先は決めていませんでしたが、BtoBの事業も経験してみたかったですし、トレンドのSaaSビジネスに携わるのも魅力的だと思っていました。経験したことのない環境に身を置くという意味では、外資系も選択肢の一つでしたね。
魅力的な企業が多い中、最終的にはZOZOに決めました。
転職軸のいずれにも当てはまっていないのですが(笑)、詳しく話を聞いたところ、自分の培ってきた経験や技術力をフル活用できると思いましたし、なにより革新的なサービスが生まれていくヴィジョナリーな土壌に強く興味を惹かれたからです。
当時、3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT」のリリースや物流拠点の仕分け作業自動化など、革新的な取り組みがされていたので、飽きずに長く働けそうだなと思っていました。最終的には、「この先なにが起こるか分からない」という期待感に突き動かされたんです。ファッションに関わる膨大なデータを所有し、ZOZOにしかできない独自の技術で業界の未来を変えていけるという点にワクワクしました。
「技術力のZOZO」と呼ばれる日まで
現在は、VPoEとしてエンジニア組織を率いながら、技術本部 本部長として、全社技術戦略の策定、ZOZOTOWNのリプレイスプロジェクト、データ・MLの実サービス展開をメインの業務として担当しています。
ZOZOTOWNがリリースされたのは17年ほど前で、それから当時の技術スタックを生かしたまま成長してきました。
ZOZOTOWNサービス開始時は、Microsoft社が提供する言語VBScriptで主に開発されていました。当時はモダンな言語でしたし、これを拡張して、未経験からでもエンジニアリングに挑戦できる開発環境をつくっていたんですね。
そのおかげで不足していたエンジニアのリソースを補うことができ、なおかつメンバーがキャリアを広げていける環境が整っていました。すでに持っている専門性の枠を超え、組織と個人の双方が活性化する仕組みをつくっていたのです。
サービスの成長に伴い、今後さらに多くのお客様に使っていただく未来を検討するフェーズに突入していきました。そして、より創造的な取り組みをしていくには、リプレイスが必要不可欠だという判断から、2017年にリプレイスプロジェクトが発足しました。
しかし、これは簡単なことではありません。
古い技術をリプレイスするのは、新しい技術でサービスを構築するよりも難易度が高いのです。私の肌感覚ですが、ざっくり倍以上の難易度だと思っています。
現在プロジェクトは、2017年の開始から5年が経過し、ようやく折り返し地点にたどりついたところです。全体の設計方針としてクラウド化・マイクロサービス化・技術のモダン化という3点を掲げ、各チームでの施策が着々と進行しています。
長い道のりにあっても、ようやくゴールが見えてきた背景には、エンジニアの技術力の高さ、そして、エンジニア組織の結束力があります。
ZOZOのエンジニア組織は、グループ会社の設立やM&Aを通して採用を強化し、エンジニアが存分に力を発揮できる組織づくりに力を入れることで、少しずつ技術力を向上させ、ビジネス部門と連携してサービスを成長させてきました。
以前は、技術的な負債が多く、テックカンパニーと呼ぶには満たない点もあり、まだまだ発展途上な組織でした。エンジニアが転職を考えたときに、ZOZOを選択肢に入れてもらえる機会は少なかったと思います。
現在のZOZOは、求職者の方から「高い技術力を生かせる環境」として認識してもらっていて、転職先の候補として、技術に魅力がある会社と天秤にかけてもらえるようにもなりました。
現在では、年に一度、開発に関わる各チームが取り組んだ事例を役員に対してプレゼンテーションする「成果発表会」や、一つひとつの業務の背景や目的を記録に残していくドキュメント文化、フルリモートワークの推進など、エンジニアが活躍するための文化・制度も根付いています。
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