これまでのもがきと探求の全てを、力に変えられると思った
大学時代、同期がコンペで次々と賞を取る姿を横目に、劣等感ばかりを抱えていました。そんなとき「建築だけじゃなく、その後の事業性まで見据える会社」があると知り、「これが自分の強みになるかもしれない」と思い、単身中国へ。日本支社への異動も経験しましたが、当時は話すのが苦手で、上司から厳しく詰められることも。一人でプロジェクトを任されることも少なく、自信が持てない日々が続きました。
「否定ばかりされてきたから、もう自分の思うようにやろう。」諦めの中でもがき、自分のアイデアをぶつけてみたところ、クライアントから「面白いじゃん」と言ってもらえて。自分がいいと思う気持ちを押し殺し殺す必要はなかったことに気づき、自分を信じられるようになりました。そして企画から営業まで一通りを担い、自分の力で物事を前に進める自信もつきました。
その後はいくつかの企業で働き、その都度課題を見つけ、自分なりに探求を重ねてきました。せっかく力を注いだ企画が他の組織に渡るとうまく機能しなくなることに悔しさを覚えたり、本音を言えない文化への違和感も痛感することも。事業を推進する力、自分を信じる力、そして組織文化への思いを武器に挑戦を続け、その先に出会ったのが、YADOKARIです。
トレーラーハウスをつくることはあくまで手段、地域の未来を豊かにする事業を
トレーラーハウスを使って場を作ることは、あくまできっかけ。大切なのは、YADOKARIが、地域とどんな新しい関係性を紡ぎ、地域の人の未来をつくり、暮らしを豊かにする事業を生み出していけるかだと思っていて、その先の風景まで見据えて場の開発を進めています。
そう思う背景には、自分の地域での暮らしがあるんです。今は子どもの保育園の友人家族と畑をやっているのですが、地域のおじいちゃんが「楽しいから」と無償で教えてくれるんです。私たちもおすそ分けをしたりしながら、義務ではなく等身大のコミュニケーションで感謝し合える関係性が自然にできていて。そうしたつながりがあることで、自分の暮らしが豊かになる実感がありました。
地域で哲学対話などイベントをやっている場所にも1年くらい通っているのですが、恩返しの思いで企画を手伝うようにもなって。感謝し合える関係性や、自分の得意を活かして貢献し合える場があることで、自分らしさを受け入れてもらっている感覚につながる。そういう環境があったほうが、人生は楽しいと思うし、自分もそういった場所を作っていきたいと思っています。
個を活かして価値を生む。背中で語り、社会に変化を起こす
今関わっているYADOKARIの宿泊施設事業を通して、訪れる人がそれぞれ自分らしい滞在の仕方を楽しみつつ、地域の方も気軽にラフで心地よく交流できる場をつくりたい。お互いを尊重しながら関係性が育つような場のきっかけを生み出せたら素敵だなと思っていますし、こうした場は、自分らしさや等身大のコミュニケーション、そしてそれを促すコミュニティビルダーの存在を大切にするYADOKARIだからこそ実現できると思っています。
世の中には、利益や成長といった単一的な指標で測り、普遍的で変わらないサービスを提供しようとするものが増えているけれど、実際は「個を活かした人と人との関係性」にこそ価値があるはず。自分らしくいられている感覚と、それを受け入れてくれる場所や人との関係性を生み出すこと。それを土台に利益もしっかり出し、数字に還元されない価値を社会に示していきたいと思っています。
すでにその価値観を共有しているのが僕たちのチームの良さであり、あとはどう実現していくか。そこはまだ成長段階にありますが、全員で目線を揃えて挑戦していくつもりです。こんなにも人を愛し、信じる会社は他にない。YADOKARIだからこそ実現できることだと思います。
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